ソフトウェア

Appleの音声アシスタント「Siri」開発責任者がMicrosoftのAI部門へ移籍

by iphonedigital

Appleの音声アシスタントである「Siri」開発部門のヴァイス・プレジデントだったWilliam Stasior氏がAppleを退社し、ライバル企業であるMicrosoftのAI部門に移籍したことが報じられています。

Apple’s Former Siri Boss Joins Microsoft AI Group — The Information
https://www.theinformation.com/articles/apples-former-siri-boss-joins-microsoft-ai-group


Former Siri chief is leaving Apple to join Microsoft’s AI division - The Verge
https://www.theverge.com/2019/8/19/20812981/apple-siri-bill-stasior-leaving-company-microsoft-joining-ai-cortana


Stasior氏はマサチューセッツ工科大学でコンピューターサイエンスの博士号を取得した後、検索エンジン会社のAltaVistaで検索エンジンの開発や検索広告マーケティングを担当。そして2004年4月にAmazonが抱える検索エンジン会社のA9.comに移籍し、エンジニアリング担当ヴァイス・プレジデントを務め、2006年2月からはA9.comの社長を務めました。

2012年にStasior氏はAppleから、Siriの開発チームの責任者として迎えられました。同時期、AppleはiOSに標準でインストールされている「マップ」アプリが間違いだらけという問題の対応に追われていて、当時のSiri担当のトップで「マップ」アプリの開発も担当していたScott Forstall氏は退任することとなりました。その後、Siri部門の幹部は次々と変わりましたが、Stasior氏はヴァイス・プレジデントとして7年以上Siri部門に在籍しました。

AppleのCEOティム・クックがiOS6/iPhone5のマップについて謝罪、Googleマップなどの使用を推奨 - GIGAZINE


Appleは2011年にリリースされたiOS 5に初めてSiriを搭載し、他企業よりも早期に音声アシスタントに力を入れていたものの、やがてGoogleやAmazonの技術力がAppleを追い越し、GoogleアシスタントやAmazon Alexaが後発ながらSiri以上のシェアを獲得するようになりました。海外メディアのThe Informationが報じるところによると、Siriの開発チームはAppleの社内で冷遇されていたとのことで、近年は部門内の統制も取れておらず、開発は決してスムーズではなかったそうです。

2018年にAppleはGoogleの元AI部門トップであるJohn Giannandrea氏を引き抜き、AI事業を根本的に見直す姿勢を見せました。Stasior氏がAppleを2019年5月に退社したのは、AppleによるAI事業再編の影響を受けたからだとThe Informationは述べています。

AppleがGoogleの人工知能(AI)開発チーフをスカウト、Siriのアップグレードにも大きく影響する可能性 - GIGAZINE


The Informationによると、Stasior氏は2019年8月にMicrosoftに入社し、最高技術責任者(CTO)のケヴィン・スコット氏直属でMicrosoftのAI部門に携わっているとのこと。Microsoftは音声アシスタント「Cortana」を抱えていますが、Stasior氏はCortanaの開発に関わっていないとThe Informationは伝えています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Amazon・Apple・Google・Microsoft・サムスンの音声アシスタントが音声データをどう扱っているか比較してみた - GIGAZINE

AlexaやGoogleアシスタント、Siriを人間に聞こえない音で命令することが可能 - GIGAZINE

AppleがGoogleの人工知能(AI)開発チーフをスカウト、Siriのアップグレードにも大きく影響する可能性 - GIGAZINE

Apple「Swift」の生みの親がテスラの自動運転開発をやめてGoogleの人工知能開発チーム入り - GIGAZINE

AppleのSiri関連雇用が過去最高に、Siriのアップグレードが目的か - GIGAZINE

in モバイル,   ソフトウェア, Posted by log1i_yk

You can read the machine translated English article here.