「Skypeでのやり取りはMicrosoftの従業員や請負業者が聞く可能性がある」とMicrosoftがプライバシーポリシーに追加

by RobinHiggins

MicrosoftのAIアシスタントのCortanaにユーザーが話しかけた内容や、ユーザー同士のSkypeでのやりとりを、Microsoftの従業員や請負業者が聞いていたという問題を受けて、Microsoftがプライバシーポリシーを変更しました。

Microsoft Admits Humans Listen to Skype and Cortana in Privacy Policy Update - VICE
https://www.vice.com/en_us/article/qvgpkv/microsoft-updates-privacy-policy-admits-humans-listen-to-cortana-skype

Microsoft’s new privacy policy admits humans are listening to some Skype and Cortana recordings - The Verge
https://www.theverge.com/2019/8/14/20805801/microsoft-privacy-policy-change-humans-listen-skype-cortana-voice-recording

2019年8月7日、Microsoftの翻訳機能などを改善するために、Skypeでやりとりされる会話の録音データがMicrosoftと契約する請負企業の従業員によって聞かれていることが報じられました。このデータの中には個人の住所や、電話越しのセックスなど、非常に個人的な内容も含まれていたとのこと。

Revealed: Microsoft Contractors Are Listening to Some Skype Calls - VICE
https://www.vice.com/en_us/article/xweqbq/microsoft-contractors-listen-to-skype-calls

Skypeのウェブサイトには会話の内容を収集し記録するとは記されているものの、人間によるレビューについての明記はされておらず、Microsoftは大きな批判を浴びました。

これを受けて、Microsoftはプライバシーポリシーを更新し、オンラインページに「人間の従業員や請負業者が記録を聞く可能性がある」という形で明記しました。下記のページには「Our processing of personal data for these purposes includes both automated and manual (human) methods of processing」(個人データの処理は自動あるいは手動によって行われます)という内容が含まれています。

Microsoft Privacy Statement – Microsoft privacy
https://privacy.microsoft.com/en-US/privacystatement

また以下のページには「あなたがCortanaなどMicrosoftのスピーチサービスを使った時、Microsoftはその音声記録のコピーを保存します。Microsoftの従業員や請負業者が転写を行うこともありますが、ユーザーのプライバシーが最優先されるため、データは匿名化されており、請負業者や従業員とは機密契約が結ばれます。請負業者はヨーロッパやその他地域での高いプライバシー標準を定めた法律に従います」と記されています。

Voice data on the privacy dashboard - Microsoft privacy
https://support.microsoft.com/en-us/help/4468252/voice-data-on-the-privacy-dashboard-microsoft-privacy

機械学習を改善するためには人間による監査が必要であることは事実ですが、これはプライバシーの問題に大きく関わります。音声デバイスに対しては住所や医療記録といった極めて個人的なデータが入力される可能性があるため、オプトアウトを選択可能にすべきだとニュースメディアのThe Vergeは指摘。なお、Appleは将来的なアップデートでオプトアウトの選択肢をユーザーに提供する予定だといわれています。