セキュリティ

iPhoneの「AirDrop」が検閲の目をかいくぐる情報拡散方法として活躍中

by Fancycrave.com

厳しい検閲が行われインターネットが制限されている中国では、抗議活動やデモ隊のメッセージもすぐに政府によってかき消されてしまいます。そんな検閲システム「グレート・ファイアウォール」をかいくぐる方法として「AirDropを使った情報拡散が広まっている」と海外ニュースメディア・Quartzの記者であるMary Huiさんが報じています。

Hong Kong protesters use AirDrop to breach China's Firewall — Quartz
https://qz.com/1660460/hong-kong-protesters-use-airdrop-to-breach-chinas-firewall/


香港で身柄を拘束した容疑者の中国本土への移送を可能にする「逃亡犯条例」改正案に抗議する大規模なデモが香港で続いています。2019年7月7日には九龍地区でデモが実施され、警察発表によると5万6000人、主催者発表では23万人が参加しました。

CNN.co.jp : 香港・九龍地区で大規模デモ、中国人観光客に訴え
https://www.cnn.co.jp/world/35139581.html


中国本土には、中国共産党や政治家に不都合な情報を遮断するため、ブロッキングとフィルタリングを行う大規模検閲システム「グレート・ファイアウォール」が存在します。このため、大規模な集会が実施され抗議者からメッセージが発されても、メッセージが掻き消され、より多くの中国本土の人々に声を届けることができません。

九龍地区で実施されたデモの目的は中国本土の人々に問題を知らせることにありました。しかし、検閲によって香港についての歌さえも消されてしまう状態が続いていたため、抗議活動を行う人々は検閲をかいくぐるべくAirDropを活用して香港を訪れた旅行者にメッセージを届けているとのこと。AirDropはBluetoothやWi-Fiを通じて写真やムービーを共有する技術で、ユーザーがAirDropの受け入れ設定を「すべての人」に設定していると、その人に対して近くにいる誰もがコンテンツを共有できるようになります。


香港で暮らす人々は繁体字を用いますが、AirDropを介して拡散されたメッセージは簡体字で書かれていたため、メッセージは中国人旅行者に向けたものだとみられています。

これが実際にAirDropで拡散されたメッセージの一例。


メッセージの内容はさまざまですが「過去数カ月にわたって香港では大規模な集会が3つ開かれ、200万人もの人々が道を占拠しました」「自由が消え去り、それを嘆くようになることをただ待っていないで。自由は神から与えられるものではなく、人々によって勝ち取られるものです」という内容もあったとのこと。


AirDropのポスターの中にはQRコードをつけているものも。QRコードの先はAlipayWeChat Payといった支払いアプリとなっており、一見するとお金がただでゲットできるっぽい見た目のQRコードなのですが、リンク先には抗議行動の情報が記載されている仕組みです。


街には実際に旅行者に対してポスターを配る人もいる様子。


なお、中国で携帯電話網に依存しない通信手段が活用されるのはこれが始めてではなく、通信インフラが政府にコントロールされてもメッセージやデータのやりとりが可能なメッシュネットワークも広まりを見せています。

当局のネット規制に備えるデモ隊の対応策「メッシュネットワーク」とは? - GIGAZINE

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in モバイル,   セキュリティ, Posted by logq_fa

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