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Google翻訳を使った職務質問が違法であるとしてコカイン所持の現行犯が釈放される


Google翻訳は、AIを使用するなどして徐々に翻訳精度を高めているものの、言葉の通じない人同士がスムーズにコミュニケーションを行える精度には達していません。この翻訳精度を過信してしまった1人のアメリカの警察官は、言葉の通じない人にGoogle翻訳を使った職務質問を行い、コカイン所持の現行犯を逮捕。その後の裁判で捜査方法が不当であると認定され、容疑者が釈放されることになってしまったそうです。

A US court rejected Google Translate as a means of providing consent to a cop — Quartz
https://qz.com/1306830/a-us-court-rejected-google-translate-as-a-means-of-providing-consent-to-a-cop/

Google Translate Won't Hold Up in the Classroom or A Courtroom | Digital Trends
https://www.digitaltrends.com/computing/google-translate-courts/

2017年9月21日にカンザス州のハイウェイパトロールは、ナンバーの登録されていない車が走行していることを発見し、乗用車を運転するクルス・ザモラ氏に車を停止するよう促しました。車を停止させた後、警察官のライアン・ウォルティング氏がザモラ氏と会話を行いましたが、ザモラ氏はスペイン語を話すことができても、英語を満足に話すことができず、コミュニケーションを取ることが困難だったそうです。

そこでウォルティング氏は、ザモラ氏とのコミュニケーションをGoogle翻訳に頼ることにしました。ウォルティング氏は会話を進めていく中で、ザモラ氏が7700ドル(約85万円)という多額の現金を所持していることと、車内に大量のコカインメタンフェタミンがあることを発見。この事実により、ウォルティング氏はザモラ氏を規制薬物の所持と不特定多数の人物と取引を行おうとしていた疑いがあるとして逮捕しました。


裁判の場で被告のザモラ氏は「当時、警察官の質問の意図が不明で、車内の捜索を許可した覚えもない」と発言し、ウォルティング氏が行った捜査が不当であると主張しました。当時のウォルティング氏はGoogle翻訳を使って、ザモラ氏に「車を捜索しても良いですか?」と質問したつもりでしたが、Google翻訳では「Puedo buscar el auto?(車を見つけることができますか?)」と解釈されており、ザモラ氏はこの質問に「はい」と答え、何を意図した質問なのか全く理解できなかったそうです。

この裁判の参考人として呼ばれたプロの翻訳家もザモラ氏の主張に同意しており「Google翻訳が完璧なコミュニケーションを実現できるわけではない」と指摘。裁判官は、これらの意見からザモラ氏の主張を全面的に認め、ウォルティング氏の捜査は不当なものであったと認定し、ザモラ氏の釈放を決めました。

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