メモ

「時計」の登場によって人類の生産性は大きく向上した

by Old White Truck

私たちは「あと2時間で仕事が終わる」「明日は7時に起きなきゃ」といったように、日常的に「時間」の概念にのっとって行動しています。時間を計測する「時計」の登場によって人々は時間の存在を理解するようになりましたが、時計の登場は人類の生産性にも大きな影響を与えたそうです。

Time for Growth by Lars Boerner, Battista Severgnini :: SSRN
https://papers.ssrn.com/sol3/papers.cfm?abstract_id=2652782

Clocks & Economic Growth -- Lars Boerner & Battista Severgnini Study | National Review
https://www.nationalreview.com/corner/study-clocks-economic-growth-productivity-work-culture/

経済学者のラース・ボーナー氏とバティスタ・サヴァニーニ氏は、新しい技術の開発と経済の発展との間における関連性について研究しています。2人が「時計の登場とヨーロッパの長期的成長」について行った研究によれば、ヨーロッパでは日食や月食といった天文現象を観測していた地域において、13世紀ごろから「時計」が都市の時間を決めるものとして採用されていたとのこと。

日食や月食を含む天文現象は聖書との関わりが深かったため、ヨーロッパでは修道院を中心に天文学の研究が行われていました。ボーナー氏とサヴァニーニ氏は、修道院における天文学への関心の高まりが、アストラローベや水時計の発展と時を同じくして、機械式時計の開発へとつながっていったとしています。

14世紀にはイタリアのミラノやフランスのストラスブール、スウェーデンのルンドといった都市で機械式の時計が作られ、15世紀になると公共の場所に機械式の時計が設置されるようになっていきました。そして、公共の場所に時計を設置した都市では、大幅な人口の増加が確認されているとのこと。

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人口の増加は古い時代における産業や経済発展の指標として用いられているため、早期に公共時計を設置した都市では、経済が発展したといえます。ボーナー氏らは「公共の時計は都市において、人々のさまざまな活動を調整するために活用されたという証拠が残っています」と述べており、時計が公共の場所に設置されたことを契機に、人々は「時間」を意識するようになったとしています。

例えば時計の導入以前には日の出の時間が市場の開始時間であり、太陽が最も高くなる正午が終了時間でした。ところが、時計の導入によって市場が開かれる時間が季節に左右されることなく、一定の時間に決められたとのこと。また、市場の開設時間を複数に分割することで、「消費者が市場に来る時間」「小売業者が市場に来る時間」「卸売り業者が市場に来る時間」という風に、アクセスする階層を時間によって分けることも行われました。市場にアクセスする人々を分けることで、より効率的な市場の運営が可能になります。

同時に、時計の導入は労働者に対して「時間単価」という概念をもたらし、大学の授業時間を正確に計測するといった影響も与えました。公共における時計の導入は物事の調節を効率化する役割を果たし、人々が無駄な時間を消費することを防ぐことで生産性の向上につながったとのこと。

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一方で、時計の導入がスムーズに生産性の向上につながったというわけではない模様。「時間単価」の概念を労働者が持つことにより、フランスでは労働時間と時間当たりの成果量について、ギルドが紛争を起こすといった事態も発生しています。

ボーナー氏らは、時計が生産性の向上に役立つのは適切な労働文化が作られて以降だとしており、「ゆっくりと、徐々に生産性は向上していったのです」と語りました。

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