NVIDIAが世界で最も完成度の高い「レベル2＋」自動運転プラットフォーム「DRIVE AP2X」を発表

NVIDIAが技術カンファレンス「GPU Technology Conference 2019(GTC 2019)」の中で、完全なレベル2＋の自動運転を実現するプラットフォーム「DRIVE AP2X」のリリースを発表しました。イベントでは、トヨタとの関係を発展させた協業や、自動運転のシミュレーションプラットフォーム「NVIDIA DRIVE Constellation」などについても発表がありました。

自動運転車のテクノロジとソリューション - NVIDIA Automotive
https://www.nvidia.com/ja-jp/self-driving-cars/

Introducing DRIVE AP2X Complete Level 2+ Platform | NVIDIA Blog
https://blogs.nvidia.com/blog/2019/03/18/drive-ap2x-worlds-most-complete-level-2-platform/

「DRIVE AP2X」は、2019年1月から商用利用が始まった自動運転プラットフォーム「DRIVE AutoPilot」と自動運転向けハードウェア「NVIDIA DRIVE AGX」、検証ツールなどを含む自動運転ソリューションです。自動運転には「自動ブレーキ」「車線からはみ出さない」といった車両制御を行うレベル1のものから、システムがすべての運転タスクをこなすレベル5まで段階があり、DRIVE AutoPilotはそのうちレベル1の機能を組み合わせた上で高機能化させた「レベル2＋」相当のシステムです。

次の四半期でリリースされる予定だという「DRIVE AP2X 9.0」には、さらなるディープニューラルネットワーク(DNN)や顔認識能力、追加のセンサー統合オプションが搭載されます。

NVIDIA Introduces DRIVE AV Safety Force Field: Computational Defensive Driving Policy to Shield Autonomous Vehicles from Collisions | NVIDIA Newsroom
https://nvidianews.nvidia.com/news/nvidia-introduces-drive-av-safety-force-field-computational-defensive-driving-policy-to-shield-autonomous-vehicles-from-collisions

自動運転車用ソフトウェアスイート「DRIVE AV」の強化も発表されました。交通事故の約94％が人為的なミスによって発生しているという現状を打破するべく、車の周辺環境の変化を分析・予測し、車両や他の道路利用者を保護するための一連の行動を決定する「Safety Force Field」コンポーネントが組み込まれます。

NVIDIA と TRI-AD、より安全な自動運転の実現に向けて協業|NVIDIA
https://www.nvidia.co.jp/object/nvidia-tri-ad-partner-autonomous-transportation-20190319-jp.html

さらに、トヨタ自動車の設立した研究所であるトヨタ・リサーチ・インスティテュート・アドバンスト・デベロップメント(TRI-AD)と自動運転車の開発・学習・検証において協業することも明らかになりました。

これは、以前からNVIDIAがトヨタ自動車と行っている自動運転分野での提携をさらに発展させたもの。NVIDIAのGPUを活用したAIコンピューティングインフラ、自動運転車のシミュレーションプラットフォーム「NVIDIA DRIVE Constellation」の活用、「NVIDIA DRIVE AGX」をベースにした車載コンピューターなどを活用することで、トヨタが目指す「数年以内の自動運転車の市場投入」に近づいていくことになります。