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語学教師が直面してきた「馬鹿馬鹿しい特許」とは?

by Alexandr Podvalny

長年語学教師を苦しめてきた「語学レッスン」に関する特許を有する企業に対して、電子フロンティア財団と語学教師がタッグを組み、問題解決に取り組んでいます。

With EFF’s Help, Language Teacher Responds to Ridiculous Patent Threat | Electronic Frontier Foundation
https://www.eff.org/deeplinks/2018/07/effs-help-language-teacher-responds-ridiculous-patent-threat

世界には6500種類以上の言語が存在するといわれていますが、これらは何千年もの間にわたって研究されてきました。現代でも語学について研究する人や、外国語を教える語学教師などが多数いますが、特に語学教師は馬鹿馬鹿しく思えるような特許の存在で思うようにレッスンが行えていないという状況に陥っていました。この「馬鹿馬鹿しい特許」というのは、イギリスの大手出版社であるHodder&Stoughtonが保有する「録音された語学レッスン」に関する特許です。この特許を盾に、Hodder&Stoughtonはオンライン上で提供される語学レッスンをやめさせることが可能です。

イギリスで語学教師として働くミハリス・エレフセリウー氏は、Language Transferという無料の語学学習サイトを運営しており、Sound CloudYouTubeにアップロードされたムービーもしくは音声ファイルでレッスンを提供していました。

Free Language Courses | Language Transfer


しかしある時、エレフセリウー氏はHodder&Stoughtoから(PDF)手紙を受け取ります。手紙にはLanguage Transferのオンラインレッスンは、Hodder&Stoughtoが保有する「 Language teaching system(語学教育システム)」という特許に抵触しているため、レッスンの提供をやめるようにと記されていました。

この特許は録音データを用いて行う語学レッスンすべてに適用しうるほどアバウトなものであるため、電子フロンティア財団は、「率直に言って特許庁はより良い仕事をする必要がある」と厳しい言葉を投げかけています。

そして、エレフセリウー氏のようにHodder&Stoughtoの特許に苦しむ人々を助けるために、電子フロンティア財団はHodder&Stoughtoに(PDF)返答を送りました。返答の中で電子フロンティア財団は、「抽象的なアイデアが従来の技術または一般的な技術に実装されるだけでは特許保護の対象にならない」という過去の判例から米国特許6677358特許(358特許)が明らかに無効であると説明しています。

by Helloquence

また、Hodder&Stoughtoの特許出願が提出される3年以上前の1997年にBBCのドキュメンタリーである「The Language Master」が公開されており、この中でHodder&Stoughtoの特許とよく似たシステムが登場しているため、「先行技術の存在を理由に特許の無効化を主張できる」とも記しています。

加えて、Hodder&Stoughtoはエレフセリウー氏にアメリカでのオンライン語学レッスンの提供をやめることを要求しただけでなく、語学指導に関する書籍の出版計画も放棄するように求めており、これは明らかに特許制度の乱用であると電子フロンティア財団は指摘しています。

電子フロンティア財団は「著作権は著作者が特定の表現を保護することを可能にしますが、アイデアを保護することはできません。語学教育では誰かが自分の作成したレッスンや録音テープに著作権を持つことはできるものの、『第2言語を教える』というアイデアそのものに著作権を持つことはできません。抽象的なアイデアも特許を受けることはできず、こういったものは知識というブロックを構成する基礎のひとつであって、所有権の対象となるものではありません。むしろ、将来的にクリエイターや発明家が抽象的なアイデアを活用できるようにしておく必要があるのです」と述べています。

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in メモ, Posted by logu_ii

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