北朝鮮と韓国の違いを9つのグラフで見るとこうなる

By Dickson Phua

2018年4月27日に実施された北朝鮮と韓国の指導者による南北首脳会議では、北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)委員長と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領が互いに国境を越えて相手国に足を踏み入れるという、南北の歴史上で画期的な出来事がありました。その後も北朝鮮は「核実験の必要がなくなった」として実験場の廃棄を宣言し、2018年5月中にもアメリカのトランプ大統領との米朝会談が実施される見込みなど、事態は急転直下で動く様相を示しています。今後は北朝鮮国内の状況も大きく変化する可能性もある中、イギリスのBBCがまとめていた北朝鮮と韓国の9つの違いは覚えておくべき興味深い内容といえます。

Nine charts which tell you all you need to know about North Korea - BBC News
http://www.bbc.com/news/world-asia-41228181

◆1.世襲制vs民主主義
1948年に朝鮮半島が南北分断して以来、北朝鮮と韓国では国を率いたリーダーの数が大きく違っています。北朝鮮は金日成(キム・イルソン)委員長から金正日(キム・ジョンイル)委員長、そして金正恩委員長という世襲制で3人の最高権力者が存在したのみ。一方の韓国では、李承晩(り・しょうばん:イ・スンマン)初代大統領から文在寅大統領まで12人の大統領が19の政権を率いてきました。


◆2.北朝鮮での携帯電話普及率は7.5人に1人
2015年のデータにはなりますが、北朝鮮で使われている携帯電話の契約台数は320万台。当時の北朝鮮の人口は約2400万人だったため、7.5人に1人だけが携帯電話を保有している計算になります。一方、韓国での契約台数は5100万台となっており、契約数だけで北朝鮮の人口の2倍以上となっています。


北朝鮮における利用者の大部分は、首都の平壌(ピョンヤン)に集中しています。また、北朝鮮の携帯電話キャリアは、エジプトの通信会社である旧オラスコム・テレコムと朝鮮逓信公社(KPTC)が出資するチェオテクノロジー合弁会社により展開されるKoryolink(コリョリンク:高麗リンク)による1社独占体制となっていましたが、2015年7月には第2の移動通信事業者が参入したと報じられています。

◆3.南北で平均身長に違いがある
ソウルのソンギュングァン大学校のダニエル・シュウェケンディーク教授によると、南北国境を越えて韓国に逃れてきた脱北者の平均身長は、韓国国民の174.5cmに比べて3~8cm程度低いとのこと。その理由についてシュウェケンディーク氏は、南北の国民は数十年前まで同じ国に暮らしていた民族であるため、遺伝的要因を否定。平均身長の差は、食糧事情により北朝鮮では食べ物が不足していることが主な原因であると考えられています。


◆4.北朝鮮では道路の大部分が未舗装
2006年のデータによると、北朝鮮国内に張り巡らされた2万5554kmの道路網のうち、舗装されているのはわずか3%にとどまっており、残りの97%は未舗装となっているとのこと。一方の韓国では、道路の92%が舗装されています。また、北朝鮮では人口1000人当たりの自動車保有台数は11台となっており、国民の大部分はバスなどの公共交通機関を利用しているという実態があります。


◆5.北朝鮮の主要輸出製品は石炭
北朝鮮が外貨を稼ぐ主な輸出物は石炭からつくられる練炭で、9億5200億ドル(約1000億円)を稼ぎ出しているとみられています。一方の韓国の主要輸出製品はスマートフォンなどの「電子基板」で、その規模は638億ドル(約7兆4500億円)。


◆6.南北で経済力に差が現れだしたのは1975年頃
北朝鮮と韓国のGDPは1974年までほぼ同じレベルを保ってきましたが、1975年ごろを境に韓国が大きく伸びを見せるようになりました。その主な牽引役はSamsungやヒュンダイ自動車といった財閥系の企業。一方の北朝鮮は長らく横ばいとなっていましたが、国際的な経済制裁や飢饉(ききん)などの要因で1990年代半ばに経済が大きく落ち込んでいます。


◆7.軍備は北朝鮮が韓国を圧倒
北朝鮮の兵力は約119万と、63万の韓国の約2倍。北朝鮮の人口は世界で52番目であるにもかかわらず、兵力は世界4位の規模を持つとみられています。戦車や潜水艦、大砲の数などは韓国を大きくしのいでいますが、航空機の数だけは韓国を下回っています。これは他国から新しい兵器を導入できないためであり、北朝鮮では古いソ連製の戦闘機が今でも使われているとみられています。


◆8.平均寿命は北朝鮮の方が短い
南北の平均寿命をグラフにするとこんな感じ。韓国(緑)のグラフは一直線に上昇を続けて2015年時点ではおよそ83歳となっているのに対し、北朝鮮(赤)のグラフは1990年頃に大きく落ち込み、2015年時点ではおよそ70歳となっています。


◆9.しかし北朝鮮の出生率は韓国を上回る
平均寿命では韓国に大きく水をあけられている北朝鮮ですが、人口1000人当たりの出生率が約15人となっており、韓国の約8人のおよそ2倍となっています。韓国では出生率の低下が問題視され、政府による補助金などの政策が実施されていますが増加には転じていません。

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