試食

北九州の門司港地ビール工房で無水地ビール使用の「焼きカレー」を食べてみた


水を一切使わず地ビールのみで作られたカレーは味わい深いものでした。インドカレーと日本カレーは全くの別料理。インドで誕生したカレーは日本で独自の進化を遂げています。この日本カレーを焼いたことで「焼きカレー」という別料理が誕生。日本人の熱き食へのこだわりが分かる一品でした。

こんにちは、自転車で世界一周をした周藤卓也@チャリダーマンです。ずっと福岡市民でしたが、北九州名物が「焼きカレー」と言われてもピンと来ませんでした。しかし、最近ではB級グルメとして人気を博している様子。調べてみると食欲をそそられる情報ばかり。ですので、先日北九州を訪問した際に食べてきました。

◆焼きカレーとは
明治から昭和のはじめにかけて国際貿易港として栄えた門司には、たくさんの洋食店が立ち並んでいました。そうした国際色豊かな街だからこそ「焼きカレー」というハイカラなメニューが誕生したといわれています。ただ、北九州では定番だったかもしれませんが、昔から知名度が高かったというわけではない気がします。福岡市民の筆者も知りませんでした。2000年代後半のB級グルメブームが焼きカレーの全国的な知名度を押し上げたのでしょう。2007年に門司港の焼きカレー提供店による業界団体が設立、同年には門司港焼きカレーフェアというイベントが実施されています。

焼きカレーはご飯の上にカレーソースとチーズをのせてオーブンで焼いた料理とされています。カレードリアとの違いはバターライスやホワイトソースを使わないこと。似たような料理ですがカレーに近いのが焼きカレーで、ドリアに近いのがカレードリアといったところでしょうか。

◆門司港地ビール工房
いつも通過ばかりだった門司港ですが、立ち止まってみると大正時代の建物が残るレトロ地区を中心に観光スポットとしても魅力的な場所になっています。そして、焼きカレーというご当地グルメもありました。INFO SHOP 大都会門司港のオーナーにおすすめを尋ねたところ「門司港地ビール工房」というお店を教えてもらいました。

・門司港地ビール工房
http://mojibeer.ntf.ne.jp/

場所はこちら


本州と九州を隔てる関門海峡


観光客で賑わう港


その日は「第75回門司みなと祭」というイベントをやっていました。ディズニーのミッキーがパレードにやってくるということで埋め尽くすばかりの人、人、人。門司港地ビール工房にも行列ができるかもと心配したのですが、11時開店のちょっと過ぎに行くとすんなり入店できました。3階のレストランに案内されます。

門司港レトロ地区の一画にある、これまたレトロなコンクリートのビルが門司港地ビール工房になります。


おひとりさまでしたが窓際の席に通してくれました。関門海峡を眺めながらの食事もまた格別。店内は大きな窓のおかげで明るく、木のぬくもりを感じる床やテーブルによって落ち着いた雰囲気が作り出されていました。


窓際に置かれた食器やシルバー。


メニューにはパスタやピザもあったのですが、ここは焼きカレーの一択で。おすすめの地ビールを使用した焼きカレー(ダブルチーズ)を注文。

メニューには「水を一切使わず、地ビール(ヴァイツェン)のみを使用した賛沢なオリジナルビールカレー。フルーティーな香りと芳醇な味わいのするビールが、カレーに深い味わいを与えました。また、美容や整腸作用に良いとされるビール酵母がふんだんに入っているため健康にも良い力レーです。アルコール度数0%(検知機にて検査済)、どなたでもご注文いただけます。」という紹介。


待つこと約20分、焼きカレーが鉄板の上で弾けるカレーソースのグツグツという音と一緒に運ばれてきました。

カレーソースの海に浮かぶライスの島。


見た目はオムライス。でも、ライスに覆いかぶさるのは卵ではなくチーズなのです。ダブルチーズという名前はだてじゃありません。


地ビール工房ということで、ビールも一緒に注文しました。


「門司港驛(駅)ビール」をグラスで注文。昭和初期の門司港で飲まれていたビールを再現、苦味のあるラガービールです。


このときは「ヴァイツェン」「ペールエール」「ピルスナー」「門司港驛ビール」と4種類のビールがメニューに載っていました。


たっぷりとチーズがかかったご飯のお山にスプーンを入れると、中からドローっとした卵の黄身が溶け出します。生唾ごくり。


「通は混ぜて食べる」と聞いていたのでぐちゃぐちゃに。


口に入れると殴られたような衝撃が脳内を駆け抜けます。一晩寝かせた普通のカレーよりもドローっとしたルーのうま味にトロトロのチーズや卵のコクが絡み合って、深い味わいを作り出していました。そうした味わいが口の中でジワーッと広がっていきます。頭がフワーッとしてしまう至福のひととき。その繰り返し。

食べ進めていくと、若干濃い味にスプーンがすくう手が重くなります。そんなときは、トマトを一緒に食べましょう。ジューシーなトマトはお口の中をリフレッシュしてくれるアクセントになっていました。もしかしてメニューの付け合わせにサラダがあったのはこういう意図かも。


ともかくうま味の詰まったカレーでした。インドのスパイスカレーとは違ううま味のカレー。


工場ワーカーとなってチャリダーをやっていた頃なみに食べているので、最初に鉄板を見たときは「ちょっと少ないかも」と量を心配しましたが、こってりとした味とチーズもお腹にたまるのか一皿でお腹いっぱいでした。地ビールのグラスも空けてほろ酔い気分。お会計を済ませたあととは睡魔がやってきて少しウトウト。幸福感に包まれたまま、海風の吹く門司港レトロ地区をぼんやりと歩いていました。

門司港地ビール工房の焼きカレー、最高でした。

(文・写真:周藤卓也@チャリダーマン
自転車世界一周取材中 http://shuutak.com
Twitter @shuutak
Facebookページ https://www.facebook.com/chariderman/
DMM講演依頼 https://kouenirai.dmm.com/speaker/takuya-shuto/)

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in 試食, Posted by logc_nt

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