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GoogleのGDPRへの対応遅れで広告主&広告代理店に混乱が発生


EUで消費者の個人情報に関する取扱いを厳格化する「General Data Protection Regulation (GDPR:一般データ保護規則)」が2018年5月25日に施行されました。個人情報の収集について徹底的な通知を義務付け、データ保持・利用に厳しい制限を設けたGDPRでは、違反した企業に多額の罰金を定めており、違反によって大ダメージを受けかねないGoogleは、広告プラットフォームの運営でかなり慎重な措置を余儀なくされました。その結果、Googleの広告プラットフォームが一時的に機能停止状態になり、多くの広告利用企業に混乱が生じています。

GDPR mayhem: Programmatic ad buying plummets in Europe - Digiday
https://digiday.com/media/gdpr-mayhem-programmatic-ad-buying-plummets-europe/

GDPRでウェブパブリッシャーの運営に関わる変更点については、以下の記事を見ればよくわかります。

EUの新データ保護規則「GDPR」の発効でウェブサイト所有者が採るべき大きな変更とは? - GIGAZINE


GDPRが施行された2018年5月28日の早朝から、ヨーロッパ地域におけるAd Exchange(アドエクスチェンジ)の量が25~40%も急減する例が現れたと、複数のアドテク企業が報告しています。Googleの広告プラットフォームを取り扱うアドテク企業は、広告を出稿する顧客に対して広告枠が急激に少なくなっている状況を報告するのに大忙しだったとのこと。これは、ヨーロッパ地域におけるGoogleのアドエクスチェンジ「DoubleClick Bid Manager」がIAB EuropeのGDPRフレームワークに参加することでGDPRに完全対応するまでの間、一時中断するという措置に踏み切ったのが原因です。

GDPR施行に伴って、アメリカの大手パブリッシャーの中にはウェブサイトから広告枠を引き上げる動きが確認されています。例えば、USA TodayはEU域内向けのウェブサイトからGoogleなどの広告配信サービスをすべて取り除いています。Googleなどのアドエクスチェンジ提供企業がGDPRに対応するまでは、GDPR規則違反の可能性が拭い去れない広告配信自体を取りやめて、従来通り広告を配信できる本家アメリカ版サイトへヨーロッパのユーザーを誘導する方針だとのこと。また、New York Timesはヨーロッパ向けには表示する広告は自社広告のみに制限しており、Los Angeles TimesやChicago Tribuneに至っては、ヨーロッパ向けのサイト自体を閉鎖するなどの動きもみられています。

アドテク企業の怒りの矛先はGoogleに向いているという報告もあります。匿名を条件にDigidayの取材に応じたアドテク企業は、Googleからの通知がGDPR施行前日の2018年5月24日だったのは遅すぎで、アドテク企業や広告出稿企業が十分な対応を行えないような対応だったと恨み節を口にしたそうです。

Googleの広報担当者は、「GDPRはウェブに携わるすべての人にとって大きな変化です。昨年からおよそ60カ国のパブリッシャー、広告主、広告代理店に対して行ったGDPRに対応するためのイベント、ワークショップ、対話を通じて1万人以上の関係者と交流してきました。GoogleはGDPRコンプライアンスに関する議論に参加すべく、引き続き関係者に門戸を開いていきます」と述べていますが、広告枠を売りたいパブリッシャーと広告枠を買いたい広告主の両方が、GoogleがGDPR案が出されてから3年もの猶予があったのに施行目前まで対応を遅らせてきたのかについて疑問を抱いているとのこと。


EU域内でのGoogle広告プラットフォームの混乱状況は、数カ月は続かないものの、数週間続く見込みです。もっとも、GoogleがGDPR準拠のIABフレームワークに完全に適合するのは2018年8月とデータを完全に切り離すまでに2カ月もあるため、広告関係者の間で混乱が長引く可能性もゼロではないようです。

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