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マクラーレンのスーパーカー「720S」の速さの秘密とは?


マクラーレンが発表したスーパーカー「720S」は、4.0リッターV8ツインターボエンジンから720psのパワーを絞り出すハイパフォーマンスカー。最高時速が341km/h、そして停止状態から時速100km/hに到達するまでの時間を計測するゼロヒャク加速では2.8秒を記録するなど、超ド級の運動性能を備えています。この速さはどのように実現されているのか、NASAのロケット科学者であるライアン・コンベルサーノ氏が解説しています。

McLaren 720S: The Science of Speed - YouTube


ニュートンの運動の第2法則では『加速は力を質量で割ることで求められる』とされています」


「大きな加速を実現するには空気力学の観点を考慮しなくてはいけません。720Sはこの空気力学を強く意識した外観デザインが特徴となっていて、空気抵抗が大きくなるような箇所はどこにも存在していません」


「走行中に車両のノーズと衝突する空気は、きれいに上下に分割されます」


「車両の底面を流れる空気がダウンフォースを生み出し、コーナリング性能とグリップ性能を向上させます」


「ヘッドライトやその下の穴を通過する空気は……」


「マシン前部に搭載された低温用ラジエーターの冷却に利用された後、側面に設けられた穴から排出される仕組みになっています」


「720Sは空気抵抗を可能な限りなくすデザインとなっています。このため、加速時も空気がスムーズに車両の外側を通過していくため、大きな加速力を得ることが可能です」


「減速時にはリア部分のウイングが開き、ダウンフォースを大きく増加させることで、ブレーキングの性能を高めています。このウイングの効果により、200km/hで走行している状態でフルブレーキングすると、わずか4.6秒で完全に停止することが可能です」


「次に『力』について解説します。私はNASAで『電気推進技術(EP)』の研究に取り組んでいます。この研究では、『必要な推進力を得るために、どのくらいの馬力が必要か?』について、よく議論されています。たとえば、火星の有人探査ミッションでは500kWのパワー、車で言えば670馬力相当のパワーが必要とされています」


「しかし、私が研究しているのは、宇宙空間のいわゆる真空中での飛行の話です。電気推進ロケットは時間をかけて時速何千kmという速さにまで加速することができますが、加速力そのものはあまり強くはありません。一方、720Sは電気推進ロケットの何百倍もの加速力を得ることができます」


「最後は『質量』です。ニュートンの運動の第2法則が示すとおり、質量が小さければ小さいほど加速力が上がります。このため、航空宇宙工学の観点でも加速を得るためのアプローチとして、『軽量化』はとても重要なキーワードとなっており、数多くの部品の素材について議論されています」


「720SではボディにMonocage IIと呼ばれるカーボンファイバー製のタブを採用し、頑丈さと軽量化を両立させています」


「また、カーボンファイバーを使用することで、ピラーを薄くすることができ、ドライバーの視界を大幅に向上させています。実際、私は多くのスーパーカーを見たことがありますが、ここまで薄いピラーは見たことがありません」


「720Sは『ありえない加速を実現する空気力学』『ほれぼれするような推進力』『これ以上ないかもしれない軽量化』の3つを同時に実現しており、現代のスーパーカーの頂点にあると言っても過言ではありません」


720Sは記事作成時点で3338万円で販売されています。

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in 乗り物,   動画, Posted by darkhorse_log