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教会が移民一家を保護すべく法制度の穴をつき「礼拝マラソン」を敢行中

by Ben White

オランダの法律では、宗教的な行為が行われている礼拝施設に警察が踏み込むことが認められていないことから、オランダのデン・ハーグにある教会では300人の牧師たちが絶えず礼拝を行うことで移民一家を保護していると報じられています。

5 Weeks and Counting: Dutch Church Holds Worship Marathon to Protect Migrant Family - The New York Times
https://www.nytimes.com/2018/11/29/world/europe/bethel-church-netherlands-deportation.html

A Dutch church is holding non-stop services for a refugee family — Quartz
https://qz.com/1470153/a-dutch-church-is-holding-non-stop-services-for-a-refugee-family/


教会に避難しているのはオランダで9年暮らしているというSasun TamrazyanさんとAnousche Tamrazyanさん、そして3人の子どもたち。一家は政治的活動によって死の危険があると考えたことから、母国であるアルメニアを離れ、オランダで居場所を探し求めました。数年にわたって裁判所で手続きが行われた結果、一家は避難場所を得たのですが、その後に行われた法的手続きで滞留許可が取り消されてしまったとのこと。オランダのプロテスタント牧師であるTheo Hettema氏は、なぜ許可が取り消されたのかという理由はわからないとしつつも、「避難場所は移民を制限するための政府の戦略の1つ」だと考えているとのこと。

その後、一家は、オランダに5年以上暮らしている子どもを持つ難民家族に在住許可を与える「children’s pardon」という制度に申請しましたが、申請は通りませんでした。children’s pardonは2013年5月にスタートしてから1360件中100件の申請しか認めておらず、これはよくあることではあるそうです。

Tamrazyan一家はオランダのカトウェイクという基礎自治体にある避難シェルターで暮らして2年目に国外追放の命令を受け取り、保護をしてくれるという近隣の教会に移ることを決めました。しかし、一家を受け入れるには教会が小さすぎたため、最終的にデン・ハーグにあるプロテスタントの教会に助けを求めたとのこと。そして2018年10月25日、ベテル教会が一家の保護を受け入れたそうです。


基本的に教会は、人間の尊厳と政府への敬意のいずれかを選ぶべきではないとされています。「一家を政府から保護する」という選択によって教会は不安定な立場に立たされますが、Hettema氏は「教会の歓待と寛大さに忠実でいるために家族を迎え入れた」と信者たちに説明したとのこと。

記事作成現在、オランダの牧師たちの300人以上がボランティアで次々にベテル教会で儀式を行うことで、Tamrazyan一家を保護しています。Hettema氏は教会が続けている礼拝を今すぐに止めるつもりはないと説明しており、移民局大臣のMark Harbers氏が自らの裁量によって、過去にそうしてきたようにTamrazyan一家の居住を認めることを願っているといいます。

オランダでは極右の政党が力を増してくるにつれ、反移民の姿勢がメインストリームになってきており、ここ数年は亡命について定めた法律について頻繁に議論されています。移民に対する風当たりが強くなってきたという見方が一般的ですが、Tamrazyan一家に対する教会、そして信者たちのサポートは、オランダの別の側面を表すものといえそうです。

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in メモ, Posted by logq_fa