セキュリティ

1000万人以上がSamsungを装う詐欺アプリ「Updates For Samsung(サムスン用アップデート)」に引っかかっていることが判明


Updates For Samsung」という名前のAndroidアプリが実はSamsung公式でもなんでもない「詐欺アプリ」だとしてサイバーセキュリティ企業のCSISが注意を喚起しています。このアプリのダウンロードユーザー数は、記事作成時点で1000万人を超えています。

“Updates for Samsung” — from a blog to an Android advertisement revenue goldmine of 10,000,000+…
https://medium.com/csis-techblog/updates-for-samsung-from-a-blog-to-an-android-advertisement-revenue-goldmine-of-10-000-000-166585e34ad0

Fake Samsung firmware update app tricks more than 10 million Android users | ZDNet
https://www.zdnet.com/article/fake-samsung-firmware-update-app-tricks-more-than-10-million-android-users/

問題のアプリ「Updates for Samsung - Android Update Versions」はGoogleプレイ上で誰でもダウンロードが可能な状態です。アイコンにはAndroidのマスコットキャラクター「ドロイド君(正式名称Bugdroid)」が使用されており、Androidの公式アプリに見えます。


インストール数は1000万人を越え、レビューの評価は星5が一番多くなっています。


しかし、サイバーセキュリティ企業CSISによると、このアプリケーションはSamsungのスマートフォンのアップデートアップデートアプリを装っていますが、Samsungとは全く関係のないものとのこと。このアプリからファームウェアをダウンロードすると、無料プランではダウンロード速度が56kb/sに制限されるそうです。


700MBほどの容量のファームウェアをこの速度でダウンロードすると、3時間以上もかかる計算です。さらにこのアプリの無料プランのダウンロード機能では、ほとんどの場合ダウンロードは失敗するようになっているとのこと。ファームウェアのダウンロードを確実に行うには年額34.99ドルの(約3800円)の有料プランに加入する必要があります。


有料プランの加入はGoogleが保証するGoogle Playの支払いシステムを通さずに、「独自のシステム」で支払いを行います。この独自のシステムを使うと、HTTPS経由で開発会社にクレジットカード情報が送信されます。


しかし、そもそも公式ファームウェアは、設定画面から「システム」を開き「詳細設定」の中の「システムアップデート」をタップすることで、Googleに保証されたバージョンを無料でダウンロード&インストールが可能なため、問題の「Updates for Samsung」を活用する必要はないわけです。


また、このアプリケーションには19.99ドル(約2200円)を支払うとSIMロックを解除する機能もありますが、CSISによると「実際に動作するかは未検証」とのことです。


「Updates For Samsung」のSIMロック解除機能を使用するには、IMEI(端末識別番号)や使用しているSIMカードの契約会社、メールアドレスなどを入力する必要があります。


CSISはこのアプリについて、「Samsungの公式アップデートを装ってお金を巻き上げている『詐欺アプリ』です」と警告を発表。このアプリにはマルウェアの機能はないそうですが、起動中は画面をタップするとフルスクリーンで広告が表示されるようになるとのことです。


このアプリのダウンロード数が1000万人を越えていることについてCSISは「Google Playで『update』と検索すると出てくることが原因」と指摘しています。


CSISは「ベンダーがAndroid OSに多数のソフトウェアをバンドルしていることがユーザーの混乱を招いている」と非難し、このアプリをGoogle Playから削除するようGoogleに呼びかけているそうです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
「Adblock Plus」のニセモノがChromeウェブストアで配布され3万7000人がダウンロードしてしまう事態が発生 - GIGAZINE

Google Playストアのアプリに紛れてマルウェアを仕込むアプリ20種の存在が発覚、2016年に荒稼ぎしたマルウェア「HummingBad」の再来 - GIGAZINE

280万台以上のAndroidスマートフォンにルートキット入りの中国製ファームウェアが使われていると判明 - GIGAZINE

ウイグル自治区を訪れる旅行者のスマホには監視用スパイアプリが強制的にインストールされていることが判明 - GIGAZINE

SamsungのCEOが折りたたみ式スマホ「Galaxy Fold」の発売延期を「恥ずかしいこと」「準備不足だった」と認める - GIGAZINE

in モバイル,   ソフトウェア,   セキュリティ, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.