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高さ900メートルのエル・キャピタンを世界最速で登る行程を約7分に収めたムービー「Two Nineteen Forty Four」


エル・キャピタンはアメリカのヨセミテ国立公園にある一枚岩の花こう岩で、世界でも有数のロッククライミングの名所です。その中でも登山ルート「ノーズ」は最も有名なクライミングルートの一つとして知られており、2008年には日本のプロクライマーである平山ユージ氏とハンス・フローリン氏が2時間37分5秒の世界記録で登頂。さらに、2012年にアレックス・オノルド氏とハンス・フローリン氏が、この記録を13分以上更新した2時間23分46秒で登りきり、以降の記録更新は不可能と考えられてきました。しかし、2017年10月21日にブラッド・ゴブライト氏とジム・レイノルズ氏が、2時間19分44秒で登頂し、世界記録を更新しています。実際どのようにしてエル・キャピタンのノーズを登ることができたのか、この日のゴブライト氏とレイノルズ氏の全行程を収めたムービーが公開されています。

Two Nineteen Forty Four on Vimeo


エル・キャピタンの中央に位置する「ノーズ」は、谷床から約3000フィート(約910m)の高さがあります。ノーズ登頂に初成功したのはクライマーのウォーレン・ハーディング氏で、1957年7月から1958年11月にかけて行われた4回の挑戦の後についに登頂に成功。初トライから登頂成功までには、のべ45日が費やされました。その後、1960年代に行われた2度目のトライでは7日間での登頂に成功し、1日で登頂できるようになったのは、15年後の1975年でした。


2018年現在においても、1日で登頂できるクライマーは少なく、ノーズを登りきるには通常3日~4日かかります。


そんな中、2012年にアレックス・オノルド氏とハンス・フローリン氏が、2時間23分46秒という驚異的なタイムでノーズの登頂に成功しました。


この記録は二度と破られることはないと考えられていましたが……


2017年にブラッド・ゴブライト氏とジム・レイノルズ氏が、2時間19分44秒という想像を絶する記録で登頂に成功しています。


2017年10月21日の早朝


ゴブライト氏(赤)とレイノルズ氏(青)が、、エル・キャピタンのノーズを登っています。登り始めて、約8分で「ピッチ3」に到達しています。


3分後には「ピッチ4」に到達。ピッチ1~ピッチ3まで80mほどの高さがあるため、この2人は1分あたり約7~8m登っている計算になります。


登り始めて12分でゴブライト氏が「シックルレッジ」に到達しました。途中で休んでいる人に目もくれず黙々と登っていきます。


その4分後には「ドルトホール」に到着し、ゴブライト氏が岩にロープを取り付けます。


そして、少し下った後……


右側の岩壁に移動しました。ロープを振り子のようにして移動しているようです。


その後、ゴブライト氏が少し登った後、岩壁につかまりました。直後にドルトホールに到達したレイノルズ氏は……


直接、右側の岩壁に移動しました。レイノルズ氏は、スタート前からゴブライト氏とロープでつながっていたため、このロープを振り子のように使って、右側の岩壁に移動したようです。両者の登るペースなどを理解していなければ、かなりのタイムロスになるため、巧みなチームワークが成す技といえます。


スタートから約22分。ゴブライト氏が「ストーブレッグ」に到達。途中のルートに他のクライマーがいますが……


特に気にすることもなく、突き進んでいきます。


順調に「ドルトタワー」を登るゴブライト氏。約34分で地上から約250mの地点に到達。


スタートから42分で、ゴブライト氏はドルトタワーを登りきり、「エルキャプタワー」に入りました。


約6分後には「エルキャプタワー」を制覇。あっという間に地上から約366mの地点に到達しました。1分あたり約7~8mと登るペースは変わっておらず、無尽蔵のスタミナに恐ろしさすら感じだします。


その後、足場がほとんどなさそうな場所であっても、難なく登るゴブライト氏。


すると、ゴブライト氏は「ブートフレーク」を登りきった地点で立ち止まります。直後、ゴブライト氏の真下に到着したレイノルズ氏が……


ゴブライト氏とつながっているロープを使って左の岩壁に移動。ここでもチームワークが発揮されています。


今度はレイノルズ氏が、先行して登っていきます。


すると、ゴブライト氏もレイノルズ氏とつながっているロープを使って、左の岩壁に移動し再び登り始めます。


以降も順調に進んでいき、スタートして1時間32分でレイノルズ氏が「グレートルーフ」に到着。


この時点で、地上から約610m。


そして「キャンプ5」に到達すると、2人は近い位置を保ちながら登っています。


ゴール目前になると2人の位置関係にほとんど差はなく……


先にレイノルズ氏がゴール。


そして、最小限の時間差でゴブライト氏がゴールし、2時間19分44秒の世界記録を達成しました。

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