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IBMが「高齢であること」が原因で不当に解雇されたとして元従業員から訴えられる

by Daria Obymaha

IBMによって2016年に解雇された4人の従業員が、「IBMは『高齢であること』を理由に従業員を解雇し、若い従業員との入れ替えを図った」として集団訴訟を起こしました。従業員らはIBMに解雇された際、「IBMに対して集団訴訟を起こすことを禁じる」という条項も要求されたと主張しています。

IBM purged 'gray hairs,' launched 'Millennial Corps': lawsuit
https://www.mercurynews.com/2019/03/27/ibm-purged-gray-hairs-and-old-heads-as-it-launched-millennial-corps-lawsuit/

訴訟を起こした従業員らは2016年5月にIBMから解雇されたとのことで、解雇当時の年齢はいずれも55歳以上、3人が勤続30年以上で1人が勤続10年以上でした。ニューヨークの連邦裁判所に提起された訴えによると、IBMは2014年から社内の年功序列をなくすためのリストラを始めたとのこと。過去6年間でIBMは2万人を超える40歳以上の従業員を解雇し、社内の若返りを図ったとされています。


原告らは「2015年と2016年に、IBMは高齢の従業員を新規採用の若い従業員に置き換えようとした」と主張。IBMは従業員を解雇するかどうかの判断時に高齢の従業員を不当に厳しく評価し、「パフォーマンスが低いため解雇するのが妥当」という理由付けをしたといわれています。また、若年の専門職は解雇の対象から免除されたそうですが、高齢の専門職に対してはそのような免除措置がなかったとのこと。

さらに、IBMは2014年から解雇した従業員に対し、集団訴訟の権利を放棄するように求め始めたと伝えられています。訴訟内容によると、従業員は解雇された1カ月後の給与、健康保険や生命保険料の支払い、無料のキャリアカウンセリング、2500ドル(約28万円)までのスキルトレーニングといったオプションを受けることと引き換えに、IBMに対して集団訴訟を起こす権利の放棄を求められたそうです。解雇された従業員は悩みながらも、経済的困難に直面しているため権利の放棄に同意せざるを得なかったと原告は主張しています。

by jeffcapeshop

訴訟では、2006年にIBMが作成した従業員の人口統計に関する内部報告において、高齢の従業員に対し「gray hairs(白髪)」「old heads(老人)」といった呼び方がされていたことも取り上げています。報告書では若年の従業員について、「ベビーブーム時に生まれた年配の従業員よりも、はるかに革新的でテクノロジーに対する感受性が強い」と述べられていました。

加えて2014年にIBMは「Millennial Corps(ミレニアル世代の団体)」を組織し、若年従業員がビジネス上の決断について上級管理職からアドバイスを受けられるネットワークを作っていたとのこと。その一方で、高齢の従業員に対してのサポートはありませんでした。なお、独立系メディアのPro Publicaが行った調査によれば、「IBM内に年齢差別がはびこっている」という度重なる訴えを受けて、2018年9月の時点でIBMはMillennial Corpsを解散しているそうです。

by Michael Coté

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in メモ, Posted by log1h_ik

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