セキュリティ

中国当局が中国版LINE「WeChat」のメッセージを監視できることを認める、開発元は否定

By Sinchen.Lin

中国当局はインスタントメッセンジャーアプリ「WeChat(微信)」を使ったメッセージの会話履歴を調査して、党の決定に疑問を呈した63人の党員を処罰したと発表しました。当局が調査したメッセージは、既にスマートフォンから削除されたものも含まれているとのことで、中国当局はWeChatの会話データを監視している可能性が指摘されています。しかし、アプリの開発元であるテンセントは「メッセージを読み取れるわけがない」として、中国当局の発表を否定しています。

Growing privacy fears in China after cadres punished over ‘deleted’ WeChat messages | South China Morning Post
http://www.scmp.com/news/china/policies-politics/article/2143920/growing-privacy-fears-china-after-cadres-punished-over

Chinese authorities admit they’re able to retrieve deleted WeChat messages - The Verge
https://www.theverge.com/2018/4/30/17302720/wechat-deleted-messages-china-government-surveillance

これは、中国・安徽省合肥市の東部にある巣湖市の規律監視・管理委員会が「削除されたWeChatの会話履歴を調査して、党の決定に疑問を呈した63人の党員を特定し処罰した」と2018年4月28日(土)にソーシャルメディアに投稿したことで明らかになったものです。


投稿は即座に大きな波紋を広げ、翌4月29日(日)、WeChatの開発元であるテンセントは「WeChatはメッセージの履歴を保存しておらず、ユーザーが使用した端末に保存されているもの以外存在しない」と当局の発表内容を否定する声明を発表しました。テンセントによれば、説明の通り、テンセントのサーバー上にユーザーがやり取りした会話履歴は存在せず、当局がテンセントのサーバーを調査した事実もないとのこと。

また、テンセントのCEOである馬化騰氏も「もし監視するのであれば、毎日WeChatで行われる通信データを全て取得して解析する必要がある」と2018年1月のフォーラムで述べており、事実上不可能であることを示唆しています。

By Linux Screenshots

投稿は翌日には削除されており、テンセントによる否定の声明も出たものの、中国のユーザーを大きく動揺させることになりました。中国版Twitterといえる存在のWeiboでは、多くのユーザーが「自分のプライバシーを守るためにはどうしたらいいか?」といった内容を投稿。中には「スマートフォンを物理的に破壊することが、政府の監視から逃れられる唯一の方法かもしれない」と投稿をする人もいたとのことです。

この記事のタイトルとURLをコピーする

・関連記事
顔認識機能を使って逃亡者を6万人参加のコンサート会場から中国警察が見つける - GIGAZINE

AppleはiPhoneを売るために中国ユーザーのiCloud全データを中国政府に差し出す - GIGAZINE

VPN規制で中国から頭脳流出の恐れ、ロシアもVPN禁止へ - GIGAZINE

中国政府がiCloudにサイバー攻撃をしかけiPhoneユーザーを監視していると報じられる - GIGAZINE

「インターネットでウワサを広めた」容疑で強制拘留、激化する中国の検閲 - GIGAZINE

in ソフトウェア,   セキュリティ, Posted by darkhorse_log

You can read the machine translated English article here.