ハードウェア

ARMが「ノートPC級」の性能を持つモバイル向けCPU「Cortex-A77」やモバイル向けGPU「Mali-G77」などを発表

By Rodion Kutsaev

半導体大手のARMはモバイル向けCPU「Cortex-A77」、モバイル向けGPU「Mali-G77」、機械学習向けプロセッサ(NPU)「ARM ML Processor」を発表しました。同社は、Cortex-A77はスマートフォンの限られた消費電力においてでもノートPCに匹敵する性能を有しているとしています。

Delivering next-generation AI experiences for the 5G world – Arm
https://www.arm.com/company/news/2019/05/delivering-next-generation-ai-experiences-for-the-5g-world

ARM announces Cortex-A77 and Mali-G77 for premium smartphones in 2020 - The Verge
https://www.theverge.com/2019/5/27/18641190/arms-cortex-a77-mali-g77-premium-smartphone-2020-chip-design

発表された「Cortex-A77」は7nmプロセスのCPUで、前モデルCortex-A76と比較して、整数演算性能では20%以上、浮動小数点演算性能では35%以上、メモリー帯域幅では15%以上の性能向上を実現しており、IPC(Instructions Per Clock:クロックあたりの実行命令数)は20%向上しているとのことです。また、機械学習のパフォーマンスは前々モデルのCortex-A75に比較すると35倍になっているそうです。


ARMによると、Cortex-A77はスマートフォンの消費電力の範囲内で、「現在主流なノートPCに匹敵する性能」を持っており、AIカメラ、3Dスキャン、顔認識、音声認識などの機械学習能力を必要とする機能や、5Gなどを活用した8K解像度のストリーミングやモバイルゲームなどに活用可能とのこと。

モバイル向けGPU「Mali-G77」では、「Valhall」という新しいアーキテクチャが採用されています。Mali-G77は前モデルのMali-G76と比較して、省電力性能では30%、サイズあたりの性能は30%向上し、全体的な性能では約40%向上しているとのこと。また、機械学習のパフォーマンスにおいても60%の性能上昇が見込まれるそうです。


ARMは、Mali-G77の描画性能と省電力性能によって、PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS MOBILEフォートナイトといったモバイルゲームを長時間快適にプレイすることができるとしています。

機械学習向けプロセッサ(NPU)「ARM ML Processor」はチップセットにユニットを追加したい生産者向けの製品です。2018年に発表された「Project Trillium」に搭載されていたNPUに比べ、5TOPS/Wという2倍以上高いエネルギー効率を改善し、メモリー圧縮技術では最大3倍、ピーク時のパフォーマンスでは32TOPSを達成しているとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
Intelは「Appleは2020年にMacをARMプロセッサに移行する」と予想している - GIGAZINE

Intelが「Core i9-9900KS」をお披露目、8コアがすべて5GHzで動作可能 - GIGAZINE

TSMCが5nmプロセスの先行生産を開始、7nmプロセスから1.8倍のトランジスタ密度と15%の速度上昇を実現 - GIGAZINE

ARMが新CPU「Cortex-A76」を発表、スマホだけでなくWindowsノートPCや自動運転車への採用も想定 - GIGAZINE

インド初となる国産マイクロプロセッサ「AJIT」が登場、新たな電子大国誕生への1歩となるか - GIGAZINE

Googleの機械学習用マシン「Cloud TPU Pod」のパブリックベータ版が提供開始 - GIGAZINE

in モバイル,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.