動画

30年前に死んだ画家のダリがAI技術を使って驚異の復活、「ダリは生きていた」と言えそうな完成度のムービーが公開中


溶けた時計を描いた「記憶の固執」で有名な口ひげの画家、サルバドール・ダリは1989年に心不全で死亡していますが、「ダリは本当は生きていた」といわんばかりのリアルな動くダリの映像がYouTubeで公開されています。

Dali Lives: Museum Brings Artist Back to Life with AI - Salvador Dali Museum Salvador Dali Museum
https://thedali.org/press-room/dali-lives-museum-brings-artists-back-to-life-with-ai/

以下からダリが動いて話す映像を見ることが可能。顔の動き、表情、体の動き、何もかもが自然すぎて「ダリは生きていた」と言われても違和感がありません。

Dali Lives - The Master of Surrealism is Back - YouTube


「私はサルバドー・ドメネク・ファリプ・ジャシン・ダリ・イ・ドメネクだ」と語るAI製ダリ。音声と口の動き、体の動きがマッチしていて、作られた映像にありがちな不自然さはどこにもありません。


ちょっと首をかしげ……


「戻ってきたよ」


さらに長い映像は以下から見ることができます。

Dali Lives – Art Meets Artificial Intelligence - YouTube


暗闇の中で絵を描くダリ。


立ち上がってこちらに向かってきました。


暗闇から姿を現したダリ。


「ほとんど30年間、長い間おとなしく死んできたが……」と話しだすダリ。


ちょっと眉をゆがめた表情や……


身振り手振りで話すしぐさなど。


「私は自分の死を信じていません。あなたは?」と呼びかけてムービーはおしまい。


2017年末、AIを使ってムービー内の人物の顔を違和感なく別の人物に入れかえることが可能な技術「deepfake」が登場し、AV女優の顔を有名女優に入れ変える「フェイクポルノ」が急増して問題視されました。

AIを使ってAV女優の顔部分に有名女優やゲームキャラクターを合成する「フェイクポルノ」が急増中、YouTuberやゲーム配信者など「インターネット上の有名人」はターゲットにされる可能性アリ - GIGAZINE


deepfakeによって女優やジャーナリスト、一般人が被害を受ける事態となり、フェイクポルノはリベンジポルノよりもダメージが大きいとも指摘されています。一方で、人の顔を合成するAIを使ったこのような技術は映画の編集に使われたり、AIでダンサーの動きを完璧に別人に転送する技術に使われたりと、映像コンテンツを大きく発展させるものとして注目されています。アメリカ・フロリダにあるザ・ダリ・ミュージアムが公開した映像は、deepfakeに特定されていないものの、同様の技術を使ったものとみられています。

AI製ダリはザ・ダリ・ミュージアムが広告会社のGoodby Silverstein & Partners(GS&P)と協力して作りあげたとのこと。ザ・ダリ・ミュージアムは何百というダリのインタビューや引用、ストック・フッテージを集め、GS&Pはこれらの素材を使ってAIアルゴリズムにダリの顔を学習させました。その後、ダリの体と似た身体的特徴を持つ人を探しだし、この人物の表現とダリの顔をAIで合成して「AI製ダリ」を作り出したといいます。AI製ダリはダリの死後30年を記念した「Dali Lives,」展のために作られたもので、2019年4月からザ・ダリ・ミュージアムを訪れた人は、ダリの解説のもとダリの作品を見ることができるとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
ピカソの死後残された4万5000点もの作品を巡る戦い - GIGAZINE

社会を揺るがした2人の芸術家、クリムトとシーレの運命はどのように絡みあっていったのか? - GIGAZINE

ゴッホはいかに日本の芸術から影響を受けたのか? - GIGAZINE

サルバドール・ダリが史上最も有名なくちひげの持ち主、世界の10大くちひげ発表 - GIGAZINE

抽象絵画などの近代美術はかつてCIAの「兵器」だった - GIGAZINE

映画の中で「ハイになる」シーンはどのように描かれてきたのか? - GIGAZINE

in ソフトウェア,   動画,   アート, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.