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あのマリオカート64でショートカットを追究し続けるゲーマーたちにより成功率2.5%・1周タイム約3秒という驚異のテクニックが誕生


マリオカート64」は、1996年に任天堂がNINTENDO64向けに発売したマリオカートシリーズ2作目で、多くのゲーマーがどれだけ早くコースをクリアできるかを競うタイムアタックに挑戦してきたゲームでもあります。マリオカート64といえばワリオスタジアムやピーチサーキットなど、さまざまなコースでタイムを縮めることができるショートカット(近道)が見つけられていますが、コースのひとつである「チョコマウンテン」ではタイムを大幅に短縮できる裏技的なテクニックが2014年に見つかっており、2018年6月1日にはラップタイム(コースを1周するのにかかる時間)3秒という驚異的な記録がたたき出されました。このチョコマウンテンをゲーマーがどのように攻略してきたのかを、ゲームのスピードラン攻略ムービーをアップしているSummoning Saltさんが、以下のムービーにまとめています。

Choco Mountain: The History of Mario Kart 64's Most Infamous Track - YouTube


1996年に発売された「マリオカート64」で、フラワーカップの第3コースとなるチョコマウンテンは、ぐねぐねと曲がった道・落石・ゴール手前の凸凹など、走りにくさに定評のあるコース。一般的な走行タイムは3周で1分40秒~2分となります。


コースの全体像はこんな感じ


コースの走行タイムを短縮するためには、ドリフト走行を終始駆使したり、爆速ダッシュを決めることができるキノコを使ったりと、さまざまな工夫が求められました。


マリオカート64ではRボタンを押すことで小さくジャンプができるのですが、ゲームリリースから2ヶ月以内にDavid Wonnというプレイヤーが、わざと壁にタイミングよく衝突することで壁を乗り越えることで、コースの一部をショートカットできるという方法を発見しました。そのため、マリオカート64の走行タイム記録には「ショートカットなし」「ショートカットあり」という2部門が設けられることになりました。


チョコマウンテンではコースのちょうど半分ほどまで進んだあたりにある、以下の画像の石垣にダッシュでジャンプしながら突っ込むことで、大幅なショートカットが可能となることがわかりました。このショートカットを駆使することで、チョコマウンテンの走行タイムをおよそ30秒ほど縮めることができます。


このことから、「いかにショートカットを見つけられるか」という方向でチョコマウンテンを含むマリオカート64の研究が進められることになりました。チョコマウンテンでは石垣よりもさらに手前の山を、ジャンプを細かく繰り返しながら無理矢理登っていくというショートカットが見つけられるなどの研究が進み、本来であれば2分弱のタイムがおよそ1分にまで短縮できるようになりました。


また、研究が進むことで驚くべき事実がわかりました。マリオカート64のソフトには日本版・アメリカ版・ヨーロッパ版の三種類があります。実は各国のテレビ放送の規格に違いがあるせいで、ヨーロッパ版だけ映像出力の信号が違います。NTSCという信号を使う日本版・アメリカ版に比べて、PALという信号を使うヨーロッパ版は少しだけタイムが遅くなってしまいます。そのため、マリオカート64の走行タイム更新を狙うプレイヤーは日本版かアメリカ版を使ってプレイするようになります。


2014年、このタイムを大幅に縮めるようなショートカットテクニックが発見されました。このテクニックは、TASer(Tool-Assisted Speedrunner)であるDrew Weathertonさんによって発見されたため、「Weathertenko」と呼ばれています。Weathertenkoはスタート・ゴールラインの手前から壁に向かってダッシュを行い、急な斜面を登りながらラインを超えるというやり方で、マップの99%をスキップすることができるというテクニック。これで1周するのに20秒ほどかかっていたチョコマウンテンが、5~6秒でクリアできることになります。


プログラムツールを使って発見されたテクニックということもあり、Weathertenkoは人間が実機で再現するのはほぼ不可能と考えられていました。しかし、成功確率は2.5%とかなり低いものではありましたが、なんと実機で再現するプレイヤーも現れ始めました。Weathertenkoを3ラップ中の1ラップで成功させるだけで、走行タイムは15秒ほど縮まるため、多くのゲームプレイヤーが挑戦しました。

2017年10月29日、Beck AbneyさんがWeathertenkoを3周全てで使うことで、チョコマウンテンのタイムを大幅に塗り替えようという挑戦を行いました。Weathertenkoを3周全て使ってタイムを更新できる確率は、40分の1×40分の1×40分の1=6万4000分の1となります。


2万6461回も挑戦を繰り返し、Abneyさんは見事3ラップをWeathertenkoでクリア。なんと16秒38という驚異的な走行タイム記録をたたき出しました。Abneyさんが達成した様子は以下のムービーで見ることができます。64000分の1という確率の壁をくぐり抜けてついに世界記録を達成した瞬間、Abneyさんは立ち上がって叫び、涙をぬぐうようなしぐさを見せます。

Choco Mountain SC 3lap World Record - 16.38 (NTSC) - YouTube


そして、2018年6月1日にはToughStacheさんが、このWeathertenkoを使って2秒98というラップタイムをたたき出しました。さらにこれに続くように、2018年6月2日にはAbneyさんも同じ2秒98というラップタイムを記録しています。

Choco Mountain Shortcut fast lap World Record - 2”98 - YouTube


Choco Mountain SC lap World Record - 2.98 (NTSC) - YouTube


なお、Abneyさんは記事作成時点で「ショートカットなし」「ショートカットあり」の両方で全カップ走行タイムの世界記録を所有しています。Abneyさんがチョコマウンテンを含むフラワーカップをショートカットありで走破する様子は以下のムービーから見ることができます。

Mario Kart 64 150cc All Cups (Skips) Shortcut Speedrun 25:49 (Former WR) - YouTube

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in 動画,   ゲーム, Posted by log1i_yk