メモ

Googleはいかにして世界最大規模の企業となったのか?

by Robert Scoble

「Googleで検索する」という意味のスラングとして生まれた「ググる」という言葉は今や一般的に浸透していて、英語圏でも「google」が「google検索を行う」という意味の動詞として通用し、オックスフォード英語辞典にも登録されるほど。1997年に2人の大学院生が作り上げた検索エンジンから始まった世界最大級のテクノロジー企業がどのようにして大きくなったのか、そしてGoogleのビジネス戦略に対してどのような批判が集まっているのかをCBSが特集しています。

How did Google get so big? - 60 Minutes - CBS News
https://www.cbsnews.com/news/how-did-google-get-so-big/


スタンフォード大学の博士課程に在籍していたラリー・ペイジとセルゲイ・ブリンによって、研究用に開発された検索エンジンからスタートしたGoogleは、2000年にクリック課金広告サービスのGoogle AdWordsを開始し、急成長を見せます。2004年にNASDAQで株式公開をすると、Googleはウェブ解析ソフトを販売していたUrchin・世界最大の映像ストリーミングサイトのYouTube・携帯電話向けOSベンダーのAndroid・広告会社のダブルクリックなど多くの企業を買収し、自社サービスとして吸収していきました。

CBSの調査によると、2017年には世界のインターネット検索の90%がGoogleの検索エンジンによるものであり、検索エンジン第2位で「Google最大のライバル」であるMicrosoftのBingですらシェアはわずか2%だとのこと。Googleは世界標準レベルにまで浸透した検索エンジンを利用して自社のサービスや広告ビジネスをグローバルに展開しています。


ジェレミー・ストッペルマン氏は、自動車修理工場からおいしいレストランまで、さまざまな店の口コミを集めるウェブサービス「Yelp」の共同設立者です。ストッペルマン氏は「最初の頃、Googleはインターネットにあふれている情報を整理することに最善を尽くそうとしていました。最も有益な情報を持つサイトは検索ページの上部に表示されると信じて、私たちはGoogleを使ってきました。しかしそれはもはや事実ではありません」と語り、Googleが尽くす「最善」とは、消費者ではなくGoogle自身にとってのものだと論じています。


また、2018年になってYelpのようなサービスを新規にスタートさせても、Googleによって競合他社として認識された瞬間、検索結果から排除されてしまうだろう、とストッペルマン氏は予測しています。Googleはユーザーが最も注目する検索結果の最上部に自社コンテンツや広告を配置するように設計していて、スマートフォンのブラウザでGoogle検索を行った場合では、検索上部に広告・レビュー・Googleマップが表示されてしまい、ブラウザ画面のほとんどが検索結果ではない要素で埋め尽くされてしまうとストッペルマン氏は指摘し、検索上部に表示された広告やリンクへユーザーを誘導することによって、Googleがユーザーの好みや個人情報を収集していると主張しています。


南カリフォルニア大学のアネンバーグ・イノベーション研究所の名誉所長であるジョナサン・タプリン氏は「Googleは飛び抜けた技術力を持っていますが、その技術を広告ビジネスに生かしています」と語ります。タプリン氏によると、インターネット上の広告収入のうち、約60%がGoogleに独占されていて、他の企業はGoogleと競争したくても、Googleほど豊富なデータを持っていないためにとても太刀打ちできない状態にあるとのこと。「私が広告主で、テネシー州の24歳の女性がトラックを運転しながらバーボンを飲みたいと考えてるとしましょう。Googleを利用すれば、私はその女性にピンポイントでバーボンの広告を見せることができるのです」とタプリン氏はコメントしています。

YelpをはじめMicrosoft・Amazon・eBay・Expedia・Yahoo!は、2011年に調査を行った連邦取引委員会に対して、Googleの優位性と反競争的行為を訴えています。CBSが独自に入手した機密メモによると、連邦取引委員会の中には独占禁止法違反でGoogleを訴訟するべきだという声もあったといいます。しかし、最終的に訴訟勧告は拒否されたとのこと。CBSは「訴訟勧告が拒否されたのはGoogleがオバマ政権と密接な関係を持っていて、ロビー活動によって300以上の貿易協会・シンクタンク・政治団体に多額の資金を提供していたからだ」と主張しています。

弁護士のゲイリー・リバック氏は、1998年にMicrosoftがWindows98とInternet Explorerの抱き合わせ販売を行っているとして、司法省に働きかけて訴訟を起こしたことで知られる人物です。リバック氏は「私たちがインターネットにアクセスする時、検索エンジンはなくてはならないものです。Googleのやっていることは検索広告の独占です。ジョン・D・ロックフェラーが石油を独占していたのとほとんど変わりがありません」と語っています。


一方、欧州連合(EU)の公正取引委員会はGoogleへ積極的に働きかけていて、2017年夏には特定の競合他社が競争する機会を奪ったとして、Googleに対して27億ドル(約3000億円)の罰金を課しています。EUの公正取引委員会メンバーであるマーガレット・ヴェスタガー氏は、「Googleは、自社のサービスや広告を宣伝して競合他社を検索結果の外へ追いやるために、非公開の検索アルゴリズムを使って検索結果を表示しています」と、Googleの検索システムの不透明さを批判しています。

CBSがGoogleの役員にインタビューを要求したところ断られてしまったそうですが、改めてGoogleに質問状を送付したところ、Googleから「AmazonやFacebookを含む多くの競合他社が存在しており、Googleが検索広告業を独占しているとは考えていません。当社は競合他社に不利益を与えるようにアルゴリズムを変更してはいませんし、ユーザーに可能な限り最良の結果を示すのが当社の責任と考えています」という回答があったとのことです。

・関連記事
会社内のGoogleアカウントがまとめてBANされ大混乱に、原因は「冗談」 - GIGAZINE

GoogleがSafariのプライバシー設定を迂回してデータ収集した件で4780億円の損害賠償を請求される - GIGAZINE

Google I/O 2018で発表された100の内容まとめ - GIGAZINE

「Googleマップ1強」の状況で独自のセールスポイントを武器に拡大を図る新興オンラインマップサービスの存在 - GIGAZINE

Googleが「広告ブロックするユーザー」から料金を回収して運営者に還元するツール「Funding Choice」の正式提供を発表 - GIGAZINE

Googleはユーザーが広告を見てオフラインで商品を買ったことも追跡できる「Google Attribution」を提供開始へ - GIGAZINE

Googleが「忘れられる権利」の裁判で敗訴、今後の検索ビジネスを困難にする先例になる可能性 - GIGAZINE

in ネットサービス,   メモ, Posted by log1i_yk