「ガーリックトースト、宇宙の端へ。」地上に戻ってきたガーリックトーストを実際に食べてみるムービーが公開中

宇宙に行くと体に影響が生じると言われていますが、では食べ物の場合はどうだろうか？ということで、ホームメイドのガーリックトーストを宇宙の端に送り出し、地上に落ちたものを試食するというムービーが公開中です。「宇宙に送り出す」まではわかるものの、「戻ってきたものを回収して食べる」という点には数々の課題がありそうですが、ムービーではそれら課題をいかにクリアしていったかが描かれています。

We Sent Garlic Bread to the Edge of Space, Then Ate It - YouTube


「これは普通のムービーではないよ」と話す男性の前には半分にカットされたフランスパン。

「ガーリックトーストが宇宙の端へ！」ということでムービー開始5秒でガーリックトーストが空へと解き放たれていきました。

ガーリックトーストの打ち上げを行ったトム・スコットさんによると、これまでにも風船を使って数多くのものが打ち上げられていますが、実際には宇宙には到達していないとのこと。多くの専門家が宇宙は海抜高度100kmのカーマン・ラインから始まると考えていますが、風船で到達できるのはその3分の1程度までです。打ち上げられたフランスパンもカーマン・ラインのだいたい3分の1までに到達することから、ムービーでは正確をきすため「Edge of Space(宇宙の端っこ)」という言葉が使われています。

打ち上げから7分43秒で高度1.9kmに到達。気温は12.3度です。

Random Aerospaceのスティーブ・ランデルさんによると、今回は気象観測などに使われる大きなゴム気球を利用したとのこと。大きめの風船を使うことでできるだけ高くに飛ばそうという考えです。

開始から47分ほどで高度13.2km地点に到達。気温はマイナス25.7度。風船でオブジェクトを飛ばすときに魚眼レンズのカメラを用いると地平線が丸く見えるため「宇宙っぽい」映像が撮れるそうですが、今回はノーマルレンズを使用しているため、より正確な見え方となっているとのこと。

画像に写っているバリー・ルイスさんはガーリックトーストの作り手。ホームメイドバターとパルメザンチーズを使い、朝5時に作ったばかりのものだそうです。手に持っているのは宇宙の端に送ったガーリックトーストの残り半分で、味の比較が行えるようになっています。

開始から1時間52分で高度35.8kmへ。気温はさっきよりも少し上がって4.5度。いったん凍ったであろうガーリックトーストは、冷蔵庫で保管されているぐらいの温度になっているはず……。

……と、少し異変が。風船の影から、風船が大きく揺れている様子が見て取れます。

地球がガーリックトーストの横側に位置するようになり……

割れた風船の破片がカメラに写り込みます。

パラシュートが開きました。

落下していくガーリックトースト。

スコットさんによると、これまで食べ物が風船で打ち上げられることがあっても、地上に戻ってきたものが食べられることはあまりなかったとのこと。

食べ物は地上のどこに、どのような状態で着地するかわからず、打ち上げた人が見つけるまでに動物が食べている可能性もあるためです。

そこで、ガーリックトーストを載せた装置は……

高度1000mほどになると、自動的にかぱっとフタが閉じ、ガーリックトーストが発泡スチロールの箱に保護されるようになっています。

装置に搭載されたGPS情報を元に、地上の打ち上げチームは移動。

だんだん箱が地上に近づいてきました。

ドン、と着地。

畑のぬかるみから、箱を回収。確かにこれは箱に守られていないと、パンが食べられない状態になっていそうです。

箱の中のガーリックトーストは無事でした。

もぐもぐ……。

「半分凍ってる！」「さっきまで凍ってたのがわかる」「成層圏に行ったガーリックトーストを食べてる！」ということで、宇宙の端っこを経由した貴重なガーリックトーストを食べるという体験ができたのでした。