高タンパク質の食事は肉・乳製品ともに心疾患のリスクを増加させると22年にわたる調査で明らかに、心疾患リスクと関係しないタンパク質とは?

by Markus Spiske

「高タンパクの食事」は健康意識の高い人から注目されていますが、一方で過去の研究からタンパク質、特に動物性タンパク質を多くとることは2型糖尿病や死のリスクを上げる危険性があることが示されていました。そこで東フィンランド大学で栄養疫学について研究するJyrki Virtanen助教授が率いる研究チームは、高タンパクな食事は人々の健康に本当に利益をもたらすのか?ということを調査すべく研究を行いました。その結果、たとえベジタリアンであっても植物性タンパク質を多く摂取していると、心不全のリスクは増すことが示されています。

Intake of Different Dietary Proteins and Risk of Heart Failure in Men | Circulation: Heart Failure
http://circheartfailure.ahajournals.org/content/11/6/e004531

High protein diet associated with small increased heart failure risk in middle-aged men | EurekAlert! Science News
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-05/aha-hpd052418.php

研究では、42歳から60歳の男性2441人を対象に平均22年間の追跡調査を実施。1984年に研究を開始した時、被験者は「研究開始前4日に何を食べたか?」というアンケートに答え、そこからタンパク質の摂取量ごとに4つのグループに分けられました。研究を行っている最中に心不全と診断されケースは334例であり、研究者らはどのグループと心不全の間に関連性があるのか、またタンパク質の種類と心不全の間に関連性があるのかを調べました。

by Niklas Rhöse Follow Message

1日平均で109gのタンパク質を摂取しているグループを「最もタンパク質摂取が多いグループ」、1日平均78gのタンパク質を摂取しているグループを「最もタンパク質摂取が少ないグループ」としたときに、最もタンパク質が多いグループは少ないグループよりも心不全のリスクが33%高いことが判明しました。さらに、この2つのグループの比較を細かく見てみると、動物性タンパク質を多く取っているグループは43%、乳製品からタンパク質を取っているグループは49%心不全のリスクが高かったとのこと。植物性タンパク質を多くとっているグループも心不全のリスクは高かったものの、その差は17%であり統計的には大きな違いではないとForbesは指摘しています。

また、魚や卵からタンパク質を摂取しているグループと心不全との関連性は確認されていません。2018年5月21日に中国の研究チームが成人40万人を対象に行った研究で「1日1個の卵が心血管疾患のリスクを低下させる可能性がある」ということが示されましたが、今回の研究もこの結果を支持したものとなりました。また、魚に含まれるω-3脂肪酸も虚血性心疾患のリスクを下げるという報告があります。

ただし、今回の研究は被験者を男性に限定している点と、食生活について訪ねられたのが1度きりである点、そして研究規模の小ささによって結論が限定的となっていることが指摘されています。

また国や地域、性別によってタンパク質を摂取する量に違いがあり、今回の研究の被験者であるフィンランド住民の1日のタンパク質摂取量は1人あたり107gで、アメリカの場合は114g、日本の場合は92gだといわれています。

Daily Protein Intake Per Capita
http://chartsbin.com/view/1155


タンパク質の推奨食事許容量体重1kgあたり0.8g、つまり体重50kgの人であれば40g、60kgの人であれば48gという計算になります。つまり、100g近い量を摂取しているという状態は推奨量の2倍のタンパク質を取っているということ。とはいえ、卵1個あたりのタンパク質量が7.4gほど、和牛もも肉100gあたりのタンパク質量が21.3gなどなので、食生活のスタイルによっては1日に必要なタンパク質量に達していない人もいるはずです。

なお、食品に含まれるタンパク質量は以下のウェブサイトから調べることができます。

食品成分データベース
https://fooddb.mext.go.jp/index.pl

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in サイエンス,   , Posted by logq_fa