サイエンス

「女性はマルチタスクが得意」という考えは単なる都市伝説であることが研究で示される

by dolgachov

「男脳・女脳」といった考えはいまだ根強く残っており、その1つとして「女性は男性に比べてマルチタスクが得意」というものがあります。最新の研究では、この考えが否定され、「マルチタスクは全ての人が苦手である」という結論が示されました。

Women aren't better multitaskers than men – they're just doing more work
https://theconversation.com/women-arent-better-multitaskers-than-men-theyre-just-doing-more-work-121620

マルチタスクは複数の作業を同時にもしくは短時間に並行して切り替えながら実行する行為のこと。あるタスクから別のタスクへと素早く頻繁に注意を切り替える必要があるので、単一のタスクを集中して順番に行うよりも、高い認知力が要求されます。

マルチタスクへの注目は近年高まっており、これまでの研究では「人間は複数のタスクを同時に行っているのではなく、タスクを切り替えているだけで、一度には1つのことしか行っていない」ということが示されてきました。しかし、人間の脳はアクティビティを切り替えるのが得意であるため、人はあたかも自分がマルチタスクを行っているかのように感じるそうです。

by Wavebreakmedia

新たな研究では男性48人、女性48人に対し、数字と文字を認識するテストを行ってもらいました。実験は、被験者が同時に2つのタスクに対して注意を払う必要があったり、2つのタスクへの注意を切り替える必要があったりするものでした。研究者がそれぞれの被験者の反応速度と正確性を測定したところ、マルチタスクは反応速度と正確性の両方に影響を与えることが反応しました。そして、この傾向は男女で変わらなかったとのこと。

また、男性は女性に比べて「部屋の汚さに気づかない」といわれることがありますが、この点に関しても研究者は別の実験を行っています。この結果、男性と女性で部屋の汚さの評価が同じであることが示され、男性は部屋の汚さに気づかないのではなく「女性は男性よりも部屋のきれいさに対し高い標準を持っている」だけだと結論付けられました

by monkeybusiness

2018年の研究では母親のメンタルヘルスが父親に比べて悪いこと、時間的プレッシャーが大きいことが示されています。子どもの数が増えるにつれて両親の時間的プレッシャーは増加しますが、母親への影響は父親の2倍だったとのこと。

社会における性別の役割は変化しており、男性は過去よりも家事と育児に関わるようになってきていますが、依然として仕事と家庭における役割には性差が残っています。マルチタスクの神話は母親が「全てを行う」ことへの期待を意味していると研究者は指摘しました。

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in サイエンス, Posted by logq_fa

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