取材

デジタル造形&最新フルカラー3Dプリンターでどうやってフィギュアを作るのかプロのクリエイターが詳細に語るトークパネルレポート


さまざまな分野で活躍するアーティストやクリエイターの集団「Ultra Modelers」による、デジタル造形ソフトと最新型のフルカラー3Dプリンターによる作品の展覧会が2018年11月23日~25日に大阪で開催されました。会場では作品展示だけではなく、「ウルトラ!セミナー」と題して2日間にわたってさまざまなトークパネルが行われていました。3DCGモデリングソフト「ZBrush」の公認インストラクターであるBLESTARこと和田真一氏と、Wacomのエンタープライズエバンジェリストである轟木保弘氏による展示作品総括のトークパネル「創作人との炎の対談」では、和田氏の作品がどのようにして作られたのかが詳細にわたって語られていました。

当日の展覧会で展示されていた全作品は、以下の記事でチェックできます。

最新型フルカラー3Dプリンターで可能になった新しい造形の最前線を「ウルトラモデラーズ」展覧会でのぞいてきました - GIGAZINE


和田真一氏(以下、和田):
私の作品「密林の追跡者」のメイキングを、皆さまにご紹介しようかなと思います。


轟木保弘氏(以下、轟木):
お願いします。


和田:
今回使用させていただきましたホタルコーポレーションさんで撮影させてもらったんですが、株式会社ミマキエンジニアリングさんのプリンタですね、UV硬化インクジェット方式のフルカラー3Dプリンターです。


轟木:
これはもうさっそくチェックですよ、皆さん。

和田:
3DUJ-553」という機種なんですが、でかいでしょう。

轟木:
でかいですよね。

和田:
写真で見たらおわかりいただけると思うんですが、すごく大きくて。こういう形で展示会ができるぐらい作品が存在しているですけども、このプリンターが開発されてまだ、今月でやっと1周年なんですよ。

轟木:
はい。

和田:
私の作品は展覧会の入り口のところにあるので、実際にご覧いただきたいのですけれども。これは「密林の追跡者」の写真なんですが、ものすごく「出てる」んですよね。


和田:
私は仕事でフィギュア原型もやっておりましたので、レガシーなデジタルのデータの作り方をわかっているし、どうやって出力用の3Dデータを作らなきゃいけないのかという「縛り」も大変よくわかっている。

轟木:
製造向けのお約束をわかっていらっしゃる。

和田:
そうですね。「そこを踏まえて作らなきゃいけないのかな」と最初は思っていたんですけど、お話をうかがった時に「あまり何も考えないで作って下さい」と言われまして。「じゃあ、これ出せるんかい!?」という感じで(笑)

轟木:
限界に挑戦と(笑)

和田:
限界というか、「これはプリンターで出すの無理でしょ」みたいな。データ構造もそうだし、ディテールもという意味で、何も考えず、もうゴリゴリにスカルプトさせてもらったんですよね、

轟木:
はい。

和田:
で、実際に出力をされちゃったんですよ。出たんです(笑)

轟木:
そうですよね。

和田:
「このデータ出せるの?」みたいな感じだったんですよね。データの構造なんかもお見せしますけれど、これはまんま写真じゃないですか。


轟木:
はい。

和田:
ZBrushはCGデータなんで、他のソフトに持っていってレンダリングができるんですが、レンダリングしたのがこれなんですね。


和田:
レンダリングと写真で変わらないでしょう?CGとモノの差がほぼないですね。だから画面で見ているものが、そのまま出てきて手に取れるという。まさに夢のよう!

轟木:
そうですね!

和田:
最初に3Dプリンターが出た時、カラーは無理だけど単色で、手に取って「わぁ!嬉しい」と思いましたけど、これは色ついてますもんね。「色付いてそのまま出てんじゃん!」って。

轟木:
もう一気に突き抜けた感がありますよね。

和田:
そうなんですよ。それで、実際に出力をしている模様を撮影していただいたんですけど、こんな風に出るんですよ。


轟木:
これは真横になってるんですよね?

