メモ

「ブレードランナー」に代表される「サイバーパンク作品」に存在する共通点とは?


サイバーパンク」はサイエンス・フィクションのサブジャンルの1つとされており、1980年代に非常に流行したことで知られています。しかし、当時の作品を知らない人にとっては「サイバーパンク」という言葉自体に聞きなじみのない人が多いはず。そこで、サイバーパンクがどのようなジャンルなのかPolygonが解説しています。

What is cyberpunk? - Polygon
https://www.polygon.com/features/2018/8/30/17796680/cyberpunk-2077-history-blade-runner-neuromancer

サイバーパンクの歴史をたどると、起源はフィリップ・K・ディック氏によって書かれた小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」でした。この小説は「賞金稼ぎのリック・デッカードが、火星から逃亡してきたアンドロイドを追いかける」という内容で、1982年には「ブレードランナー」として映画化もされています。

ブレードランナーでは実際に近未来に存在しそうな街並みや、高層ビルの看板から火柱があがるような姿が描かれており、「サイバーパンクとはこんな世界を描いた作品である」という印象を多くの人に強く植え付ける作品になりました。しかし、原作者のディック氏が小説で描いた世界は映画のようなものではなく、ブレードランナーの制作スタッフが別の作品の世界観をベースにして作り上げていたことがわかっています。当時の制作スタッフが参考にした作品は、フランス人漫画家のメビウス氏と脚本家のダン・オバノン氏によって1975年に書かれた漫画「ロング・トゥモロー」でした。


ブレードランナーはサイバーパンク作品の代表作として知られていますが、公開当時はまだ「サイバーパンク」というジャンルは存在していませんでした。言葉自体は1980年にブルース・ベスク氏によって書かれた「サイバーパンク」というタイトルの短編小説で登場しましたが、当時はあくまでも作品名としての認知度しかなく、一般に知られることはありませんでした。ブレードランナー公開から2年後の1984年にウィリアム・ギブスン氏によって書かれたSF小説「ニューロマンサー」が大ヒットしました。ニューロマンサーのヒットをきっかけに、同様の世界観を持った作品が登場するようになり、これらの作品の内容がベスク氏の「サイバーパンク」に近かったことから、同タイトルがジャンル名として使用されることになりました。

当時、多くのサイバーパンク作品が生み出されましたが、これらには共通点がありました。1988年に登場したテーブルトークRPG作品「サイバーパンク2.0.2.0.」を製作したマイク・ポンスミス氏は「サイバーパンク作品に登場する主人公たちは、基本的に社会的に弱い立場となっています。そんな中、彼らが新しく発見した技術や誰も使ってないような古い技術、再利用された技術などを組み合わせて、巨大勢力と戦い、自由を勝ち取る内容のストーリーが展開されます」と、サイバーパンク作品の共通点を説明しています。

しかし、サイバーパンク作品がヒットしたことで「サイバーパンク亜種が登場している」とベスク氏が述べています。同氏は「近年に登場した作品はヒットさせようとするためか、流行のファッションや最新のトレンドを作品内に盛り込もうとする傾向があり、サイバーパンク本来の姿ではなくなってきている」と述べていて、ポンスミス氏が語ったような旧来のサイバーパンクの姿から変わりつつあると説明しています。


実際、「AKIRA」や「銃夢」、「攻殻機動隊」などの日本の漫画やアニメ作品の影響を受けて制作された「マトリックス」が大ヒット。また、ゲームにおいても、サイバーパンクゲーム「スナッチャー」を製作した小島秀夫氏が、人工頭脳学(サイバネティクス)やAIなどの要素を取り入れた「メタルギアソリッド」を開発して大成功を収めました。

これらの作品全てがサイバーパンク作品とされていますが、一部批評家の間では「要素を取り込んだだけ」とも言われており、「1980年代当時のサイバーパンクの定義」にあてはまるかどうかは、議論の余地があるとされています。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
古風なサムライがサイバーパンクな都市を駆け抜けその手につかむ意外すぎるものとは? - GIGAZINE

SF感あふれる球形住宅が密集する街がある - GIGAZINE

UPSがSF映画に登場しそうな電動トラックを発表、このままのデザインで2018年内に走り出す予定 - GIGAZINE

廃棄コンピューターのリサイクルを訴えた近未来感あふれるフォトアートが作られる - GIGAZINE

「ブレードランナー」というタイトルの謎、一体何を意味する言葉なのか? - GIGAZINE

in メモ,   映画,   マンガ,   アニメ,   ゲーム, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.