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あなたの飲むギネスビールの注ぎ方は間違っている可能性がある



「ギネスビール」は一般的にチューリップ型のグラスに注がれますが、実はチューリップ型のグラスはギネスビールを飲むのに最適でない、として、研究者が「ギネスビールを飲むのに最も適した方法」を数式から探っています。

You’ve Been Pouring Guinness All Wrong - YouTube


パブやバーでギネスビールを注文した時に、他のビールとは違い、ビールの泡が浮かぶのではなく沈んでいることに気づいた人もいるはず。しかし、これはギネスビールが物理の法則に反しているわけではありません。


ギネスビールは他とは異なる性質を持つため、特注グラスに注がれます。これにはパフォーマンスをよくするという意味が込められているそうですが、一方でビールを注いだあと、飲むのに最適な状態になるまでには時間がかかるとのこと。


ギネスビールは「スタウト」という種類で、ローストした大麦を使用し、上面発酵で醸造されます。伝統的なギネスビールのグラスの問題点を発見した工業数学教授のWilliam Lee氏によると、ギネスビールの泡は非常に小さいという特徴を持つとのこと。


この理由の1つは、多くのビールは二酸化炭素を使っているのに対し、ギネスビールに含まれる泡が窒素を使っているということにあります。


ギネスビースのようなスタウトが持つシルクのような舌触りは、窒素を使っているためなのです。


二酸化炭素の泡は大きいため水流の影響を受けにくく上昇します。しかし、窒素の泡は小さいので水流と同じ方向に動いてしまうのです。


ギネスの泡が持つ不思議な動きの原因を、Lee氏らはさまざまな数式を使って探りました。


そして、動きの原因がグラスの形にあることを突き止めました。


グラスの下から泡が上がるとき、泡はグラスの傾斜を避けるように動きます。そして泡が離れると、それに伴いグラス近くのビールの密度は高くなります。密度の高いものは沈むので、グラス近くのビールは泡を引き連れて沈んでいくというわけです。


このとき、小さな泡が水流に飲まれて沈むため、ギネスビール特有のなめらかで不思議な泡の動きが生まれるのです。


ギネスがお店で提供される時は、プロセスが決まっています。決まったグラスを使い……


注ぐ角度は45度。


ビールはグラスの上部から15~20mm盛り上がるところまで、一気に注ぎます。


そしてテーブルに置いてから90~120秒待ち、液体と泡とを分離させます。ちなみに、ギネスの広告キャンペーンで「1パイントを完璧に注ぐのに119.53秒を要する」と、この待ち時間に意味が持たせているというのは、ギネス飲みの間ではよく知られた逸話です。


この時、ギネスビールの液体と泡とが完全に分離するまでの時間は、通常のビールより長く、ゆえにギネスビールを注文すると長い時間待つ必要が出てきます。


「Good things come to those who wait.(良いことは待つ者のところに訪れる)」という諺にあるように、ギネスビールは待つ者のもとにしか訪れないわけです。


ビールを注ぐ時の液体の流れが「待ち時間」を生み出していると考える人がいるかもしれませんが、Lee氏の研究によると、「待ち時間」を生み出す原因の大部分はギネスビール用グラスの特殊な形にあるとのこと。


ではギネスビールの泡が早く落ち着き、飲める状態になるにはどうすればいいのかというと……


答えは「マティーニ用のグラスを使う」ということ。


実際にマティーニグラスにギネスビールを注いでみると……


泡の動きによって独特の流れが生まれないため、即座に泡が落ち着いていきます。


ちょっと変わった見た目になりますが、マーケティングによる「伝統」に重きを置かず、早くビールを飲みたいという人であれば、大きめのマティーニグラスでギネスビールを注文するのがよいというわけです。

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