和田:
真横に倒れてて。槍はちょっと分割しているんですけども、体自体は一発で出ているんですよね。それで、よく見ていただきたいのはこの乳白色の部分。ここがサポート、つまり支えになってるんですよ。これは出力した後に全部取ってもらうんです。サポート材の中から本体を掘り出してもらっているんです。

轟木:
形状を安定してプリントするために付け加えられるのがサポート材、という事になります。

和田:
やっぱり浮いている部分とかはそのまま積層していけないので。サポートを下から入れて、土台になってないとだめなんですね。

轟木:
持ち上げながらプリントしていくって感じですね。

和田:
明るく白い部分が実体となる本体の写しの部分で、その周りに黒い線があるじゃないですか。これが色の層なんですよ。


轟木:
おお~。

和田:
ここが色なんですね。なので、樹脂の中身全部に色がついてるんじゃなくて、中のこの部分は白い樹脂が入っていて、その表面の薄皮一枚にフルカラーで色がついている仕組みなんですよ。

轟木:
すごいですねぇ……。

和田:
だからスカート部分はまさにこの層なんだな、というのを見て取れるかと思います。

轟木:
これは一番わかりやすいですよね。

和田:
イノシシの部分なんかは、こんな感じで出てくる。


轟木:
これはちょっと信じられないですね。ドカーンって一体成形ですからね。

和田:
そうです。このまま一発で出てきて。

轟木:
普通おかしいですよね、これね。

和田:
すごいでしょ?

轟木:
私も、太ももとか脚とかで、「どっかで3分割ぐらいにしているのかな」と思ってたんですよ。そうしたら和田さんの資料が来た瞬間、「一発で出てるって書いてる、これはちょっと信じられんな……」と思いましたね。

和田:
そうなんです。通常でしたら腰の装備は、裸の脚があってそこにガシっと後からつけるじゃないですか。一発で出てくるんですよ(笑)。何も余計なことをしていない感じですね。

轟木:
はい。

和田:
このイノシシの部分は、サポート材が大量にありますが、それを職人さんがガーッっと削ってくださります。だから本当に「彫り出している」っていう感じなんですよね。


轟木:
本当ですね。

和田:
このサポートの素材感は……職人さんがおっしゃるには「カロリーメイト」みたいな感じです。

(一同笑)

和田:
湿ったクッキーのような感じらしくて、サクッサクッとやっていくんですけど、やっぱり細かい所もあるので、一度小さく出力したもので練習してくださってるんですよ。右の方にある小さいもので一度練習して、それから本番に移っているという感じ。


轟木:
サイズ違いのモノが出せるところがデジタルのいいところですよね。

和田:
そうですね。でっかくするのも小さくするのも自由なので。

轟木:
スケールのバリエーションにもなりますし。やっぱりフィギュアは型を作るのが一番高いんですよね。そういう意味ではデジタルならではの利点かなと思いますね。

和田:
そうですね。そして、このサポート材は水に溶けるので、最終的には洗っていただいて。水で流して、きれいに溶かしてもらって仕上げていただいてる、という感じです。


轟木:
離型剤を洗うようなものですよね。

和田:
ああ、そうですね。やすりをかけていない。むしろ表層に色が乗っちゃっているから出来ないんですよね。

轟木:
剥離しちゃいますもんね。

和田:
細かい所も全部彫り出してもらいます。私の作品はゴロっとした形状なのでまだ彫りやすいかなと思うんですけど、先ほどの谷岡さんの作品の後ろの部分とか(笑)

谷岡和樹さんによる「歌川芳藤氏作 五拾三次内 猫之怪 立体図」


轟木:
和田さんの作品はどんな感じでデータを作っていったんですか?

和田:
データを作っている時、一番最初はZBrushでアタリを取って、イノシシを作っています。ZBrushには「ZSphere」という機能があって、球体関節みたいなものを触れる機能があるんですけど、そのマネキンを使ってレイアウトをかたどる。最終的には違いますけど、これを考えて、ここからもうゴリゴリゴリゴリ作っていってるんですね。


和田:
そして、実際のZBrushでの画面が実はこれなんです。


和田:
ZBrushの画面を見ていただくと、たくさんの「サブツール」というバラバラのパーツで構成されているのがおわかりいただけると思うんですね。レガシーな3Dプリントのデータというのは、大体ワンスキンにしなきゃいけないんですよ。データをまとめて合体して、中身が重なっていない状態。例えば、球体と球体が重なっている、シェルとシェルで重なって埋まり合っているというのはCGでは可能なんですが、3Dプリンタではそういうデータは嫌われちゃうんですね。なので、ちゃんと一体化させて、中身が重なってる所を消すという作業が必要になるんですけども、この「3DUJ-553」はその作業がいらないんです。このプリンターは、モデルが重なり合っていたり、パーツのデータがバラバラになっていたりしても出力してくれるんです。

轟木:
ええ。

和田:
これは造形というよりも、CGやゲームのモデルを作っている人はよくお分かりになると思うんですが、一体どういうメリットがあるのかというと、「UVマップ」というテクスチャリングをする時にはやっぱりパーツ単位に分かれてないとテクスチャなんて作れないんですよ。一つにまとめたら、またUVを開き直して……考えるだけでもう吐き気がするような作業になるんですよ。それをやらなくていい。だから私のモデルは、もちろんZBrushでポリペイント(頂点カラー)も使っているんですけど、テクスチャリングを多用しております。


和田:
例えば、イノシシだと、ボディの部分や耳の部分は、バラバラバラッとテクスチャになっているんですね。もちろんAdobe Photoshopを使って手で描いていたりっていう部分もありますね。

轟木:
Substance Painterも使っているんですか?

