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世界でただ1人、Waymoの自動運転カーに乗っている女子高生がいる


Alphabet傘下でGoogleの兄弟企業であるWaymoは、2018年末にもアメリカの一部地域で有償の無人タクシーサービスを開始しようとしています。2018年8月初頭時点では、ボランティアのモニタースタッフを登用した実地テストが行われており、その中には唯一のティーンエイジャーの女子高生が含まれています。

Waymo's Self-Driving Cars Are Near: Meet the Teen Who Rides One Every Day - Bloomberg
https://www.bloomberg.com/news/features/2018-07-31/inside-the-life-of-waymo-s-driverless-test-family

アリゾナ州フェニックスに住むカイラ・ジャクソンさんは、Waymoが実施している自動運転カーのパイロット運行プログラム「Early Rider」にボランティアで参加している唯一の女子高生です。毎朝、カイラさんはスマートフォンアプリでWaymoの自動運転カーを自宅に呼び、自宅にやって来たクライスラーのミニバン「パシフィカ」に乗って学校へと通います。

誰も乗っていないパシフィカが自宅前に止まると、カイラさんは後部座席のドアを開けて乗り込み、シートに座ってシートベルトを装着。そして、頭上に取り付けられている装置の青いボタンを押すと、パシフィカはカイラさんの通っている高校までの道を走り始めます。


カイラさんのいるジャクソン家は、Waymoのパイロットプログラムに選ばれた一家です。プログラムに参加するまではごく普通の家庭のように自家用車を日常的に使っていたジャクソン家でしたが、Waymoを利用できるようになってからはほとんど自分で車を運転することはなくなったとのこと。Waymoで移動できる範囲は10マイル四方(約16km四方)に設定されているそうですが、そのエリアの中で買い物に行ったり、映画を見に行ったり、電車に乗りに行ったりする時には常にWaymoを利用しているといいます。

カイラさんの母親のサマンサさんによると、Waymoの中にいるカイラさんはまるで運転手付きのリムジンに乗るセレブのようだとのこと。17歳頃のアメリカ人なら誰もが通る「運転免許証の取得」という通過儀礼に関してカイラさんは「それって重要なの?」と全く関心を示していないようです。


パイロットプログラムの参加者はWaymoを無料で利用できていますが、商業サービスが近づいてきたこともあって車内表示にはダミーの利用料金が表示されるようになってきているそうです。たとえば、カイラさんの自宅から高校までの道のりだと5ドル(約550円)で、それよりも長かった11.3マイル(約18km)の利用の際は19.15ドル(約2150円)と表示されたとのこと。これは、UberやLyftのような配車サービスとほぼ変わらない料金ゾーンで、通常のタクシーよりは安い設定になっているといいます。

フェニックスで実施されているWaymoのパイロットプログラムは、同社が取り組みを進めている25の都市の中でも最も先進的な内容が投入されているとのこと。Google時代を含め、Waymoはこれまでに800万マイル(約1300万km)の走行実験を行ってきており、フェニックスでは初めて「バックアップドライバーなしの自律運転」が実施されています。Waymoのジョン・クラシクCEOは「我々はやっとスタートしたばかりです」と語っており、今後は実際の商業運行に向けた最終開発が進められることになる模様です。


クラシク氏のゴールは、車両のソフトウェアとハードウェアを統合させた「ドライバー」を確立させるところにあるといいます。自動運転カーで重要な指標の1つが、人間のバックアップドライバーの介入が必要となるまでの走行距離です。以下のグラフは、自動運転カーを開発している各社の実績を示したものなのですが、Waymoはおよそ5000マイル(約8000km)も人間の介入なしに走ることが可能になっており、他社との間に大きく水をあけています。


2018年7月末現在、Waymoでは次の4つの分野で研究を優先的に進めているとのことです。

1:ライドシェア事業(無人タクシー):6万2000台のクライスラー・パシフィカと2万台のEV、ジャガー・I-Paceを今後数年内に導入予定
2:トラック輸送:大型トレーラーに自律運転用デバイスを搭載して無人のトラック輸送を実現する方針
3:自家用車:Waymoはフィアット・クライスラーと共同で自律運転が可能な自家用車の実現に向けた取り組みを実施中
4:公共輸送:Waymoはフェニックスの公共輸送サービス企業Valley Metroとパートナーシップを結んで自動運転カーをシステムに組み込む方針

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