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仕切りのない「オープンオフィス」がもたらす不快感を軽減するにはどうすればいいのか?

by Jesús Corrius

オフィス内を仕切る壁を取り払い、自分の席からオフィス全体が一望できる作りの「オープンオフィス」は、従業員に開放的な印象を与える近代的なオフィスのスタイルとして注目されてきました。一方で、「オープンオフィスは気が散る」「生産性が低下する」といった不満を訴える従業員も存在し、近年では「どうやってオープンオフィスの不快感を軽減するのか?」という研究が行われるほどになっています。

Can 'local acoustic treatment' reduce speech distraction within open-plan offices?
https://phys.org/news/2018-05-local-acoustic-treatment-speech-distraction.html

How to Make Your Open Office Less Annoying - The Atlantic
https://www.theatlantic.com/technology/archive/2018/05/how-to-muffle-open-office-noise/559979/

オープンオフィスの労働環境では、自分のPC画面が後ろを横切る誰かにのぞかれたり、他の人のしゃべり声や足音が気になったり、自分は忙しくしているのにのんきにサボッている同僚にイライラしたりすることもあります。仕事上の問題で気軽に同僚と相談できるという利点はあるものの、一人で集中したい時にはオープンオフィスがうっとうしく感じることも少なくありません。

2017年の段階ではアメリカの企業のうち、実に70%がオープンオフィスを採用しているそうです。ところがオープンオフィスでは生産性が落ちるという事例が多数明らかになってきており、生産性の低下が労働時間の増加につながれば、健康にも問題を生じかねないとのこと。

多くの弊害が報告されているオープンオフィスですが、オープンオフィスを解消しようとすればオフィスそのものを移転するか、大規模な工事を行う必要があります。そのため、「オープンオフィスにおける不快感を軽減するにはどうすればいいのか?」という視点から、さまざまなライフハック系の記事が作られたり研究が行われたりしています。

by 泰德

シドニー大学の研究チームは「座っている人を覆う卵形の椅子」を開発し、オープンオフィスにおける騒音の問題を軽減できると、アメリカのミシシッピ州で行われた第175回アメリカ音響学会の会議において、発表しました。

頭部を覆う形で屋根を作った椅子に座った状態で話せば、顔の周囲にある壁に自分の声が反響し、自分の声が通常よりも大きく聞こえます。人間には「自分の声が大きく聞こえると、もう少し小さな声で話そうとする」という習性があるため、卵形の椅子に座っていれば自然と話し声を抑えるようになるとのこと。

また、卵形の椅子は顔の正面以外をすっぽりと覆う形になるため、通常の椅子に比べて10dB(デシベル)ほども周囲の騒音を防ぐ効果もあったそうです。研究チームは今回開発した椅子が最高のものでは決してなく、家具製造メーカーが今回の研究結果を利用し、よりオープンオフィスを快適にする椅子を開発できるだろうとしています。


しかし、そもそもオープンオフィスでさえなければこのような防御策を取る必要はなく、「悲惨なオープンオフィスの現状を少しマシにする」といった研究は非常に無益なものともいえます。開放的で自由な雰囲気のオープンオフィスはデザイン的に見れば優れているかもしれませんが、従業員の効率を上げたいのであれば一度見直してみるのも良いのかもしれません。

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