和田:
もちろん使っています。Substance Painterっていう非常に良く出来たソフトウェアを使ってテクスチャを描いています。これは苦労話なのですが、例えば金属の部分というのは、Substance Painterを使った場合、「ここはどれぐらいの荒さなのか」という情報をグレースケールで決めるんですよ。でも今回のはカラープリントなので、色で出さないとダメ。だから、わざわざUVのビューポートをスクリーンショットで撮って、つなぎ合わせて合成しています。

轟木:
(笑)

和田:
めちゃめちゃ苦労しているんですけど、おとといそのエクスポート機能が追加されまして(苦笑)

轟木:
はははは(笑)

和田:
半年前に欲しかったわ!って思いましたね。

轟木:
そういう機能が追加されるということは、ユーザーが欲しがっていると開発者もよくわかってるんですね。この鈍い光沢ってやっぱり、絵で出すのは非常に難しいですね。

和田:
そうですね。やっぱりカラープリンタなんで、メタル表現や反射表現はできない。今回はちょっとチャレンジで、「金属っぽく塗ってみたらどうなるか」をやっているんです。

轟木:
これはメタルパーツじゃないんですね。

和田:
メタルパーツじゃないんです。密林のハンターの胸にあるテカテカパーツとか見ていただくと、だましが効いているんじゃないかなと。


轟木:
鎧(よろい)の金属を叩いた感じや汚れなども、すごくよく出てますよね。

和田:
その辺もソフトの力で、好きなだけ描き加えることができました。それで実際のパーツなんですけど、ホタルコーポレーションさんとやりとりをしていく中での画像説明ですが、これは3ds Maxでサイズを測ってるんです。


和田:
だいたい高さは33.053㎝ありまして、この青の枠1個1個がパーツなんですよね。ワンスキンになってなくて、「この青で囲まれている所で1パーツ」「頭で1パーツ」みたいな感じで、パーツはバラバラです。バラバラが埋まり合っている状態のデータを提出してるんです。それを出力機にそのまま流してもらってやっているので、その出力の仕方がまずできるという時点ですごいですよね。

轟木:
そうですね。

和田:
で、ここからは出力時にホタルコーポレーションさんとのやりとりで提出した画像なんです。データと一緒に画像を用意して「こうやって出して欲しいんです」みたいな説明をしたんです。「だいたいイノシシが何㎝で出るので、このぐらいのサイズ感で出して欲しいんです」みたいな説明がこの画像なんですね。実際に出力していただくパーツはフォルダに入れて分けてるんですけど、あのハンターのボディは、前の槍と後ろの槍を分割して分けているだけ真ん中の所は丸々一発出しなんで、フォルダも3つしかない。それぞれのパーツが入ってるフォルダが3つだけあるという感じで提出してるんです。やっぱり樹脂の特性がありますんで、こういう長物、重たい物は曲がってしまいますから、「真鍮(しんちゅう)を入れる穴を開けてるんですよ」みたいな説明も描いてあるんですね。


轟木:
はい。

和田:
私の設定として、槍の部分には毒瓶がありまして、毒がここからインジェクションされるという仕掛けになっているんです。その毒瓶の所を透明樹脂にしたいと伝えたら「透明樹脂にしたい場合はファイルを分けておけばいいですよ」と言われました。瓶の部分は瓶だけ、毒液の部分は毒液だけのオブジェクトファイルを作っておけば、オブジェクト全体が透明になるという設定をしていただけました。オブジェクトを分けておけばそこが全部透明になるという仕掛けになっています。


轟木:
じゃあ、この透明部分は別のファイルなんですね。

和田:
はい。別ファイルで「ここは透明にしてね」と名前をつけておけばいい。

轟木:
じゃあこれは、プリント時にその元データにくっつけて出す感じなんですね。

和田:
そうです。ホタルコーポレーションさんのところで合成していただいて、という形ですね。

轟木:
なるほど。

和田:
実際にホタルコーポレーションさんとデータや写真のやりとりをさせていただいて、「このまま出力したら瓶がずれて出ちゃうよ」という事もあったんですけど(笑)。実は瓶がもうちょっとこっちなんですよね。コルクのふたがポンと刺さっているような……。


