サイエンス

「1カ月の平均気温が42.3度」の世界記録を世界で最も暑い場所「デスバレー」が打ち立ててしまう

by Cord Cardinal

2018年7月には世界中で記録的な猛暑が記録されており、日本でも40度近い最高気温を記録して多くの人が熱中症で運ばれたことが連日報じられているほか、ヨーロッパ各地で猛暑による山火事が発生するなど大きな被害をもたらしています。そんな中、アメリカのカリフォルニア州中部に位置するデスバレーでは、2018年7月に「1カ月の平均気温が42.3度」という世界記録が打ち立てられる見込みだと報じられました。

Another World Record Hottest Month Globally At Death Valley
https://www.forbes.com/sites/brianbrettschneider/2018/07/31/another-world-record-hottest-month-globally-at-death-valley/

デスバレーはモハーヴェ砂漠の北部にある乾燥した盆地であり、1913年に「56.7度」という世界気象機関認定の世界最高気温が記録されたことでも知られています。「世界で最も暑い場所」と呼ばれることもあるデスバレーは、2017年7月に「1カ月の平均気温が41.8度」という世界最高の月平均気温を記録しており、1年越しで自らの記録を更新したことになります。なお、「デスバレーの1カ月平均気温が42.3度」というのは、あくまでも2018年7月30日までのデータにもとづいた予測だそうですが、世界記録の更新はほぼ間違いないだろうとのこと。

2018年7月に観測されたデスバレーの気温グラフを見ると、最高気温が華氏125度(摂氏51.7度)を超える日が5日もあり、7月の最低気温でも華氏80度(摂氏26.6度)を超えています。1日の平均気温は華氏100度(摂氏37度)から華氏115度(摂氏46度)の間をうろうろとしており、日本の最高気温を優に超える平均気温を連日のように記録し続けているようです。


世界的に見ると、デスバレーと気温の高さでいい勝負ができる地域はペルシャ湾からアラビア半島、そしてイラク南部からイラン南西部とパキスタンを含めた地域くらいだとのこと。2018年7月のデータによると、クウェートやイランの一部観測所で1カ月の平均気温が華氏104度(摂氏40度)を超えたそうですが、デスバレーの記録を更新するほどではありませんでした。


「なぜデスバレーはあり得ないほど暑いのか?」という疑問について、気象学者のブライアン・ブレッツシュナイダー氏はいくつかの理由を挙げています。

◆1:世界的に気温が高くなるのは、北緯または南緯30度付近の場所が多い
この付近では下降気流が発生しやすいため、雲の形成が妨げられてしまうそうで、世界的な砂漠のほとんどが北緯または南緯30度付近に集中しているとのこと。デスバレーは北緯36度付近に位置しており、まさに暑くなりやすい場所にあります。

◆2:デスバレーの標高が海面より低い
標高が低ければ低いほど気圧が高くなり、空気が圧縮されて断熱性を持つため、暖かくなりやすいとブレッツシュナイダー氏は説明しています。

◆3:砂漠であること
デスバレーはモハーヴェ砂漠の北部に位置しており、地面に水分がほとんど含まれていません。太陽の熱はほとんどが地表の水分を蒸発させる気化熱として失われますが、砂漠では気化熱が発生しないため、太陽エネルギーの大部分が地面を暖めるために使われます。

◆4:雨が降らない
デスバレーはシエラネバダ山脈の東部に位置しており、本来であればデスバレーに流れ込んで雨を降らせるはずの湿った空気が、山脈によって遮られてしまいます。そのため、デスバレーでは降水量が少なく、アメリカで最も乾燥した地域となっているとのこと。

by a.dombrowski

以上のようにさまざまな要因が重なり合い、デスバレーは世界的に有名な酷暑地帯となっていると、ブレッツシュナイダー氏は説明しました。

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in サイエンス, Posted by log1h_ik