Microsoftはアメリカ陸軍向けに10万台以上の特製HoloLens(ホロレンズ)デバイスを製造する契約を交わす

by Jean-Pierre Dalbéra

Microsoftが開発するHoloLens(ホロレンズ)は、現実空間と仮想空間を混合した複合現実(MR)を実現するヘッドマウントディスプレイです。既に航空会社が本物のようなコックピットが広がる訓練装置を開発しており、大きな可能性を秘めているHoloLensについて、Microsoftはアメリカの陸軍向けに10万台以上を納入する契約を交わしたと報じられています。

Microsoft Wins $480 Million Army Battlefield Contract - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-11-28/microsoft-wins-480-million-army-battlefield-contract

アメリカ陸軍は自らの軍事行動を支援するため、「危険性のある敵をいち早く検知し、行動に移すことができる」デバイスに関する新たなプログラムの入札を行ったとのこと。入札にはMicrosoftだけでなく、空間コンピューティングに関するベンチャー企業のMagic Leapなどが参加していました。

この入札でMicrosoftは見事に勝利を収め、総額4億8000万ドル(約540億円)ものアメリカ陸軍との契約を勝ち取りました。新たに勝ち取った契約により、Microsoftはアメリカ陸軍に対して合計で10万台以上の特製HoloLensデバイスを納入するとみられています。

新たなHoloLensデバイスについて、アメリカ陸軍は夜間でも周囲の状況を見ることができるナイトモードや相手の温度を感知するサーモグラフィー、相手の息づかいを検知する機能などを要望しているとのこと。Microsoftは契約にもとづいて、最初の2年間のうちにおよそ2500台の特製HoloLensデバイスを納入することになっています。

by The U.S. Army

Microsoftの広報担当者は「新たなテクノロジーによって軍隊はこれまで以上の情報を入手可能になり、これは行動を決定する助けとなります」と述べ、新たな契約が防衛産業とMicrosoftの結びつきを強化するものになるとしています。