セキュリティ

初めて入った部屋に仕掛けられた隠しカメラや盗聴器を発見する方法とは?

by Ludovic Bertron

近年では旅行の際にホテルの部屋や客船の個室に宿泊するだけでなく、民泊サービスの発達などによって見知らぬ人の部屋に泊まる機会も増えてきました。しかし、Airbnbで借りた部屋に隠しカメラが仕掛けられていたといった事件が報告されるなど、発達した盗撮カメラや盗聴器によってプライバシーを侵害されている危険性も増加しつつあります。そんな隠しカメラや盗聴器の発見は一般人でも可能だとして、防犯装置などの開発・販売を行うセキュリティ企業「Sentel Tech」によって隠しカメラや盗聴器の発見方法が解説されています。

How to Find Hidden Cameras and Spy Bugs (The Professional Way) - Sentel Tech Security
https://www.senteltechsecurity.com/blog/post/how-to-find-hidden-cameras/

「初めて入った部屋で隠しカメラや盗聴器を発見する」というと、専門的な知識や訓練が必要な技能だと感じる人もいるかもしれません。しかし、Airbnbなどで隠しカメラが発見されたといったニュースでは、発見者の多くが政府機関のエージェントなどではない一般人です。一般人であってもあらかじめ部屋をチェックする際に気を付けるべき点を頭に入れておくことで、プライバシーを侵害される危険を防ぐことができます。

Sentel Techによると、隠しデバイスを探す時はまず最初に「いったいどのようなタイプの隠しデバイスを設置される可能性があるのか」という点を考えることが重要だそうです。たとえば、自分が長い間ホテルの部屋に滞在しているのであれば、ビデオを撮影するカメラが設置されている危険性があるかもしれません。あるいは重要なビジネスの商談が会議室で行われる場合、機密情報を狙う何者かによって、非公開の会議を録音する盗聴器などが仕掛けられている可能性があります。隠しデバイスの捜索を行う際には、自分を監視しているデバイスの存在に注意を払う必要があるとのこと。


◆01:「自分は監視されている」と仮定する
まずは、隠しデバイスがあるかもしれないホテルの部屋や会議室、Airbnbで借りた部屋などの中に入ります。この際、「自分は監視されている」と仮定して行動することをSentel Techは推奨しています。もちろん、ほとんどの確率で部屋には何の監視デバイスもないはずですが、100%無事だという確証はありません。

たとえば車に乗る時にはシートベルトを着用しますが、実際に事故が発生してシートベルトの恩恵を受ける状況に陥る確率は非常にまれです。しかし、実際にシートベルトが必要になるかどうかは置いておき、シートベルトを装着することによって安心感が高まり、実際に安全性も向上します。これと同様に、自分は安全だという保証が得られるまでの間は、「自分が監視されている」と仮定することが最善の選択肢だそうです。


◆02:部屋を4分割する
部屋の調査を行う場合、まずは部屋の中心に立ち、そこから四方の壁に直線を引いて部屋を四分割します。最初に部屋を4つのスペースに分割することで、それぞれの空間を順に点検し、見落としなくチェックすることが可能。


◆03:基本的な観察からスタートする
まずは周囲の状況をよく観察し、不審なものや場にそぐわないものがないかどうか注意を払います。たとえば時計や煙探知機、コーヒーポットなど「同じものが2つある」という場合には注意が必要です。それが2つ以上存在する必然性がなければ、何かを内部に仕掛けるために部屋に置かれている可能性があります。

また、壁や天井に不審な穴が空いていないかどうか、部屋に置かれているTVや電話、ドライヤー、ポットなどに不審なところはないか、壁の一部から不審なワイヤーが露出していないかなどを調べることをSentel Techはオススメしています。


◆04:全ての電源タップをチェックする
一般的にカメラや盗聴器などのデバイスは、何かしらの電源を必要とします。デバイスが直接電力を供給されているのか、それともバッテリーによって駆動しているのかは「ターゲット(自分)がどれほどその空間にいるのか」に左右されます。バッテリーで駆動している場合、ある程度の時間が経過すると監視ができなくなってしまいますが、コードによって電力が供給されていれば長期的な監視が可能です。部屋にある電源タップとコードを全て点検し、不審なデバイスにつながっているコードがないかどうかを確かめるのは重要であるとのこと。


◆05:室内の危険な場所をチェックする
ビデオタイプの監視装置は人の姿を捉えやすい場所に設置されているものです。たとえばドレッサーのあたりやバスルームの内側、あるいはベッドなど、ターゲットが一定時間そこにとどまる場所に向けられて隠しカメラが設置されている可能性があります。また、人が出入りする浴室やトイレ、出入り口のドアに向けられている可能性も高いそうです。

一方で盗聴器が仕掛けられるような場合は、当然ながら会話を盗聴したいグループが集まる場所の周辺に盗聴器が仕掛けられていると予想されます。注意を払うべき場所はベッド・テーブル・ソファー・イス・デスク・バルコニーの周辺になります。


◆06:建物に備え付けの装置にも注意する
もしも部屋の中に入った時、「他の部屋とは設備の配置が違う」と気づいた場合、その設備には注意が必要です。基本的には一つの建物内で部屋の間取りはほぼ一致するものであり、たとえ家具などの模様替えをしたとしても、基本設備の位置は他の部屋とそれほど違わないはず。

