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「ライバル企業への転職禁止」を禁止すると連邦取引委員会が発表、労働者の転職の自由度が向上


2024年4月23日、アメリカの連邦取引委員会(FTC)が、ライバル企業への転職や同業種の兼業・起業を禁止する「競業避止義務」の設定を禁止することを発表しました。これにより、労働者の転職の自由が保護され、イノベーションや、新規事業の形成促進が期待されます。

FTC Announces Rule Banning Noncompetes | Federal Trade Commission
https://www.ftc.gov/news-events/news/press-releases/2024/04/ftc-announces-rule-banning-noncompetes


在職中の同業種の兼業や退職後の競合他社への就業を禁止する「競業避止義務」については、企業の利益を守るという利点がある反面、労働者の転職の自由を奪う欠点があります。

FTCは「競業避止義務は、辞めたいと思っている仕事を続けさせたり、低賃金の分野への転職を余儀なくされたり、転居を強要されたり、高額な訴訟に直面させたりするなど、労働者に重大な損害やコストを負担することを強いるものです。推定3000万人の労働者が競業避止義務の対象となっていて、アメリカに広くはびこり、しばしば搾取的なこともある慣行だと言えます」と指摘しています。

こうした状況を改善するため、FTCは全国的に競業避止義務を禁止する規則を設定。官報掲載の120日後から発効し、その日以降全企業の競業避止義務の拘束力が失効すると宣言しました。なお、上級幹部に対する既存の競業避止義務は引き続き有効ですが、新たな競業避止義務を結ぶことは禁止されます。該当する上級幹部は年収15万1164ドル(約2340万円)以上かつ決定権を握る立場にある者と定義されていて、これに当たる人物は全労働者の0.75%未満になるとのこと。


FTCのリナ・M・カーン委員長は、「競業避止義務条項は、賃金を低く抑え、新しいアイデアを抑制し、年間推定8500社以上の新規事業創出の機会を奪うなど、アメリカ経済の活力を阻害するものです。競業避止義務を禁止するFTCの最終規則は、アメリカ人が新しい仕事を追求したり、新しいビジネスを始めたり、新しいアイデアを市場に出したりする自由を保証するものとなります」と述べました。

競業避止義務を禁止する最終規則により、FTCは新規事業が年間2.7%増加し、今後10年間で平均1万7000~2万9000件の特許が増加することが見込まれているほか、医師の拘束がなくなることで医療機関の収益が上がり、今後10年間で最大1940億ドル(約30兆円)の医療費が削減されると推定しています。


今回の規則については事前にパブリックコメントが募集されていましたが、全2万6000件のコメントのうち2万5000件以上が競業避止義務禁止を支持するものだったそうです。

FTCは競業避止義務に代わる方法として、企業秘密保護法と秘密保持契約(NDA)を労働者に結ばせるか、賃金や労働条件を改善して雇用を維持することを提案しました。

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in Posted by log1p_kr

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