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世界で初めて化石燃料への公共投資をすべて引き揚げる法律がアイルランドで誕生する見込み


アイルランドの下院で「化石燃料への投資を引き揚げる」という法案が可決されました。今後、上院で可決されて法律として成立することで、アイルランドは「世界で初めて化石燃料への公共投資を廃止する国」になる見込みです。

Ireland becomes world's first country to divest from fossil fuels | Environment | The Guardian
https://www.theguardian.com/environment/2018/jul/12/ireland-becomes-worlds-first-country-to-divest-from-fossil-fuels

地球温暖化問題を解決するために、石油・石炭・天然ガスなどの化石燃料の使用を減らそうという活動が世界的に行われています。そんな中で、アイルランドでは、石油などの化石燃料ビジネスを行う企業への公共投資を引き揚げる「Divestment(負の投資)」を行う法案が下院に提出されました。

この法案では、売り上げに占める化石燃料関連ビジネスの割合が20%以上の企業を「化石燃料企業」と位置づけ、これらの企業に対する公共投資を停止し、すでにアイルランド戦略投資基金(ISIF)から投資されている資金は5年をめどにすべて引き揚げることで、国の投資レベルで地球温暖化問題に対処することが目的とされています。

国レベルでの化石燃料企業への投資抑制策としては、ノルウェーが石炭関連企業から投資を引き揚げる決議を行った例はありますが、石炭だけでなく石油・天然ガスまでを含めたすべての化石燃料を対象に投資を停止するのはアイルランドが初だとのこと。


法案を提出したトーマス・ブリングル議員は、「アイルランドが化石燃料企業への投資を引き揚げることで、アイルランド国民と国際社会に対して、既得権益という短期的なものを超えて考え、行動する用意があるという明確なメッセージを送るものです」と法案の意義について述べています。

ただし、化石燃料企業からの投資を引き揚げるよりも、投資を継続しつつ経営に関与することで化石燃料の利用を制限するようコントロール機能を働かせるほうが、地球温暖化問題への対処としては適切だとして、Divestment法案を不当だとする意見もあります。

化石燃料企業へのDivestment法案はすでに下院を通過しており、今後は上院で審議される予定。上院でも速やかに可決される可能性は高く、2018年内にも法律は施行される見込みだとのこと。Divestment法案を起草したGreen Legal Action Networkのゲリー・リストン氏は「化石燃料企業を財政面で支え続けるならば、多くの政府はパリ協定で定められた義務を果たせないでしょう。今こそ世界中の国々が、化石燃料への投資引き揚げを行うアイルランドに続くべきです」と述べています。

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