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Facebookはユーザーに公開されない「影の連絡帳」を広告主に提供している

by Stock Catalog

FacebookやTwitterなどのSNSを利用するとき、自分の電話番号やメールアドレスを登録することがあり、さらに家族や友人の連絡先を登録している「連絡帳」の共有を迫られることもあります。Facebookがこの連絡帳の情報を広告主に提供し、広告主は連絡帳に登録している電話番号を元にターゲット広告を行っていることを実証する論文が発表されています。

Investigating sources of PII used in Facebook’s
targeted advertising
(PDFファイル)https://mislove.org/publications/PII-PETS.pdf


Facebook Is Giving Advertisers Access to Your Shadow Contact Information
https://gizmodo.com/facebook-is-giving-advertisers-access-to-your-shadow-co-1828476051


アメリカのノースイースタン大学プリンストン大学の研究チームは、電話番号などの連絡先を登録したFacebookのアカウントを取得し、その連絡先に紐付けされる連絡帳の情報が、広告主にどのように使われるかを調べました。調査当時、Facebookでは二段階認証のために電話番号を登録する必要がありました。そして調査の結果、この電話番号が数週間以内に広告のターゲットになっていたことがわかりました。アカウントのセキュリティを強化したいユーザーは、電話番号を登録することで二段階認証を可能にする代わりに、プライバシーをFacebookに委ねることとなる、と研究チームは述べています。

この件について、Facebookの広報担当者は「個人が提供する情報を利用して、ユーザーに関連性の高い広告を表示するなど、よりパーソナライズされた体験を提供しています」と述べています。一方で、Facebookは、二段階認証で電話番号の登録を必須としないよう、2018年5月下旬から変更しました。

by Maurizio Pesce

また、あるユーザーAが、Facebookに電話番号を登録したことがないユーザーBの連絡先を含む連絡帳をFacebookと共有したところ、およそ1カ月後にユーザーBの電話番号が広告のターゲットとなっていました。この結果から、研究チームはユーザーAがFacebookに共有した連絡帳から、ユーザーBの情報が広告主に提供されたと論じています。しかし、ユーザーBがユーザーAの連絡帳情報から自分の連絡先を削除することは、プライバシーの兼ね合いから不可能であるため、誰かが連絡帳を共有している限り、自分の個人情報が知らないうちに広告主に利用され続けるといえます。

Gizmodeのライターであるカシミール・ヒル氏は、「一般には公開されないにも関わらず広告主がアクセスできる連絡帳の共有データ」を「影の連絡帳」と呼び、ユーザーが「影の連絡帳」を編集できるよう、Facebookへ1年以上にわたって訴えかけてきたそうです。しかし、Facebookは共有されている連絡帳情報の取り扱いは社内機密であるとして、影の連絡帳の公開を拒否してきたとのこと。

by CAFNR

さらに、研究チームは、ノースイースタン大学に置かれた固定電話の番号のリストを作り、リストを登録した端末でFacebookのアカウントを作りました。これらの電話番号は、ノースイースタン大学の各オフィスにつながるものであり、オフィスで働く人々の中に、この番号自体をアカウント作成時に登録している人はまずいません。ただし「友だちを探す」という機能のために、オフィスの固定電話の番号が登録された電話帳をアップロードしている人がいる可能性は考えられます。

実験の結果、これら固定電話の番号の多くがアカウントに登録されていないにも関わらず、広告のターゲットになっていることがわかりました。研究者が実験としてFacebookに広告を出すと、リストにオフィスの電話番号が登録されていたAlan Mislove教授のアカウントでは、ニュースフィード上に研究者が出した広告が表示されたとのこと。

この実験結果について、ヒル氏がFacebookにコメントを求めたところ、Facebookの広報担当者は「誰かが連絡帳情報をアップロードしたために広告が表示された可能性が高い」と認めました。Facebookは研究者の所見のいずれにも異議を唱えておらず、「Facebookはデータポリシーに基づいて広告を受信し、その情報を利用して、カスタムオーディエンスを含む広告エクスペリエンスをコントロールできるようにしています。ユーザーの広告を表示するために使用するデータを管理する方法の詳細についてはこの記事を参照してください」というメールが広報担当者からヒル氏の元に送られてきたそうです。


論文筆者に名を連ねるノースイースタン大学コンピューターサイエンス学部のAlan Mislove准教授は「多くのユーザーは現代の広告ターゲッティングの仕組みを完全に理解していないと思います。広告主はユーザーのメールアドレス・電話番号・名前と生年月日を元に、広告を表示したいユーザーを正確に指定できます。これはFacebookだけではなく、Google・Pinterest・Twitterもやっていることです」と語っています。

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