「100%植物由来の人工肉」に続き植物由来の人工魚肉「Fishless Fish」が開発中

By Oscar Mikols

100%植物由来の人工肉「Impossible Foods」を提供するImpossible Foods社が、魚を使わない人工魚肉「Fishless Fish」を開発中だとニューヨークタイムズが報じています。

The Fish Is Boneless. (Fishless, Too.) - The New York Times
https://www.nytimes.com/2019/07/10/business/fake-fish-impossible-foods.html

Impossible Foods社によると、「魚の味わい」は鉄とポルフィリンの錯塩である「ヘム」を活用すれば再現することが可能だと明かしており、既に「100%植物由来のアンチョビ風味のスープ」を完成させたと語っています。

Fishless Fishは2035年までに市場に出回る動物性食品の代替食品を開発するというImpossible Foods社の遠大な目標の一部です。Impossible Foods社は研究開発チームを2020年末までに124人から約200人に増員する予定とのことです。


「生きた魚を使わない人工魚肉」に取り組んでる会社はImpossible Foodsだけではありません。植物由来食品を専門的に取り扱っているGood Catch Foodsは「植物由来のツナ」を提供し、同じく食品企業であるWild Type細胞農業によって生み出されたサーモンを開発しています。

以下の画像で、緑色のアボカドに載っているのがWild Typeが生み出したサーモン。Wild Typeによると、細胞農業によって生み出される人工魚肉は成長が遅いそうです。

By Wild Type

Impossible Foods社のパット・ブラウンCEOは、人工魚肉Fishless Fishを開発する動機に関して、「水産資源は現在進行形で枯渇しつつある」と述べており、「環境について考える際に、漁業は牛の畜産に次いで2番目に憂慮しなければならない問題です」と語っています。

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一方で、「Fishless Fishのような人工魚肉が成功するだろうか」という疑問点をニューヨークタイムズは指摘しています。バーガーキングがImpossible Foodsをパティに使ったバーガーを展開していることにみられるような人工肉需要の高まりは、「絶対に肉を食べない」という菜食主義よりも、植物性の食事をメインにしつつ時々肉を食べるという「準菜食主義」によるものだとニューヨークタイムズはみています。準菜食主義者の多くは、倫理的・宗教的な理由よりも健康上の利点から植物性の食事に価値を置いています。

肉をたくさん食べることは健康に悪影響を及ぼすため、普段食べている肉をImpossible Foodsのような人工肉に置き換えることには健康上のメリットがあります。一方で、魚肉を食べることは健康上「何の心配もない」といわれているため、普段食べている魚をFishless Fishのような人工魚肉に置き換える必要性はないというのがニューヨークタイムズの指摘なわけです。

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これに対してブラウンCEOは「消費者は植物由来の魚肉を現段階では求めていないでしょう」と認める一方で、「我々は海から獲れる魚よりもおいしい植物由来人工魚肉を創り上げる予定です」と語っています。

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