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飲酒と月経前症候群(PMS)のリスク増加の間に関連性があることが示される

by Thirteen .J

月経が始まる2週間~1週間前から月経開始までの間に生ずる過度の食欲、胸の張り、うつ症状やいらいらといった月経前症候群(PMS)とアルコール摂取の間には関連性があるのでは?ということは、かねてからいわれてきました。そこで研究者らが調査を行ったところ、飲酒によりPMSのリスクが45%増加することや、過度の飲酒によりPMSのリスクが79%増加するなど、関連性が認められたと報告しています。

Premenstrual syndrome and alcohol consumption: a systematic review and meta-analysis | BMJ Open
http://bmjopen.bmj.com/content/8/3/e019490

Does Drinking Alcohol Raise the Risk of PMS?
https://www.livescience.com/62391-alcohol-pms.html

月経前症候群は、月経開始の2週間~1週間ほど前から起こり、月経開始とともに終了する精神的・身体的症状のこと。アメリカ国立衛生研究所(NIH)によると気分の変動・胸の張り・食べ物への渇望・疲労・いらいら・うつといった症状が含まれるとのことで、アメリカでは20%~40%の女性がある程度のPMSの症状を経験し、3~8%は深刻なPMSに悩まされているといわれています。

Premenstrual Syndrome | PMS | PMS Symptoms | MedlinePlus
https://medlineplus.gov/premenstrualsyndrome.html

PMSとアルコールの関係はこれまでの研究では不明確だったため、スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラ大学に所属する研究者らはメタアナリシスを実施。過去に行われた19の研究、合計4万7000人にも及ぶ被験者のデータについて分析が行われました。その結果、アルコールの摂取はPMSのリスクを45%上げることに関係しており、過度のアルコール摂取はPMSのリスクを79%上げることに関係していると示されました。「アルコールの摂取はPMSのリスクを上げるかもしれない」と研究者らは述べています。

by Oscar Keys

ただし、マサチューセッツ大学アマースト校のElizabeth Bertone-Johnson教授は上記の関連性について因果関係が逆である可能性を指摘しています。メタアナリシスした研究の多くはPMSを経験したことのある女性にアルコール摂取について尋ねるという形で行われており、PMSの症状を和らげるために女性が飲酒を行っていたことが考えられるためです。「この研究をもとにしてアルコールがPMSを悪化させる、と結論づけるのは時期尚早である」とBertone-Johnson教授は述べました。

飲酒とPMSの関係についてより深く知るためには、女性被験者を10代の頃から追跡調査し、PMSの症状と飲酒癖を調べる必要があるとのことです。

by Jens Theeß

一方で、科学的にはまだ不明瞭な部分が残されてはいるものの、PMSに悩む女性がアルコールの摂取をやめて身体の変化を見ることについては「合理的である」とBertone-Johnson教授は語っています。

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in サイエンス, Posted by logq_fa