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パリで子どもの公共交通運賃が無料に、得られる社会的な恩恵とは?

by Luc Legay

フランス・パリ市内で電車やバス、トラムなどの公共交通機関の利用を11歳未満の子どもは無料とする施策が2019年9月から行われる見込みです。これによって恩恵を受けるのは子育て世代の家庭にとどまらず、パリ市内全体の生活の質が向上すると期待されているそうです。

Paris Metro Will Soon Be Free for Kids - CityLab
https://www.citylab.com/transportation/2019/01/paris-metro-tickets-prices-kids-bus-ride-disability-fares/580759/

2019年9月1日から、パリ市内の公共交通機関の運賃が、11歳未満の子どもに限って無償化されます。なお、10歳以下の子どもであれば国籍は問わず、フランス国籍を持たない移民や旅行者にも無料化の恩恵は与えられます。また、20歳までの障害者も運賃が無償化され、14歳から18歳までの学生も運賃が半額となるとのこと。さらに、14歳から18歳の子どもは自転車を借りられるシェアバイクも無償化されます。


パリ市内ではこれまでにも障害者や65歳以上の高齢者を対象に、公共交通機関が無料になるフリーパスが発行される社会実験が行われてきました。今回の公共交通機関の無料化策はその対象を子どもに拡大するもので、必要な予算は年間で1500万ユーロ(約19億円)と見積もられています。

より多くの人が公共交通機関を利用することで得られる社会的なメリットは、「環境汚染の防止」だとされています。かねてからパリ市内では自動車が生み出す排気ガスによって良好な環境が失われているという危機感がありました。


このため、パリ市内に乗り入れる自動車に排ガス規制を設け、基準値を上回り環境汚染を引き起こす原因となる古い自動車の都心部への乗り入れを禁止するなどの対策が採られてきました。

フランス・パリで古い自動車を締め出す措置、1997年以前の車は市内を走行できない法律が施行へ - GIGAZINE


しかし、乗り入れを禁止された自動車を所有するのは比較的、低所得の人が多い傾向にありました。そして、低所得者は都心から離れたパリ郊外に住み、通学のために子どもを自動車でパリの中心部の学校へと送迎していることも多かったため、自動車のパリ中心部への乗り入れを禁止することは、中心部に住む裕福な人たちの生活の質を高めるという目的で、郊外に住む裕福ではない人たちに新たな負担を課すもので不公平だという批判が一部で出されていたそうです。

今回の子どもの公共交通機関無償化によって、送迎のためパリの中心部を走行する自動車は確実に減ると見込まれています。また、パリ中心部では車線が減ったり歩行者用の道路が整備されたりと、自動車を減らす試みが行われています。近い将来、化石燃料を使って排ガスを出す自動車の姿がパリ中心部から消えるのを期待する声もあるようです。

by Kosala Bandara

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