また、空間のインテリアにそぐわない備品がある場合も注意が必要。たとえば現代風のホテルで多くの備品が新しく現代的な装飾で統一されているのに、なぜか古ぼけたベッドや家具が設置されている場合、その備品や家具には注意を払うべきかもしれません。


◆07:アメニティグッズについて調べる
ホテルなどの宿泊施設ではコーヒーポットやコーヒーカップをはじめとする、さまざまなアメニティグッズが用意されています。宿泊環境を快適にしてくれるアメニティグッズについても、あらかじめどのようなグッズが存在するのかチェックしておいて損はありません。もしも不審なアメニティグッズがある場合、フロントに確認してみるのも一つの手です。

by zmtomako

◆08:天井のタイルをチェックする
もしも天井にタイルが貼られている場合、ひょっとすると小さな穴が空いており、その上に隠しカメラが設置されているかもしれません。あるいはタイルの一部分だけがズレていたり、上へ持ち上げられるようになっている可能性もあるため、念のために天井のタイルをチェックするべきだとSentel Techは述べています。

by Mike Mozart

◆09:鏡をチェックする
部屋に鏡が設置されている場合、その鏡が「マジックミラー」でないことをチェックするべきです。もしも鏡に指先をくっつけた場合、普通の鏡であれば鏡にくっついた指先と鏡に反射した指先の間にわずかな隙間ができます。もし現実の指先と鏡に映った指先がぴったりとくっついた場合、その鏡はマジックミラーになっており、裏側からこちら側の様子をのぞけるようになっているかもしれません。


◆10:電気を消してみる
単純な話ですが、部屋の電気を消して監視デバイスが発するわずかな光を見つけるという方法もあります。カメラが録画状態になっていると小さな光が点灯する場合が多く、もしも犯人がうっかりその表示灯を隠し忘れていた場合、暗闇の中で作動するカメラの存在に気づけるかもしれません。


◆11:スマートフォンのカメラを使う
暗闇の中で映像を記録するため、多くの隠しカメラには赤外線を使った暗視機能が搭載されているとのこと。人間の目には赤外線の光が見えませんが、赤外線カットフィルターのない古い携帯電話やスマートフォンのインカメラを利用することで、隠しカメラが放つ赤外線を見ることができるそうです。

by bruce mars

以下の項目は監視装置を検出するデバイスを使って隠しカメラや盗聴器の存在をチェックするものです。外観検査だけでは見つけられなかった監視デバイスが、ツールによって見つかることも少なくありません。

◆12:無線周波数(RF)検出器を使う
監視装置はどこかへと情報をリアルタイムで送信している場合があり、そういったデバイスはRF検出器で見つけ出すことができます。一般的に市販されている盗聴器などを検知したい場合、およそ100ドル(約1万1000円)程度のRF検出器であっても十分であるとのこと。


◆13:カメラレンズ検出器を使う
監視デバイスの中にはSDカードへと情報を記録する、スタンドアローンのものもあり、こういったデバイスは電波を発信しないためRF検出器で見つけることは困難です。カメラレンズ検出器はカメラのレンズに反射する光を感知できるため、スタンドアローンの隠しカメラを見つけるのに役立ちます。中にはRF検出器とカメラレンズ検出器が一体になったデバイスもあるそうです。


◆14:ツールを使う前に自分が持っているデバイスの電源を切る
RF検出器などを使う前に、自分が持っているスマートフォンやPCといった電波を発信する装置の電源を切る必要があります。あるいは実際にツールを使用する前に、自分のスマートフォンが発信する電波を感知できるのかどうかをチェックして、ツールの精度を確かめておくのもいいかもしれません。


◆15:壁を「ペンキを塗るように」チェックしていく
RF検出器などを使う場合は壁にツールを近づける必要がありますが、この際無作為に手近な壁にツールを近づけていてはいけません。壁を上から下まで一定の順序に従ってチェックしていき、右から左へ、あるいは左から右へといった順番を守ってチェックするべきです。壁の端まで到達したら、次の壁に沿って同じようにチェックを行います。


◆16:熱を検出するツールを使う
多くの監視装置はそれ自体が熱を発しているため、サーモグラフィーなどを利用して存在に気づくことができるとSentel Techは述べています。例えば装着するだけでスマホがサーモカメラになる「FLIR ONE」などのツールを使えば、多くの熱を発する隠しカメラなどに気づける可能性があります。

装着するだけでスマホがサーモカメラになる「FLIR ONE」でいろいろ撮影してみました - GIGAZINE


以上が隠しカメラや盗聴器を発見するノウハウですが、実際に隠しカメラなどを発見した場合は怒りに駆られてデバイスを破壊するのではなく、直ちにカメラの視界を何かで遮って警察に電話することが重要です。

いくつかの隠しカメラでは、動くものに反応して録画を開始する機能を備えており、SDカードに映像を記録しています。隠しカメラの性質上、カメラを仕掛けた際に犯人の姿が記録されているケースが非常に多いため、SDカードに新たなデータが上書きされていなければ、カメラとSDカードの存在がそのまま犯人逮捕につながるとSentel Techは述べました。

by Alexas_Fotos

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in ハードウェア,   セキュリティ, Posted by log1h_ik

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