メモ

絶対音感は大人になってからでも訓練で身につく可能性がある

by Jack Sharp

単独で音を聞いた時にその音の高さを絶対的に認識できるという「絶対音感」は、1万人に1人といわれる非常に珍しい能力で、モーツァルトを初めとする有名音楽家が持っていたことで知られています。絶対音感は遺伝的なものに加え、幼い時期に音楽の訓練を行うことによって確立されると一般的には考えられていますが、新たな研究で「絶対音感は大人になってからでも身につけることができる」ということが示されました。

Acquiring absolute pitch in adulthood is difficult but possible | bioRxiv
https://www.biorxiv.org/content/early/2018/07/03/355933

香港城市大学のYetta Kwailing Wong氏らの研究チームが発表したのは「Acquiring absolute pitch in adulthood is difficult but possible」(成人になって絶対音感を手に入れるのは難しいが可能)というタイトルの論文。これまでも大人が絶対音感を手に入れることはできるのか?ということを調べた研究は存在したのですが、いずれもサンプル数が少なく訓練の強度も低かったとのこと。そこで、研究者らは知覚学習を用いてより多くの被験者を対象とした強度の高い実験を行いました。

研究者は3つの実験を通して、43人の被験者に異なる音色とオクターブを組み合わせた音の高さについて、ラボで12~40時間の訓練を受けてもらいました。なお被験者は香港城市大学の生徒で、音楽経験のある人とない人の両方が存在しましたが、いずれの被験者も絶対音感を持っていませんでした。

by Tadas Mikuckis

訓練の結果、43人中6人、つまり14%の被験者は聞いた音の高さを90%以上の正確性で答えることができるようになったとのこと。90%という正確性は、現実世界の「絶対音感の持ち主」と同等だといいます。

また、探索的データ解析の結果、60時間の訓練によって39.5%の被験者が、180時間の訓練によって58.1%の被験者が絶対音感を手に入れられることが示されたとのこと。これらの研究結果から、研究者たちは「知覚学習の種類や量によるかもしれないが、大人でも絶対音感は手に入れることが可能だ」という見方を示しました。

Wong氏らの論文はまだ査読が行われていないという点に注意が必要ですが、過去にも「絶対音感は大人になってから身につけることはできる」とする論文は存在しました。2015年7月に発表された研究では、シカゴ大学のHoward Nusbaum氏らによるチームが絶対音感を持たない17人の学生に180個のピアノの音を聞かせて何の音かをあててもらい、すぐさまフィードバックを送るという訓練を行いました。この訓練を繰り返した結果、被験者が音を当てる能力は格段に向上。数カ月あけて同様のテストをしたところ、結果は訓練直後より少し劣ったものの、やはり高い音の認識能力を持っていたと示されました。

by Marius Masalar

Nusbaum氏の研究結果は「訓練によって『真の絶対音感』に等しいものを大人は手に入れられる」ということを直接的に示すものではありませんが、幼少期に音楽の訓練を行っていなくとも、方法によっては大人になってからでも絶対音感を身につけられるという可能性を示しています。

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in メモ, Posted by logq_fa

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