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米国防総省のデータをクラウドで一元管理する1兆円規模の事業「JEDI」をAmazonが獲得間近か、事実上の「出来レース」の見方も

By Rudi Riet

アメリカ国防総省が運用している全てのデータをクラウドに移行して一元管理する計画「JEDI(Joint Enterprise Defense Infrastructure)」の落札にAmazonが成功することが濃厚になってきました。計画の特色上、単一のベンダーだけが包括的に事業を請け負うことになるこの計画の総額は100億ドル(約1兆1000億円)にも上るといわれ、Amazonをはじめとするベンダーにとっては垂涎の事業といえるのですが、事前に定められた基準ラインは「Amazonしかクリアできない」ともいわれる内容になっており、しかもそのライン策定にはAmazonに関係するロビイストが関わっていたことも浮上しています。

“Everybody Immediately Knew That It Was for Amazon”: Has Bezos Become More Powerful in D.C. Than Trump? | Vanity Fair
https://www.vanityfair.com/news/2018/08/has-bezos-become-more-powerful-in-dc-than-trump

アメリカ国防総省が運用しているデータは、各地に存在する400カ所あまりのデータセンターに保管されています。しかし、同省ではデータをクラウド管理に移行することで効率化を図る計画「JEDI」を進めています。この取り組みは国防総省が初めて実施するものではなく、2013年時点でCIA(中央情報局)がAWSによるクラウド化を果たしてセキュリティ性とアクセス性の向上に成功しています。


そして国防総省は2018年7月26日、JEDIに関する提案の受付開始を公表しました。100億ドル(約1兆1000億円)という巨額の契約内容は他に類を見ないものであり、落札者はアメリカ国内で最大の政府事業請負業者となります。

しかしその選定基準の内容に疑いの目が向けられています。アメリカ政府が夏休みに入るその日に公表されたJEDIの内容は、事実上Amazonに決め打ちするように作成されたものであるという見方が広まっています。1400ページ弱にもおよぶ政府作成の提案依頼文書ではさまざまな仕様が定められているのですが、その内容の多くはAmazonが運営しているAWS(Amazon Web Service)しかクリアできない内容になっているといいます。

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大前提として、JEDIへの入札者はクラウド事業によって年間20億ドル(約2200億円)以上の収益を上げていることが必要とされています。これをクリアできているのはAWSを含むいくつかのクラウドサービスベンダーに限られます。また、複数のデータセンター間の距離は150マイル(約240km)以下である必要があるとも定められており、これもAmazonだけがクリアできている内容。さらに、サーバーには「RAM 32GB以上」という条件が求められているのですが、これもAmazonのみが基準を満たしている状態。ライバルと目されるMicrosoftは28GB、Googleは30GBとなっており、要求を満たす基準にアップグレードするためには巨額の費用を投じる必要性に迫られます。

事実上の「Amazon出来レース」と関係者がささやくJEDIの状況ですが、実はその基準策定にAmazonと関係のある人物が関わっていたことが明らかにされています。かねてより国防総省がクラウド化を進めるという方針は確実なものとされてきましたが、大きく動くことになったのは過去にAmazonをコンサルティングしていたロビイストをジェームス・マティス国防長官が雇用したタイミングに合致します。このロビイスト、サリー・ドネリー氏はJEDIの詳細な要求事項を決定する時点において、マティス長官のトップアドバイザーとして働いていたとのこと。

Amazonのジェフ・ベゾスCEOも国防総省との取り組みを行っており、2017年8月にはマティス長官をシアトルのAmazon本社に迎えていました。


アメリカ議会内部の関係者は、ドネリー氏の関与は行政機関の職員が個人的な利益に影響を与える政府の決定に参加することを禁じる連邦法に違反しているとする見方を示しています。これに対しドネリー氏は弁護士を通じ、関連する企業の株は全て事前に手放していること、また関連する企業の職を離れていることから問題はないと主張しています。

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in メモ,   ウェブアプリ, Posted by darkhorse_log

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