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Amazonの音声認識アシスタント「Alexa」が子どもに丁寧な言葉遣いを教えられるように


Amazonが販売するスマートスピーカー「Amazon Echo」に搭載されている音声認識アシスタントが「Alexa」です。Alexaは「音楽を再生して」や「歌をうたって」といった具合に、人間がお願いするように話しかけるかたちで使用する音声認識アシスタントなのですが、子どものユーザーが礼儀正しく成長できるように、「お願い」や「ありがとう」といった言葉をかけられるとAlexaからほめ言葉が返ってくる機能が新たに追加されます。

Amazon Alexa to reward kids who say: 'Please' - BBC News
http://www.bbc.com/news/technology-43897516


2018年1月に調査会社のChildWiseが発表した調査結果から、AlexaやGoogleアシスタントのようなデジタル上の仮想人格を介してのやり取り慣れた若者は、実際の人間とのやり取りを行う際に攻撃的な応対をしてしまう傾向にあることがわかりました。調査に携わったシモン・レゲット氏は、「この調査結果は前向きな進展といえます。Alexaなどが搭載されたデバイスと話す子どもたちの中に、『してください』だとか『ありがとう』という丁寧な言葉を使うものはほとんどいないことを、我々は発見することができました。若い子どもたちはインタラクティブな音声認識アシスタントとのやり取りを楽しみますが、大きくなるにつれ、ロボットであることに気付くようになり使用頻度は低下していきます」と、幼少期に音声認識アシスタントなどに慣れ親しむことで子どもたちの話し言葉から丁寧さや礼儀が欠けていく可能性を示唆しています。

そんな中、AmazonがAlexaの新しい機能として「~~してください」や「ありがとう」といった、丁寧な言葉遣いや感謝の言葉をほめる機能を搭載することが明らかになっています。


この新機能は「マジックワード」と名付けられています。例えば子どもたちが「明日の天気を教えて?お願い」という風に丁寧な言葉でAlexaに話しかけると、Alexa側が「よくぞ聞いてくれました、ありがとう」といった具合に、子どもの言葉遣いをほめる返答を行います。さらに、ユーザーからの音声コマンドに応答したAlexaに対して子どもが「ありがとう」などと言うと、Alexaから「心配ありません」や「どういたしまして」といった言葉が返ってくるので、よりリアルなコミュニケーションの練習の場になります。

2017年、玩具メーカーのMattelは子ども向けのスマートスピーカー「Mattel's nabi」をリリースしました。このスマートスピーカーは語尾に「してください」という言葉をつけなければタスクを実行しないという変わったものだったのですが、Amazonはこのアプローチをより柔軟にAlexaに取り入れることにしたものと思われます。

AmazonのスポークスマンはBBCに対して、「我々はマジックワードの開発に際して、第三者の子ども関連の専門家と話合いました。専門家たちは、子どもを指導するなら懲罰的なものではなく、肯定的な強化こそが最善の方法であると語りました。専門家たちは『お願いと言わない限り実行できません』と言うようなものでは、子どもにとっては役立たず同然であることを理解したわけです」と語っています。なお、Amazonのスポークスマンはマジックワードが子どもを持つ親たちに歓迎されれば機能をさらに拡張する可能性もあるとしています。


なお、Amazonが子どもを持つ家庭向けに提供する機能には無料で利用できるものと月額2.99ドル(約330円)で利用できるものがあります。無料で利用できる機能は「就寝時間にコマンドを受け付けないよう設定する機能」「音声での購入やニュース速報の読み上げなど、一部のサービスをオフにする機能」「特定の歌詞の歌をブロックする機能」の3つ。有料で利用可能な機能は、「よく知られたマンガのキャラクターによる目覚まし機能」「数百種類以上の子ども向けのオーディオブック」「ディズニーやナショナルジオグラフィックなどによる、Alexaスキルの独占使用」の3つです。

その他、Alexaは子どもが大人よりも高い声を出すことを理解していたり、「L」をうまく発音できない子ども向けに「Awexa」でも応答したりできるように、細かな調整が加えられているとのことです。

なお、丁寧な言葉遣いをほめてくれるという新しい機能については、記事作成次点ではアメリカでの提供のみで、2018年5月9日のソフトウェアアップデート以降利用可能になる予定です。

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in ソフトウェア, Posted by logu_ii