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レモンの力を使ってスーパーカーのバッテリーを充電してみたムービーが公開中


レモンは絞ってドレッシングにする以外にも、輪切りにして紅茶の風味付けに利用したり、皮を利用してレモンピールやマーマレードに加工したり、亜鉛と銅を挿して電池として利用するなど、幅広い用途があります。工学者でありYouTuberでもあるマーク・ロバー氏は、多様な用途のあるレモンを使ってスーパーカーのバッテリーを充電するというプロジェクトに挑戦しています。

Lemon powered Supercar- WORLD'S LARGEST Lemon Battery - YouTube


「あるビースト(猛獣)を動作させる電力を生み出すため、私は挑戦を行わなければなりません」と語るのが、今回レモンを使ってバッテリーの充電にチャレンジするロバー氏。


「そのビーストとはフォルクスワーゲンのスーパーカーのバッテリーです」


「このスーパーカーは、パイクスピーク・インターナショナル・ヒルクライムの電気自動車クラスの新記録をたたき出して優勝するほどのレーシングカーで、約1400mの標高差がある全長約20kmのコースを一気に駆け上がることができます」


「しかし、フォルクスワーゲンのレーシングチームからはバッテリーの充電方法について、詳細な指示はありませんでした」とロバー氏は語り、フォルクスワーゲンのレーシングチームからバッテリーの充電を依頼されているものの、充電方法までは明記されていなかったという事実を明かしています。


「だから、私はレモン電池でバッテリーを充電したら、カッコイイのではないかと考えました」


しかし、ロバー氏だけでは、スーパーカーのバッテリーを充電するほど巨大なレモン電池の構築は無理だということで、助っ人としてYouTuberのウィリアム・オスマン氏を呼び出し、2人で作業に取り掛かります。


ロバー氏は「今回作り上げるレモン電池はレモンを乱雑に並べて、配線もグチャグチャになるようなものにはしません」と語り、以下の画像のような見た目も良くないレモン電池にはしないと明言。


「そこで、木材に薄い亜鉛と銅の板をセットしたラックを作り……」


「各ラックにセットしたレモンから効率的に電力を得るために配線を実施しました」


そして、完成したレモン電池用のラックが以下の画像です。あとは、このラックにレモンをセットするだけですが、ロバー氏は「大量のレモンをどうやって集めるかが課題でした」と話しており、レモンを集める方法を考えていなかったことを明らかにします。


そこで、ロバー氏は自宅の裏庭のレモンと……


地元の農家との交渉で得た「商品にならない大量のレモン」を手に入れ、合計1232個のレモンを準備することに成功。


そして、ロバー氏はオスマン氏と共にラックにレモンをセットして……


巨大なレモン電池が完成。ロバー氏は「これが世界最大のレモン電池です」と自画自賛します。


しかし、ここで問題が発生。電流計で計測してみると300mAの出力しかなく、とてもバッテリーの充電を行えるレベルにないことが判明。


ロバー氏は「数日間かけて行ったレモン電池による充電は諦め、プランBに移行しました」と話し、自身の後ろにある48kWhのバッテリーを充電する方法に別のプランが存在していたことを明かします。


「ワイヤーとアルミプレート、ブラシレスモーター、スケートボード用のウィール(タイヤ)、プーリーを用意して……」


「ドリル用のバッテリーを充電できるジップラインを作りました」


ロバー氏は子どもたちを集め「滑車に付いているランプは電池の充電状況です。私たちはこれをフル充電する必要があります」と語りかけ、ジップラインで遊ばせて滑車に取り付けたバッテリーを充電する計画を説明します。


子どもたちの興味を引くことに成功したロバー氏は、子どもたちをジップラインにのせて充電を開始。


ジップラインで遊ぶことで、徐々にバッテリーの残量も増えていきますが、同時に子どもたちの体力もなくなっていくので……


ロバー氏は、レモン電池で使用したレモンをレモネードにして、子どもたちに振る舞いました。


ロバー氏は、ジップラインに1回乗るたびに「レモネードを1杯飲むルール」を設けていたため、子どもたちの体力をレモネードで補うことに成功したそうです。


その後、何度もジップラインで遊ばせることで、ドリル用バッテリーのフル充電が完了。


ロバー氏は充電したドリル用のバッテリーを手に取り「私たちはレモネードと子どもの体力を使って、スーパーカーがサッカーフィールド2つ分(約200m)を走ることができるパワーを得られました。しかし、実際のレースを走るには、あと198のフィールドを走るパワーを得る必要があるので、プランCに移行します」と語り、充電不足をプランCで補うことを明らかにします。


「プランCで使用するものは太陽の力です」


「私たちが普段使っている石油や石炭、天然ガスを作り出したものは、過去に太陽光を浴びて光合成した葉の化石という説もあり、全てのエネルギーの源であるとも言えます」


「また、太陽光は空気を暖めることで、気圧に変化をもたらすので、風を吹かせたり、雨を降らせたりするので風力発電や水力発電も可能にします」


「さらに、私たちは太陽光でエネルギーを得た植物や草食動物を食べるので、太陽光のおかげで生きていられるということになり、全ての生命の起源であるとも言えるのです」


「早速、私は24枚の100Wソーラーパネルをガレージの屋根に設置しましたが、1つだけ問題がありました」


「それは、NASAが犯した誤りと同じものです。NASAが2004年に太陽電池を搭載した探査機を火星に送りこんだとき……」


「動力源である太陽電池が砂ぼこりで覆われてしまい、電力が得られなくなり活動不能になってしまったことがあります」


「私の住んでいる地域もホコリが多く、探査機と同じ問題に陥る可能性があります。そこで、解決策を得るべく未来のエンジニアたちを召集しました」


「まず、私は今回の問題点を説明し、『最適なソリューション』を考えてもらうことにしました」


「アイデアを生み出すには相応の体力を必要とするので……」


「頭の回転を良くするためにレモネードを振る舞いました」


「その後、エンジニアたちは各自のアイデアをミーティングで話し合い、最適なソリューションを見つけ出すことに成功」


「そして、実装フェーズに移行しました」


「未来のエンジニアたちは、太陽電池を洗浄するスプリンクラーを作り上げ……」


「ホコリをかぶる心配のなくなった太陽電池によって、スーパーカーのバッテリーをフル充電することに成功しました」

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in ハードウェア,   動画, Posted by darkhorse_log

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