轟木:
わずかな差ですが、大事ですからね。

和田:
そういうような事をやりとりさせていただきました。最終的には、真鍮を入れるための穴を穿(うが)っていたんですけれども、それを組み上げるときに難しかったので、ホタルコーポレーションさんの方から「元データで、槍をパカッと開けられるようにしてください」と指定されました。これはZBrushにあるLiveBooleanという、形状の足し算・引き算・かけ算ができる非常に便利な機能を使って、一発でボンと分けているという状態です。


和田:
あのモデルはこうなってるんですよ。これが組み合わさった状態になっていて、その辺の所のすき間やつなぎ目をちょっと見ていただくといいんじゃないかなと思います。

轟木:
そうですね。じゃあプリントで造形した後に、真鍮線を仕込んで補強した、という感じなんでしょうか。

和田:
あっ、そうですそうです。

轟木:
だんだん樹脂の重みで落ちて曲がってきますからね。フィギュアって、ある程度経年劣化したりしてやっぱり変形しちゃうんですよね。ある程度グニャっとなったら嫌だなあと、曲がらないように真鍮を入れて補強した。これはガレージキットの時の知識でもありますね。

和田:
まさしくそうですね。次に、こんな風にホタルコーポレーションさんの方から「ここちょっとダメですよ」という内容を送っていただけたんですよね。

轟木:
これは構造を解析している時にということですよね。

和田:
はい、これはMaterialise Magicsというソフトウェアの画面なんですが、例えば黄色い線の所ありますよね。


轟木:
はい。

和田:
これは全部、私が面を閉じ忘れているんですよ。面が開いているとだめなんですよね。閉じた形のシェル状態になっていないとこれが出ちゃう(笑)

轟木:
飛び出した状態になっちゃうんですね。

和田:
さすがにこれだけの樹脂を使っていて、これが原因で失敗するわけにはいかないですからね。「ZBrushで見ると確かに穴が開いてました、ごめんなさい」という事で、ZBrushにはClose Holesという穴を閉じてくれる機能がありますので、それで穴を閉じてからデータを送った感じですね。

轟木:
なるほど。

和田:
これが実際のモデルです。先ほどお見せしていたように、サブツールが山ほどあるんですけど、この状態で出力してくれる。今までの3Dプリンターをやってた、データを作っていた人間としては……ちょっと信じられないなと。


轟木:
これは、イノシシのよだれの所まで再現してますよね?

和田:
そうなんです。よだれの部分も透明樹脂にしていただきました。ディテールも「どれだけ出るんだろう?」っていう所にも挑戦させていただきまして、ちょっと今はテクスチャーなどいろんなものが入っているので、一度剥がします。ZBrushプラグインの「Clean Tool Master」という機能があって、これはテクスチャを一気に全部剥がせるんですよ。知ってましたか?


轟木:
あっ、消えていきますね。

和田:
ディテールもこのぐらい彫ってるんですね。この毛並みの所でおわかりいただけると思うんですけど、あとは皮も質感が。

轟木:
質感が出てますね。

和田:
かなり攻め込んだ造形です。

轟木:
攻めてますね!

和田:
はっきり言って、プリンターで出力することをあんまり考えてないんですよね。もう「出せるものなら出してみろ」と思ってやっているので。

轟木:
これ、表現者としてチャレンジされてますよね。

和田:
はい。なので、これが全部出ていたのはちょっと驚きました。また、ハンターの方も細かいデータになってまして、これもすごい量のサブツールがあるんですよ。どういう事になっているかというと、この腰の部分一つ一つがパーツ1個になっていて、それを全部バラバラにして出力していただいているので、よく出たなと思いました。


轟木:
すごいですね。この刺青の所もすごくよく出てるなって感じがしますね。これはたぶん通常のフィギュア技術だと、タンポ印刷(パッド印刷)っていうやり方をしますよね。


和田:
そうですね、ボヨンと印刷する。

轟木:
タンポ印刷でも、今はかなり表現できているんですよ。デカールを貼らなくても、アクションフィギュアなどは結構タンポ印刷でできています。最近は3D上で吹き付けてプリントするような技術も出てきていますけどね。でも、ここまで精密なのはまだないな、という感じですね。

和田:
そうですね。これだけの色味をバッと出してくれるというのはなかなかないですね。やっぱりフルカラーといえば、皆さんよくご存じのZPrinterなどだと思うんですけど、あれとはもう全然一線を画すクオリティかなと。

