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EUで進む「ネットの著作権改正案」によりネットの表現が大きく制限される時代が訪れるかもしれない


2018年9月10日、EUの欧州議会ではインターネット上の著作権を保護するための新しい法律の枠組みの是非を問う投票が行われます。この「ネット著作権改正案」の最大のポイントは、サイトにハイパーリンクを貼るだけで著作権使用料が発生するリンク税や、ウェブサービス側にコンテンツのフィルタリングを行う責任を課すことになる中身で、可決されるとネットの姿がそれまでとは大きく異なるものになる可能性があります。

The future is here today: you can't play Bach on Youtube because Sony says they own his compositions / Boing Boing
https://boingboing.net/2018/09/05/mozart-bach-sorta-mach.html

ピアニストとして活動しているジェイムズ・ローズ氏はある日、自分の演奏の様子をカメラで撮影してYouTubeで公開しました。するとその直後、YouTubeで著作権を保護するために運用されているContent IDにより動画が著作権を侵害していると判断され、動画が公開できない状態になってしまったそうです。

ローズ氏がアップロードした47秒のムービーで演奏されているのは、バロック時代の大作曲家、ヨハン・セバスチャン・バッハの楽曲。亡くなってから300年以上が経つバッハの曲に著作権が存在するということにも驚いたローズ氏でしたが、さらにその著作権者がソニー・ミュージックエンタテインメントだったということには驚きを通り越して怒りを覚えたとのこと。ローズ氏はTwitterで「おい@SonyMusicEnt、どうやらあんたたちは俺の47秒のバッハの演奏の著作権を持っているようだな。バッハは300年以上前に亡くなってるんだ。そして俺はこの演奏を自宅のリビングで録画した。くそったれ野郎になるのは止めな。お前らは何も持ってない!」という怒りのツイートを投げています。


300年前のバッハに関する著作権をソニーが所有しているというにわかには納得しがたい状況ですが、実はこのようなできごとはYouTubeのContent IDではよく見られることでもあります。本来は著作権者ではない第三者が不当にコンテンツの権利を主張するという謎めいた状況が生じており、極端なケースでは「シャー」というホワイトノイズを流すだけのムービーが「著作権侵害」と申し立てを受けてしまうというケースも現れています。

ノイズを流すだけのムービーに著作権侵害の申し立てが続出、一体なぜなのか? - GIGAZINE


実はこのContent IDの仕組みは、欧州議会が取り入れようとしている著作権管理方法そのもの。YouTubeでは音楽やムービーの内容だけがContent IDの対象となっていますが、9月10日の著作権改正案が可決されると音楽やムービーに加え、テキストや写真、静止画、プログラムコードなど、ネット上のありとあらゆるコンテンツがその対象となるものとみられています。

ネット上では確かに著作権がないがしろにされているといわざるを得ないケースが多々見られることは事実ですが、果たして欧州議会が取り入れようとしている手法が効果的に問題を解決するかどうかは疑問が残っているといえる状況。果たして欧州議会がどのような判断を下すことになるのか、注目が集まります。

「リンク税」などEUがデジタル著作権法を改正する「改正著作権指令案」に注目しなければならない理由 - GIGAZINE

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in メモ,   ネットサービス, Posted by darkhorse_log

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