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GoogleがHuaweiのAndroidサポートを停止、今後のHuaweiスマホはGoogle PlayなどのGoogleサービスが一切利用できなくなる模様

by tianya1223

「GoogleがHuaweiとの取引を停止する」と報じられています。これにより、HuaweiはGoogleの開発するモバイルOSであるAndroidを自社製スマートフォンに搭載できなくなり、今後リリースされるHuawei端末ではGoogle PlayやYouTube、GmailといったGoogleサービスが利用できなくなる模様です。

Exclusive: Google suspends some business with Huawei after Trump blacklist - source - Reuters
https://www.reuters.com/article/us-huawei-tech-alphabet-exclusive/exclusive-google-suspends-some-business-with-huawei-after-trump-blacklist-source-idUSKCN1SP0NB


Google pulls Huawei’s Android license - The Verge
https://www.theverge.com/2019/5/19/18631558/google-huawei-android-suspension

アメリカでは中国のテクノロジー企業に対する規制が強まっており、2018年8月には中国の大手テクノロジー企業であるHuaweiがアメリカ市場から全面撤退すると報じられました。その後も、Huawei創業者の娘であり同社のCFO(最高財務責任者)でもある孟晩舟氏がカナダで逮捕されたり、アメリカがHuaweiを刑事訴追したりと、Huaweiを巻き込みながら中国・アメリカ間の激しい争いが繰り広げられていました。

そして2019年5月15日にはドナルド・トランプ大統領が「情報通信上のリスクがある外国製品の取引を禁止する」という大統領令に署名したと報じられます。これによりアメリカ政府によるHuawei排除の動きは、さらに加速することとなるとみられていました。

トランプ大統領が「情報通信上のリスクがある製品」の取引を禁止する大統領令に署名、Huawei排除に向けての動きか - GIGAZINE


そして2019年5月19日、ロイターが「GoogleがHuaweiとの取引を停止する」と報じています。ロイターがある筋から入手した情報によると、Googleは同社の開発するハードウェア・ソフトウェア・技術サービスのうち、オープンソースライセンスで入手可能なもの以外、すべてHuaweiが使用できないようにする予定だとのこと。

また、海外メディアのThe Vergeも「GoogleがHuaweiとの取引を停止したことを確認した」と報じています。なお、この件についてロイターが問い合わせたところ、Googleの広報担当社は詳細について明らかにしていませんが、「命令を順守し、その影響を検討する」と述べたそうです。

これによりHuaweiはGoogleとの間のいくつかの事業が停止することとなります。モバイル向けOSのAndroidの利用も不可能となってしまうため、「HuaweiはすぐにGoogleのAndroid OSへのアップデートを失い、この動きは中国国外でのHuaweiスマートフォンビジネスを狂わせることになるかもしれない」とロイターは報じています。

by Pexels

ロイターが接触した情報筋は、「HuaweiはパブリックバージョンのAndroidを使用することしかできず、Googleのプロプライエタリ・ソフトウェアやサービスにアクセスすることはできなくなります」と述べています。なお、Huaweiが使用することができるのはAndroidオープンソースプロジェクト(AOSP)版のAndroidのみで、製品向けに搭載されているAndroidはこのAOSP版を修正したものとなっています。AOSP版のAndroidはGoogle PlayやYouTubeといったGoogle製のアプリやサービスと切り離されたものであるため、今後リリースされるHuawei端末では、ユーザーはGoogle製のアプリやGoogle Playといったサービスを利用できなくなるとのことです。

ただし、Google Playにアクセス可能な既存のHuawei端末では、引き続きGoogle製アプリのアップデートが提供されることになると予想されています。大統領令の影響を受ける可能性があるのは通信事業者やメーカーによって処理されるOSのアップデートであり、Gmailなどのアプリのアップデートはアプリストアを介して行われるため、今後もアップデート自体は可能になるのではと情報筋は予測しています。

Huaweiはこれまで「中国政府が自社の機器にバックドアを仕込むのは不可能」として、アメリカ政府からの圧力に対しても楽観的な見方を続けていました。しかし、Googleによる今回の処置は、「Huaweiにとって重要なモバイルビジネスの将来に大きなリスクをもたらすものである」とThe Vergeは指摘。HuaweiはAndroidやWindowsといったOSの使用を禁止された場合に備えて独自のOSを開発していると伝えられていますが、Huawei製のOSとなればGoogle製のソフトウェアよりもさらにアメリカ政府から厳しい精査を受けることになる可能性が高いとみられています。

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in モバイル,   ソフトウェア, Posted by logu_ii

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