轟木:
やっぱりさすが業務用というか。

和田:
髪の毛もね、このぐらいスカルプトしているんですよ。


轟木:
すごいですね。普通なら出力の段階でディテールは潰れますね。小さくすればディテールはある程度オミットされますけどね。

和田:
よく出てるなっていうのは本当に思いました。データの頂点は400万もあるんですよね。

轟木:
ポリゴンの頂点数ですね。

和田:
400万頂点もあるデータを受け付けてくれるのがちょっと驚きでした。

轟木:
すごいですね。普通は3Dプリントだと、大体20万ポリゴンぐらいでいつも制限が入って読み込めなくなるんですよ。ある程度はそこで諦めるしかないんですよね。

和田:
業者によっては「ファイルが何MBまで」ってメガバイトで指定する場合もありますね。私のデータはすごいメガバイト数になるので、本当に「よく出していただいた」と思いました。そんな感じで、私のこの「密林の追跡者」のメイキングはここまでなんですが、轟木さんは今回の展覧会の作品を見ていただいて。どうですか?

轟木:
いやあ……もう、どれも欲しいですね。

和田:
(笑)

轟木:
本当に欲しい。もう「ヤバい」って感じがしますね。それぞれの12人の方の造形作品がこれだけいろんな作風と再現度があるというのは、ちょっともうエポックメイキングだなって僕は思っています。もちろん(Ultra Modelers主宰の)ワクイアキラさんから最初に話をいただいた時「これは面白いぞ」と思って「とりあえずワンダーフェスティバルに出してみよう」という事で、いきなり、7月のワンダーフェスティバルで展開しているデジタル原型ステージにご登壇いただいたんです。

2017年[夏]のワンダーフェスティバルで開催されたデジタル原型と3Dプリンターの展示については、GIGAZINEでも記事化済み。

3Dプリンターによるフィギュア造形はどこまで来たのか?ワンフェスで実感するデジタル造形と3Dプリント技術の進歩 - GIGAZINE


轟木:
デジタル原型ステージは2015年[冬]のワンダーフェスティバルからやってるんですが、まず「ウルトラモデラーズというのがあります」と、ゲストでお越しいただきました。今回ついに展示会が実現したわけですが、「ミマキエンジニアリングさんのプリンターを使って、クリエイターがここまで表現ができるようになります。これをやりますよ」という決意表明みたいなものをやっていただきました。そこからはもうドンドンドーンという感じで、参加するクリエイターさんもなんか増えてくるし(笑)本当によくこれだけ集まったなという感じがしますよね。

和田:
そうですね。

轟木:
これはもう、ほんとに見応えがたっぷりなので。実際の造形を見ていただいたら、すごいと思いますし。実は今、このフィギュア市場というのは海外がすごく伸びてます。 いくつか大手のフィギュア・トイメーカーさんも最近は「日本市場より海外の方が売れている」という
パラダイムシフトが起こっているようで、言い換えると「日本のクリエイターの素晴らしい造形作品を欲しがっている世界中のユーザーがとんでもなくいる」という事なんですね。


轟木:
海洋堂さんも中国の上海でワンダーフェスティバルをやったんですけど、もうすごい勢いなんですよ。向こうの場合は萌えフィギュアというよりは、どっちかというと和田さんが作られたようなリアル系が受けるんですよ。ドラゴンとか玄武とか、中国の故事に出てくるようなクリーチャー系のやつがウケるんですけど、受けるテイストの違いこそあれ、世界中で造形師が原型やデータを作るチャンスが広がっているな、というのを非常に感じますね。

和田:
是非お話を聞いていただいて、もう一度作品を見ていただきたいなと思っております。轟木さんは今回、そちらの液晶タブレットを……。

轟木:
当社の液晶ペンタブレット。画面に直接書き込める、世界最大クラスの32型液晶ペンタブレットを今日お持ちしました。

トークパネル会場の横には、Wacomの「Cintiq Pro 32」が設置されていて、誰でも自由にZBrushを操作できるようになっていました。


轟木:
ZBrushが実際に入っていますので、ゴリゴリとスカルプトができます。

和田:
大きさが畳ですよ、畳(笑)

轟木:
そうですね(笑)。実際に直接、粘土の玉に対して自分が彫刻刀やスパチュラを振るうような感じでスカルプトできると見てもらえればいいのかなと。もしペンタブの操作も含めて使い方がわからない方とかいたら、お気軽に聞いてもらえればと思います。

和田:
よろしくお願いします。

轟木:
ちょうどお時間になりました。ここでトークパネルは終了とさせていただきます。

和田・轟木:
ありがとうございました。

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