「食べ物の味」は著作権保護の対象になるのか?を争った裁判が決着

by jill111

チーズの味をまねされたとして著作権保護を訴えて起こされた裁判で、裁判所が「食べ物の味は著作権で保護できるのか?」について判断を下しました。欧州司法裁判所によると、味は著作権によって保護されないとのことです。

Hard cheese: the taste of food cannot be copyrighted, EU court says - DutchNews.nl
https://www.dutchnews.nl/news/2018/11/hard-cheese-the-taste-of-food-cannot-be-copyrighted-eu-court-says/

Food taste 'not protected by copyright' rules EU court - BBC News
https://www.bbc.com/news/world-europe-46193818

Can the taste of cheese be copyrighted? An EU court says no — Quartz
https://qz.com/1462742/can-the-taste-of-cheese-by-copyrighted-an-eu-court-says-no/

2007年、オランダ企業のLevolaはクリームチーズとハーブを混ぜた塗れるチーズ「Heksenkaas」を別名「witches’cheese(魔女のチーズ)」として開発・発売しました。その後、2014年にSmildeという別のオランダ企業がHeksenkaasと似た材料で作った「Witte Wievenkaas」というチーズを「wise women’s cheese(魔女のチーズ)」という別名で販売開始しました。Levolaによると、Witte WievenkaasはHeksenkaasと同じ味だったとのこと。

以下の画像の左がHeksenkaasで、右がWitte Wievenkaasです。


このことから、Levolaは「wise women’s cheeseは著作権の侵害だ」としてSmildeを提訴。「食べ物の味は著作権で保護されるのか?」ということを巡って両者は争っていましたが、2018年11月13日に欧州司法裁判所はついに「味は著作権で保護できない」と結論を下しました。

欧州司法裁判所によると、著作権を主張するためには味が「作品」として分類できる必要があるとのこと。そしてこのためには以下の2つの要件を満たす必要があります。

1:そのものがオリジナルの知的創作物であること
2:そのものに十分な正確さと客観性で識別可能な「表現」があること

文学や絵画、映画、音楽であれば「十分な正確さと客観性で識別可能な『表現』」が存在しますが、基本的に食べ物の「味」は主観的なものです。味は、食べる人の年齢や好み、食習慣、食べる時の状況によって感じ方が異なるものであるため、上記の要件のうち2番目を満たすことができません。また、2種類のチーズを食べた人が「似た味」「違う味」と別々の感想を述べたとしても、どちらが正しいかを測定するだけの判断基準も存在しません。


上記の理由から、欧州司法裁判所は「食べ物の味について、1つの味が別のもう1つの味と異なると判別する正確かつ客観的な技術的手段は、現時点の科学では開発できない」として、Levolaの訴えを退けました。

なお、欧州司法裁判所が食べ物について法的な判断を下したのはこれが初めてではなく、2018年7月にはキットカットの「フォーフィンガー」と呼ばれる4本1セットになった形状について、商標登録として認めないとして判断を示しています。

by SCEhardt

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