セキュリティ

EUが施行する新たなデータ保護規則「GDPR」を受けて閉鎖するサイトが現れてしまう

by D. Sinclair Terrasidius

個人情報の保護規制に関して世界最先端を行くEU域内では、2018年5月25日より「General Data Protection Regulation(GDPR)」という新たなデータ保護規則が施行されます。ウェブサイトで取得したEU域内のユーザーデータの持ち出し禁止、収集した個人情報の活用が厳しく限定されるなど、GDPRのあまりに厳格な規制は「世界を支配する」「EUのAI産業にも不利益を与える」といった批判的な意見も噴出しつつあります。そんなGDPRによる規制を前に、「GDPRに抵触しないという確証がない」として閉鎖するウェブサイトが現れ出しているそうです。

Streetlend
https://www.streetlend.com/

GDPRのあおりを受けて閉鎖したと話題を集めているのが、「StreetLend」というサイト。公式のTwitterアカウントには、「悲しいことに、StreetLendは終わりです」とツイートされています。


StreetLendは2013年から、近隣住民の間で物を貸し借りするためのウェブサービスとして、ロンドンを中心にChris Beach氏のサイドプロジェクトとして運営されてきました。StreetLendによる収益はほとんどなかったそうですが、Beach氏には本業による収入があったため、運営を継続できていたとのこと。


StreetLandを利用するにあたっては無料でのユーザー登録が必要。貸し手は、倉庫に眠っている物やしばらく使う予定のない物を、無料を含めて好きな価格で貸し出すことができ、その貸出可能物品の情報が地図上に表示されるようになっていました。


物を借りたいときは、自分の借りたい物を検索。


借りたい期間・希望する待ち合わせ場所などをフォームから選択して貸し手に送信すれば、あとはお互いでやり取りを進めることになります。


しかし、残念ながら2018年4月、EUのGDPR発効が近づいたことを理由に、Beach氏はサービスを終了しました。Beach氏は「GDPRに違反する要件そのものが曖昧であり、報告され次第罰金を科せられてしまうかもしれないのです。非常に残念なことですが、私はStreetLendを運営し続けるという『リスク』を取ることができません」と語りました。

GDPR違反の罰金はウェブサイトの収益の4%、もしくは2000万ユーロ(約26億円)にも上るとのことで、Beach氏は「小規模なウェブサイトがGDPRの弊害を被る一方で、FacebookやTwitterなどの大規模なウェブサイトは自身の弁護団と対策を取ることが可能で、これではスタートアップ企業との格差は開く一方です。GDPRはEU域内の事業に悪影響を与える、不適切な法律だと考えています」と、GDPRへの抗議の姿勢を示しています。

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