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AppleとHuaweiがともに「最初の7nmプロセッサ」とアピール合戦、真の勝者はだれか?


PCやスマートフォンなどハイテク端末の性能を大きく左右するプロセッサの開発競争は熾烈で、SoCの性能を推し量る指標として半導体製造のプロセスルールが用いられることがあります。記事作成時点では7nmプロセスが最先端の製造技術とされており、「世界初の7nmプロセス採用チップ」の称号をかけて、AppleとHuaweiが互いに譲らぬアピール合戦を行っています。

Apple, Huawei Both Claim First 7-nm Smartphone Chips - IEEE Spectrum
https://spectrum.ieee.org/nanoclast/semiconductors/processors/apple-huaweii-both-claim-first-7nm-smartphone-chips

半導体チップは微細化が進むほど高速かつ消費電力が低くなるという特徴があるため、プロセスルールという最小回路幅を示す指標が、半導体の性能を間接的に物語るようになっています。SamsungやTSMCが7nmプロセスの製造を始める一方で、GlobalFoundriesが完成していた7nmプロセスでの製造を諦めるなど、半導体業界における微細化競争は激しさを増しています。

半導体ファブGlobalFoundriesが7nmプロセスを全部中止へ方針転換 - GIGAZINE


2018年9月12日に行われたApple新製品発表会で、新型スマートフォン「iPhone XS」で採用されるSoC「A12 Bionic」について、Appleは「世界初の7nmプロセス製造チップ」と表現しました。


69億個のトランジスタで構成されるA12 Bionicは、6つのCPUコア、4つのGPUコア、8つのNeural Engineコアを搭載しています。iPhone Xに搭載された旧SoC「A11 Bionic」に比べて、A12 BionicのCPU内の2つの性能コアは15%高速に、4つの効率コアは50%低消費電力になり、GPUは50%も高速に、Neural Engineは1秒間に5兆回の演算によって最大9倍の高速化を実現しており、A12 Bionicは、「スマートフォンの中で、最も賢く、最もパワフルなチップ」だとAppleはアピールしています。


しかし、Appleの発表からさかのぼること2週間、Huaweiはドイツ・ベルリンで開催されたIFA2018で、Huawei傘下の半導体企業HiSilicon製のSoC「Kirin 980」を発表。Kirin 980は「世界初の7nmプロセス製品」だとHuaweiは発表していました。


1平方センチメートルあたり69億個のトランジスタを搭載するKirin 980は、ARMのCortex-A76を採用するCPUコアを、高速・中速用に2つずつ、低速用にCortex-A55コアを4つ搭載する新big.LITTLE構成で、GPUにもMali-G76を採用するなど、やはりHuaweiは「スマートフォンで最高の性能を持つチップ」だとアピールしています。なお、Kirin 980を搭載する「Mate 20」シリーズは2018年10月16日に正式発表される予定です。


AppleとHuaweiはともに「世界初の7nmプロセスチップ」とうたって譲らないわけですが、チップ自体の発表はHuaweiが早かったのに対して、製品としてのリリースはiPhone XSシリーズの方が早くなりそう。ということで、「世界初の7nmプロセス採用製品」の称号はAppleに分があるといえそうですが、AppleのA12 BionicとHuawei(HiSilicon)のKirin 980の製造をともに担当する半導体ファブのTSMCが真の勝者であることに異論は出なさそうです。

・おまけ
Huaweiが公式Twitterで「同じでままであり続けてくれて、ありがとう。2018年10月16日にロンドンで会いましょう」という意味深なツイートを行いました。


これは、「Appleの新型iPhone XS/XS Max/XRがキーコンセプトで変わり映えしない」というHuaweiからの挑発的なメッセージとも読み取れます。10月16日はMate20シリーズの発表会ということで、HuaweiはAppleへの対抗心むき出しという感じです。

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in モバイル,   ハードウェア, Posted by darkhorse_log

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