「苦み」に敏感であるほどコーヒーを避けるのではなくコーヒーを愛するようになるとする研究結果

by rawpixel.com

コーヒーの苦みに対して敏感な人は、コーヒーを避けるのではなく、よりコーヒーを好む傾向があると最新の研究で示されました。「苦み」に対する好みは遺伝子の影響を受けており、芽キャベツなどの苦みに敏感な人は、コーヒーよりも紅茶派であることなども研究で示されています。

Understanding the role of bitter taste perception in coffee, tea and alcohol consumption through Mendelian randomization | Scientific Reports
https://www.nature.com/articles/s41598-018-34713-z

Why we shouldn’t like coffee, but we do - Northwestern Now
https://news.northwestern.edu/stories/2018/november/bitter-coffee/

Coffee Tastes Bitter, So Why Do People Drink It?
https://www.livescience.com/64100-coffee-bitter-genetic-makeup.html

研究を行ったノースウェスタン大学フェインバーグ医学院で予防医学について研究するMarilyn Cornelis氏は「苦みに対して敏感な人はコーヒーを避ける、と考えられそうなものですが、この研究では真逆のことが起こると示されました。カフェインによる『正の強化』が起こるため、人はカフェインをより一層好むようになり、苦みを知覚する能力を習得していくのです」と語りました。正の強化とは、好ましい刺激が行動の結果として提示されることでその行動が増加することをいいます。「苦み」は一般的に、人が有害物質を認識する時の警告サインなので、コーヒー、特にカフェインの苦みを知覚する能力が高い人が、それを「よいもの」として学習する事実は驚くべきものだったと研究者は述べています。

この研究はクイーンズランド医科学研究所の遺伝学・計算生物学の博士課程学生であるJue Sheng Ong氏によって率いられたもので、お茶・コーヒー・お酒といった苦みの強い飲み物の消費に遺伝子がどう影響しているかを理解するために行われました。

by albertoadan

「苦みはどれも同じに思えるかもしれませんが、私たちは芽キャベツの苦み、トニックウォーター(キニーネ)の苦み、そしてカフェインの苦みを別個のものとして知覚しています。これらの苦みをどれくらい感じるかは、遺伝子によって決定されています」とOng氏は述べています。

研究者は遺伝子構造と日常的な苦い飲み物の関係を、イギリスに住む40万人以上のデータを対象に調査しました。苦みを感じる能力に関係する遺伝子を用いて、苦みを感じる遺伝子傾向が高い人は、お茶やコーヒーの苦みをより好むのかが調べられたとのこと。

この結果、芽キャベツなどの緑の野菜やトニックウォーターの苦みを知覚する遺伝子を持つ人は、コーヒーよりも紅茶を好むことが判明。またトニックウォーターや野菜に含まれるキニーネの苦みに敏感な人は、コーヒーを避ける傾向にあることもわかりました。

by Piotr Chrobot

一方で、芽キャベツの苦みを知覚する遺伝子がある人は、このような遺伝子変異のない人に比べてお酒、特に赤ワインを飲まない傾向にあったとのこと。このような研究結果は、依存の研究に役立つとみられています。

今回の研究では、クリームや砂糖といったものの影響は調べられていません。「個人レベルで考えて、人がコーヒーを摂取する要因はたくさん存在します。社会的地位、カフェインの代謝力、喫煙習慣などもその1つです。その上、コーヒーの飲み方にはブラックやミルク入り、カプチーノなど、さまざまなものがあります」とOng氏は語っており、今回の研究はより大きな「コーヒー全般」というくくりで調査されたとのことです。