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ゲーム公式で使用されるスクリーンショットはどうやって撮影されるのか?


ゲームの公式サイトやパッケージ、さらには公式SNSなどで使用されているスクリーンショットは、実際にユーザーがプレイしても同じクオリティのものを撮影できるとはとても思えないほどハイクオリティなものになっています。そんな公式が使用するゲームのスクリーンショットを撮影してきたアーティストが、公式用にゲーム・スクリーンショットを撮影することの難しさなどについて語っています。

How An Official Video Game Screenshot Is Made
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Berduu(別名、PetriLevälahti)さんは、プロのスクリーンショットアーティストとしていくつものハイクオリティなスクリーンショットを撮影してきた人物です。Berduuさんは、スクリーンショットアーティストのDuncan Harrisさんの作品にインスパイアされ、2014年からスクリーンショットアーティストとして活動しています。スクリーンショットアーティストになった当時のBerduuさんはフィンランドに住んでおり、フリーのグラフィックデザイナーやライターとして活動していたそうです。Berduuさんは初めてHarrisさんの作品を見た瞬間について、「本当に自分の目を見開いたよ。私はこんなサブカルチャーが存在することを知らなかったんだ。すぐに夢中になったよ」と語っています。

近年ではゲームにあらかじめ写真モードが搭載されており自由にスクリーンショットを撮影することができますが、BerduuさんやHarrisさんがスクリーンショットアーティストを始めた当時は、そういった機能が搭載されていませんでした。そのため、当時はゲームエンジンをハッキングして魅力的なスクリーンショットを撮影するためのツールが開発されていました。Berduuさんも、初めはMatti Hietanenさんが公開したFrostbiteのカメラハッキングを用いたツールなどを使っていたそうです。バトルフィールドなどでゲーム内のスクリーンショットを撮影し始めた当時について、「私は友人とプライベートサーバーでカッコいいスクリーンショットを撮影するために昼夜を過ごしました。太陽を動かしたり、霧を調節したり、光源を設定したり、プレイヤーの骨格を動かしてさまざまなポーズを決めたり、さまざまな効果を引き起こすのは本当に楽しかった。撮影したスクリーンショットはすべてがゲームの内容を表現するものではありませんでしたが、創造的なプロセスや細部の調整を楽しんでいました」と、Berduuさんは思い返しています。

活動開始からまもなくBerduuさんのスクリーンショットはSNS上などで話題になるようになり、ゲームメディアで取り上げられたほか、大手ゲームパブリッシャーのEAの目にとまることとなります。最終的に、Berduuさんの活動はEA内でバトルフィールドの開発を担当するスタジオDICEも知るところとなり、Berduuさんは「バトルフィールドの公式が宣伝用に使用するスクリーンショットを撮影する」というフリーの仕事を公式から請け負うこととなります。これについてBerduuさんは、「私は本当にお金のことは気にしていませんでした。公式のスクリーンショットを撮影できることはクールだったよ!」と語っています。


BerduuさんがDICEから請け負うこととなった仕事としては、「バトルフィールド4」「バトルフィールド ハードライン」「バトルフィールド1」のアルファ/ベータ版の公式スクリーンショットの撮影などが含まれています。その後、Berduuさんは2016年末にDICEのストックホルム事務所でメディア編集者としての職を得ることとなります。

ストックホルムの事務所にあるBerduuさんのデスク上には2つのモニターがあり、どちらもゲームのスクリーンショットの撮影および作成に使用されます。片方のモニターではゲームの最新ビルドを実行し、もう片方では「FrostEd」と呼ばれるFrostbiteエンジンエディターを表示しているそうです。2つのモニターに表示されている映像はリンクしており、FrostEdでカメラの位置を移動させると、もう片方のモニターに表示されているゲーム画面にリアルタイムで変更が反映されるとのこと。

「ほとんどの場合、未完成のレベルやキャラクターでスクリーンショットの撮影に取り組んでいます」とBerduuさんが語るように、未完成のゲーム画面上で完成形をイメージしながら撮影し、時にはアートディレクターなどに相談することもあるそうです。Berduuさんが「通常、私の仕事はほんの一握りのアイデアで終わります。そのアイデアをアートディレクターや他の重要な役職の人々が磨き上げていくわけです」と語るように、DICE内のでスクリーンショットアーティストとしての仕事は、開発陣との協業で行われていたことがわかります。


もちろんBerduuさんの構想したスクリーンショットのイメージがドンピシャではまることもあるそうですが、大抵はコンセプトアーティストのひとりからのフィードバックや修正が反映されることになるそうです。時にはモーションブラーが必要な場合もあり、レンズフレアの量を増やしたり、さまざまな調整を施して異なるサイズやフォーマットでも画像を識別しやすくなるように手が加えられます。

また、ほとんどの場合ピクセル数は画像の品質とほとんど関係がないそうで、構図、光と影など、どのようなカメラ設定にするとどんなスクリーンショットが撮影できるかとしっかり把握していれば、フルHD(1080p)の画像で十分というケースがほとんどのようです。

DICEが公式に使用しているスクリーンショット撮影用のツールは、それまでにBerduuさんが使用していたツールと大きくかけ離れていないという点も明らかになっており、「地形や小道具をコントロールし、シーンを保存するための機能を持つほか、Hattiwattiのカメラモードとほとんど同じオプションが用意されています」と語っています。

完成したスクリーンショットが承認されると、公式のプレスリリースやウェブサイトに掲載されるだけでなく、ゲーム内のアートギャラリーやメニュー画面に使用される可能性もあります。


自分の興味を仕事にまで昇華した希有な事例に聞こえますが、Berduuさんは「バトルフィールドのコミュニティだけでも、公式向けにフリーで仕事を受けてスクリーンショットやムービーを作ったという人を4、5人知っています」と語っており、DICEのメディアチームが積極的にファンによるアート作品を取り入れていることがよくわかります。

ファンアートとしてバトルフィールド4の予告編ムービーを作成したHoodoo_Operatorさんが、GTAシリーズのロックスター・ゲームスに就職していたり、同じくバトルフィールド4の予告編ムービーを作成したTheFloppyRagdollさんは、DICEで職を得ています。

なお、BerduuさんはDICEでの仕事以外でもゲームのスクリーンショットを撮影しており、作品の数々は以下のページから見ることができます。

Berduu | Flickr
https://www.flickr.com/photos/berduu/

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in ゲーム,   アート, Posted by logu_ii