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アメリカの大手スーパーマーケットが「自動運転車による無人配達」を導入すると発表


アメリカの大手スーパーマーケットであるクローガーが、自動運転車の開発を行うスタートアップのNuroと提携して「自動運転車による無人配達サービス」を導入する予定だと発表しました。

America’s largest supermarket chain is launching a fully driverless delivery service - The Verge
https://www.theverge.com/2018/6/28/17509856/kroger-nuro-self-driving-car-delivery-partnership

Nuroは2017年に設立されたばかりのスタートアップ企業で、Googleの自動運転車開発チームに所属していた2人によって設立されました。クローガーは2018年の秋を目標に、Nuroと共同で開発した自動運転車による配達サービスを試験的に導入するとしており、最初のうちは人間のドライバーも乗せて安全に配慮した上で試験するとのこと。アメリカのどの都市で試験を行うのかについては、現段階では発表されていません。


導入される配達サービスは、「クローガーがユーザーの家まで食料品を配達する」というもの。クローガーはすでに人間のドライバーによる配達を行っており、新しく導入される無人配達サービスでは、ユーザーは現在使われているクローガーのオンラインサイトか、今後発表される予定であるNuroのアプリで車両をオンラインで追跡可能。

クローガーはアメリカの35州に2800の店舗を持っており、毎日900万人ものユーザーが利用するアメリカでも有数の大手スーパーマーケットです。クローガーを利用するユーザーのうち、4分の3がクローガーの配達サービスにアクセスするか実際に利用しているとのこと。Nuroの共同設立者であるデイブ・ファーガソン氏は、「無人車両による配達サービスは、消費者に対する敬意を欠いているとは思いません」と述べ、人力を費やすべき場所とそうでない場所を見極めることが重要だとしています。


Nuroの車両は通常の車両と比べて細くコンパクトであり、まるで小さな弁当箱のような形をしています。クローガーとNuroは実際のユーザーエクスペリエンスがどのようになるのかを調整中であるとのこと。ユーザーがNuroまたはクローガーのアプリで商品を注文した後、車に商品を積み込む時点までは労働者によって行われる事になる模様です。

商品を積んだ自動運転車は自律的に目的地まで走行し、目的地近くの車道で歩道に寄って停車します。人間が乗っていないという都合上、ユーザーの家まで直接商品を配達してくれるわけではないため、商品を注文したユーザーは目的地付近の道路まで自動運転車を迎えに行く必要があります。ユーザーはPINコードや顔認識システム、生体認証といった検証システムで本人確認を行い、車両から自身が注文した商品を持っていくというシステムになるそうです。

Nuroにとっては全米で事業を展開するクローガーと提携することにより、非常に多くの道路データを収集することができるため、大きなメリットが得られます。これまでの自動運転車業界ではUberやテスラといった企業が大きく取り上げられ、Nuroのような小さなスタートアップが脚光を浴びることは少なかったとのこと。ファーガソン氏は「クローガーとの提携は、Nuroにとって驚くべきマイルストーンです」と語り、クローガーとの提携を喜んでいます。

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in 乗り物, Posted by log1h_ik

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