サイエンス

定期的なエクササイズの頻度によって動脈硬化と心臓発作のリスクに違いが現れることが研究で確認される

By United States Forces Iraq

「歳をとっても健康な体でいるためは、日々の適度な運動が大切である」という定説を、さらに裏付けるような調査結果が発表されました。定期的な運動量と動脈の健康度の関連を調査した研究からは、人体の動脈が柔軟性を失う「動脈硬化」を防止するためには、一定量の運動を継続的に行うことが効果的だと判明しています。

The effect of lifelong exercise frequency on arterial stiffness - Shibata - - The Journal of Physiology - Wiley Online Library
https://physoc.onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1113/JP275301

Exercise to stay young: 4-5 days a week to slow down your heart’s ageing | Physiological Society
http://www.physoc.org/press-release/2018/exercise-stay-young-4-5-days-week-slow-down-your-heart%E2%80%99s-ageing

The right exercise to slow down heart disease, according to a new study — Quartz
https://qz.com/1284072/the-right-exercise-to-slow-down-heart-disease-according-to-a-new-study/

体じゅうに必要な栄養を届け、老廃物を排出するために血液を循環させる血管は、生命の維持にとって欠かすことができない器官です。しかし人は血管とともに老いるともいわれるように、加齢によって血管が一定の影響を受けてその働きが悪くなることは個人差はあっても避けることができません。血管の内部に不要物がたまり、血流が悪くなるとその部分に悪い影響が及び、最悪の場合には組織が壊死(えし)して本来の機能を果たせなくなってしまいます。その最たる例が、心臓を取り巻く冠動脈の閉塞(へいそく)や狭窄(きょうさく)により心筋への血流が阻害され、心臓に障害がおよぶ虚血性心疾患、かつては心臓発作とも呼ばれた症状が起こります。

By 国立循環器病研究センター

この血管の老化による影響を最小限に食い止めることで、特に年齢を重ねた時点での心疾患の発生リスクを下げることができます。そのためには健康的な食事をとり、喫煙を避け、適度な運動を行うことが良いとされているのですが、新たに発表された研究結果からは個々人に応じた適切な運動によって、血管の健康状態がより長く良い状態に保たれることが明らかにされています。

研究チームは、60歳以上でこれまでに運動を行ってきたという102人を対象に調査を実施しました。まず各人の動脈の状態が測定され、次に被験者を週あたり運動を行ってきた日数に応じて「2日以下」「2日から3日」「4日から5日」「6日から7日」の4つのグループに分類しました。このうち、特に「週に2日から3日」のグループは「casual exercisers(気軽な運動を実施した人々)」とされています。

By Keith Allison

すると調査の結果、「生涯にわたって『気軽な運動』を行うことが、頭や首に酸素を含んだ血液を送る中間的な太さの血管の若さに結果として表れた」ことが明らかになりました。そしてさらに、「一方で、週に4回から5回運動をした人においては、中間的な太さの血管の健康さに加え、胸部や腹部に血液を供給する太い血管もまた若い血管状態になっている」ことも明らかにされています。これはつまり、人体に存在するさまざまな太さを持つ血管には、その健康を保つために適正な運動量というものがあること、そして運動量が多いほど、より太い血管にまで良い健康の影響が及んでいる、という傾向が示されているというわけです。

研究者の一人は、「この研究は、心臓を若々しく保ち、古い心臓や血管を以前の状態に戻すための運動プログラムを開発することにつながる、非常に刺激的なものです」と述べています。研究チームは次のステップとして、心血管系の損傷および老化を元の状態に巻き戻すことが可能か否かを調査すると述べています。

By Mike Fernwood

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in サイエンス, Posted by logx_tm